カテゴリ「詩集」の190件の記事 Feed

2015年7月 4日 (土)

届いた2冊

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 今日、2冊が届いた。

 1冊は、県内の詩人・有田幸代さんの第3詩集、「そらぐつ」である。2015年8月、紫陽社・刊。

 読みおえたなら、ここで公開したい。

 もう1冊は、出版社・柊書房・社主、影山一男氏(「コスモス」選者)よりの、冊子「棧橋~三十年の年表とアルバム~」である。2015年7月、柊書房・刊。

 季刊同人歌誌「棧橋」が、昨年秋に120号で終刊したので、その30年の記録と写真を集めた、記念資料である。

 僕は69号~108号で在籍したが、途中で辞めてしまって、編集長の高野公彦氏、小島ゆかり氏、他の諸先生に大きなご迷惑をかけてしまい、申し訳なく思っている。

 東京都等での批評会へ参加出来ない事がおもな理由となったが、言訳させてもらえるなら、生来の方向オンチ・地理オンチなので、時間・お金・やる気があっても、東京駅などを潜り抜けられそうになかった。

 後継誌の発行の準備が進んでいるという事で、喜ばしい。

2015年6月22日 (月)

村野四郎「抒情飛行」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、第3詩集「抒情飛行」を読みおえる。

 このブログでは、5月27日の記事(←リンクしてある)、「罠」に継ぐ。

 原著は、1942年、高田書院・刊。5部74編を収める。

 前々年の1940年に大政翼賛会・成立、紀元2600年式典があり、前年の1941年12月、対・米英・宣戦布告があるなど、日本は戦争を拡大していた。

 この詩集にも、題名でも「愛国詩」「若い尖兵」等、戦争協力の詩がある。ただし心身は冷え、頭脳のみが熱しているようで、中年(当時42歳)のブルジョワ知識人らしい在り様だ。逆編年順に詩が収められているらしく、後に置かれた詩には、喪失感、嫌悪感なども読めるのだけれども。

Photo

「フリー素材タウン」より、アジサイの1枚。

2015年6月20日 (土)

「吉野弘全詩集」

Cimg8451 先日、久しぶりに臨時収入が少しあったので、以前より欲しかった本を、楽天ブックスより買った。

 青土社「吉野弘全詩集 増補新版」(2015年3月・2刷)である。

 吉野弘(1926年~2014年)の「消息」から「夢焼け」に至る11詩集、歌詞一覧、資料などを収めている。

 ただし「夢焼け」は1992年・刊であって、その後の幾冊かの詩画集、写真詩集等の作品は、ここに収められていない。

 価格も税込み1万円を超えるので、執着がなければ、思潮社の現代詩文庫3冊(1部の詩集に抄出がある)で充分だろう。

 「荒地」の詩人たちが亡くなって行くと思ったら、その後の「櫂」の詩人も、茨木のり子、吉野弘と亡くなって行く時代となった。

2015年5月27日 (水)

村野四郎「罠」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、第1詩集「罠」を読みおえる。詩集が逆編年順に置かれているので、詩集編の最後にある。

 記事としては、今月18日の記事(←リンクしてある)、「『体操詩集』拾遺」に継ぐ。

 村野四郎(1901年~1975年)は、初め新傾向俳句を創ったが行き詰まり、大学での独詩の講義を受け、詩作に移った。川路柳虹らと「炬火(たいまつ)」を創刊した。

 この「罠」(1926年、曙光詩社・刊)には、川路柳虹の序文を受け、52編を収める。

 モダニズム風の新しい修辞(レトリック)を発見して喜んでいる状態である。のちのノイエ・ザハリヒカイトにも実存にも至っていない。

 「都府の詩」より「3・暁」を引用する。


  3・暁


広場には多くのBUSが

まだ羊のやうに やさしくまどろんでいる


――酷い今日が

その荒々しい手で追い回すには間(ま)がある



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2015年5月18日 (月)

村野四郎「『体操詩集』拾遺」

 筑摩書房「村野四郎全詩集」(1968年・刊)より、「『体操詩集』拾遺」24編を読みおえる。

 この全詩集の詩集の配列は、逆編年順である。しかも1昨日に紹介した「体操詩集」は、第2詩集で、その前に第1詩集「罠」がある。次の機会に紹介したい。

 この「拾遺」では、体操というテーマを失って、やや張りが足りない。印象としては、モダニズムの導入があり、女性の美への拝跪、社会性への蔑視があるようだ。

 ただし戦前の世では優れており、酒屋の元締めという市民階級の生まれ、外国文学の摂取等に拠るのだろう。

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フリー素材サイト「Pixabay」より、菖蒲の1枚。

2015年5月16日 (土)

