« 2008年12月 | メイン | 2009年2月 »
平成20年の小遣い帳を締め切って、試算表を作った。1円も違わずに、貸借が合った。
結果は、10万余円の黒字だった。これは僕が節約したのではなく、夏ごろに臨時収入があったからである。
1年の本代は、雑誌を含めて、17万余円だった。うち全集類が、10万円近くを占める。
今は本棚に全集を並べて意気がっている時代ではないと言われるが、僕は全集類に惹かれる。古いタイプだろうか。
初めから「COSMOS集」までと、「新・扇状地」、他。
僕は今号は3首掲載で、残念だった。
ただし、福井支部会員のなかに、喜ばしいことが4つあった。
支部長のUKさんの歌が、「月集特別作品」に載ったこと。THさんが、3ヶ月ぶりかに戻ってきて、MKさんが数年ぶりに戻ってきたこと。
それに、TTさんの歌が、特選欄の「COSMOS集」に載ったこと。
僕も、うかうかしてはいられない。
読んでいて、付箋を貼った作品は、次の1首だった。
食ほそくなりて豚カツ一枚をわけあへば薄給の若き日のごと
( 14ページ上段)
僕は結婚当初の、薄給の日々を思い出した。僕たちも老いて、このようになるのだろうか。
東京都に在住の歌人、松田幸(まつだ さち)さんの第2歌集、「春雷」を読みおえる。
2003年、丸善出版サービスセンター・刊、非売品。
1ページ2首、214ページ、総389首。
この歌集には、彼女の経歴、所属歌誌などは、記されていない。
夫を亡くして年経た彼女は、海外旅行、音楽会、美術館めぐりなど、楽しみながらも、心に不安があるようだ。
この歌集の作品の特色は、目の前にないものと現実を絡めて、心情を表現している所にあるだろう。小島ゆかりさんの短歌にあるような、シュールなところはない。
読み進めながら付箋を貼った作品より、5首を以下に引く。
ひもすがら観念の野をかけめぐり母の呼ぶ声未だ聞こえず
過去なべて君にまみえむ序奏とぞ夢で告げしが誰とも知れず
襤褸もてレンズを磨くスピノザをぼろ市に見きと人に語るな
古径描く画面ゆきかふ勁き線わが生き様にこの一線が欲し
手を振りて去りゆく君の幻よこの世の辻にかなかなの啼く
最近のコメント