村野四郎「体操詩集」

Cimg8402_2 僕が編集役をしている同人詩誌、「群青」を送らせてもらっている関係で、渡辺K氏より、貴重な本、「村野四郎全詩集」(1968年、筑摩書房・刊、限定1200部のうち954番)を頂いた。

 2重函だが、外函は痛んでいるので、写真は内函である。

 彼は高校文芸部の1年後輩で、今は曹洞宗の高僧になっている。高校生時代の僕が、村野四郎を褒めていたので、村野四郎の詩論集なども頂いた。

 今の僕は、戦後「荒地」や「櫂」の詩も好き(だった)のだが。

 僕が「体操詩集」を初めて読んだのは、創元社「現代日本名詩集大成」9巻だったと思う。このシリーズは優れており、取り上げる詩人の若干の詩集(村野四郎ならば「体操詩集」と「亡羊記」)を丸ごと収めている。

 「体操詩集」は、戦前モダニズムの1つ、ノイエ・ザハリヒカイト(新即物主義)に拠っている。上昇のあとの落下(戦争の高揚と敗戦を予感した?)など、公式的に言えば、戦前の小市民の不安を描いて、記念碑的な詩集である。

2015年5月15日 (金)

茨木のり子「自分の感受性くらい」

Cimg8398 茨木のり子の詩集「自分の感受性くらい」を読みおえる。

 2005年5月、花神社・刊、新装版(1977年・初版)。

 先の4月27日の記事(←リンクしてある)、茨木のり子「倚りかからず」と同じく、ある人から譲られた詩集である。

 表題作「自分の感受性くらい」は、全6連の最終連で、「自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ」と女性の先輩に叱られる。

 それはそうだが、政治や勝負ごとに関わっていると、感受性の磨り減るのがわかっていながら、止まらないのだ。

 医師の娘として生まれ、医師に嫁いだ、恵まれた(と僕は考える)女性詩人には、わからなかった事かも知れない。

2015年4月27日 (月)

茨木のり子「倚りかからず」

Cimg8376 茨木のり子(1926年~2006年)の生前最後の詩集、「倚りかからず」を読みおえる。

 筑摩書房、2006年12刷。帯。83ページ。

 この詩集は、ある方から譲られた本の、1冊である。

 「茨木のり子全詩集」(2010年、花神社)が出ており、ほしいと思った時期もあった。

 しかし買わないのは、生前の批評を含めた選集「言の葉」3巻(筑摩書房、2002年・刊)を、既に買って読んでいる事がおもな理由である。

 この「倚りかからず」は、さっぱりした15編(内容は深い)を収めて良い。

 表題作の「倚りかからず」は、「もはや/できあいの思想には倚りかかりたくない/…もはや/いかなる権威にも倚りかかりたくはない/…倚りかかるとすれば/それは/椅子の背もたれだけ」となっていて、戦後思想(彼女の場合、戦中を含むかも知れない)の移り変わりと凋落を、嘲笑している。

2015年2月26日 (木)

恋坂通夫「花は咲くことのみ思い」

Cimg8273 恋坂通夫さんの詩集「花は咲くことのみ思い」を読みおえる。

 今月19日の記事、「届いた5冊」で紹介した内の1冊である。

 2015年2月、詩人会議出版・刊。

 恋坂さんは、「詩人会議」「福井詩人会議・水脈」「炎樹の会」「電通文芸同好会」「雪炎」「福井県詩人懇話会」会員。

 全体は3部立てである。章分けはされていないが、目次では*印、本文では扉絵が付されている。

 第1部では、奥様を亡くされた悲しみ、新しい奥様を得た喜び、別れて住むが優しいお孫さんたちが描かれる。

 第2部では、若狭原発等、社会問題への思いを述べる。

 第3部では、先の奥様が元気だった頃の、退職後に始めた喫茶店、飼い猫などが描かれている。

 人生の思いの籠った詩集である。

2015年2月19日 (木)

届いた5冊

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 最近に家に届いた5冊を、紹介する。

  1. 総合歌誌「歌壇」2015年3月号。2月14日の発売日に、「楽天ブックス」へポイントも利用して注文。2月15日に届く。
  2. 結社歌誌「コスモス」2015年3月号。2月16日(月曜日)に届く。
  3. 西田昌弘さんより、詩文集「此岸より」を贈られる。
  4. 恋坂通夫さんより、詩集「花は咲くことのみ思い」を贈られる。
  5. Amazonのマーケットプレイスに注文した古書、「図解 スマートフォン「超」活用法」が届く。

 それぞれ読み、学びたい。

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