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2010年11月の28件の記事

2010年11月 8日 (月)

バルザック「ゴプセック 毬打つ猫の店」

001  バルザック「ゴプセック 毬打つ猫の店」を読みおえる。

 岩波文庫、2009年2月・刊。

 今年8月19日のこのブログで、購入に少し触れている。アーカイブより、ご覧ください。

 この本は、バルザックの初めの頃の中編小説2編を収める。

 「ゴプセック」は、貴族や名士(社交界に出入りするような人)を顧客とする高利貸し、ゴプセック老人の最盛期から死までを、代訴人デルヴィルの語りとして、展開している。

 高利貸しの非情さより、破滅してゆく貴族夫人のほうに、興味が惹かれる。

 「毬打つ猫の店」は、商人の美貌の娘が、天才的画家に見初められて妻となるが、純朴な娘は画家やその仲間について行けず、27歳での夭逝が救いであるような、心の苦しみを味わう物語である。

2010年11月 7日 (日)

荻野目洋子「Non Stopper」

Non_stopper_002  ショッピング・サイト「Amason」のマーケット・プレイス「ウィズネット」より、荻野目洋子の中古CD「Non Stopper」を買った。

 1986年、Victor・発行。

 まだ1度だけしか聴いていないが、当時の彼女の、アップビートというのか、ハイテンションな歌声に惹かれる。

 「ダンシング・ヒーロー」「フラミンゴinパラダイス」「六本木純情派」など、全10曲。

 当時の貧しく暗い自分(世間は明るいようだったが)を思い出した。

 ここのところ、ザ・ピーナッツ、加山雄三から山口百恵を経て、荻野目洋子などに至るまで、他の歌手を含め、懐かしの歌謡曲のベスト盤CDを、ネットで買っては聴いている。

 最近のJ-POPのCDは、ほとんど買わない。

2010年11月 6日 (土)

変更事項

 このブログ内の、最近の変更事項の3つを、以下に示す。

  1. ブログ「ほやほや」と、ホームページ「コスモス短歌会」を、リンク集に加えた。
  2. 右サイドバーの下端より2番目に、「更新ブログ」を表示する。僕の拠っている「ミテログ」のブログより、最新更新のもの10件で、管理画面のクリック1つで出来た。他のミテログブログで見て、長くあこがれていたこと。
  3. 「人気ブログランキング」へのバナーを、毎月1回以上、更新するようにした。

 僕のブログも地味なところで、少しずつ進化していると言えるだろう。

2010年11月 5日 (金)

松藤夏山「夏山句集」

 角川書店「増補 現代俳句大系」の第2巻より、8番めの句集、松藤夏山(まつふじ・かざん、本名・一衛)の「夏山句集」を読みおえる。

 原著は、昭和12年、龍星閣・刊。

 高浜虚子がその序文で述べているように、虚子・編の2つの俳句歳時記が編纂されたとき、取材・編集に心血を注いだとされる。

 このように文学の部門で、舞台裏で活躍し、表では小さく光ったのみの文学者(とくにアマチュア性の強い、俳歌詩において)が多くいる筈だ。

 著者32歳~45歳(没年)の13年間の、588句を収めた遺句集である。

 以下に5句を引く。

春の山登りつめたる鳥居かな

壷焼や海見て憩ふ茶屋床几

湖の水軟らかや行々子

大蟇に話しかけつゝ掃きにけり

干草に針金熊手抛りあり

2010年11月 4日 (木)

「棧橋」No.104

No_001  季刊同人歌誌「棧橋」の、No.104を読みおえる。

 僕はこの号に欠詠した。思うところあっての行為である。

 しかし同人たる事は続けるつもりで、同人費を送金し、105号の原稿の準備もしている。

 通読したところでは、O恵美さんの「犬のしっぽ」12首と、感性が合うようだ。

 今の僕は犬を飼えないけれど、今の家に分家してから、2度、犬を飼った。

 末尾の1首に関わって、小さい幸福をほしいけれども、稀には大きな幸福がほしい、と思う僕である。

 「棧橋」No.104の読了に関して、2首の拙作が出来たので、以下に掲げる。たとえ「コスモス」に出詠しても、載らないだろうなあ。

「棧橋」を一応は読み通したりヤッタゼイとぞ声あぐるわれ

バッハ作パイプオルガン曲集に励まされつつ歌誌を読みゆく

          (未発表)

2010年11月 3日 (水)

「滅びゆく野生動物」

001  先の10月31日のこのブログで、購入を報告した写真集、「滅びゆく野生動物」を見おえる。

 1991年、成美堂出版・刊。

 本の正式題名は、「地球サイエンスロマン・カタログ 滅びゆく野生動物 大図鑑 世界の絶滅のおそれのある哺乳動物たち」である。

 監修者・今泉忠明の序文、4名のメッセージとともに、88種類(僕が数えたところでは)の哺乳動物の写真と説明が収められる。

 哺乳類だけでも全部ではないだろうし、魚、爬虫類、昆虫などをを含めれば、植物とともに多くの種が絶滅の危機に瀕しているのだろう。

 富の誇示のために珍しい角を取られたり、貧しさゆえに食用・薬用として殺されたり、農業・他の産業に生息地を追われているという。

 生物の種の多様性が、巡り巡って人類に有益であると、考えられる時代となった。

2010年11月 2日 (火)

岩波文庫2冊

 駅前(JRのF駅前)に、用事があって出掛けた。駅前商店街には、シャッターを降ろした店が幾つかある。郊外の、無料大駐車場をそなえた量販店などに、客を奪われたのだ。

 待ち時間が少しあったので、近所の紀伊国屋書店へ行き、岩波文庫を2冊買った。

 この店の、岩波文庫の棚が、開店当時に比べて、3分の1以下になっていて、がっかりする。店にも事情があるのだろうが。

 買った2冊の内、1冊はアメリカ作家のワシントン・アーヴィング(1783~1859)の「ブレイスブリッジ邸」(2009年1刷)である。彼の「スケッチブック」を、岩波文庫ではないかも知れないが、文庫本で持っている。

 もう1冊は、現代フランス系作家であるル・クレジオの「物質的恍惚」(2010年1刷)である。ウィキペディアに拠ると、この本はエッセイ集とされている。

 僕は彼の小説の1作を、現代世界文学全集の1冊で読んだ、と記憶している。

 なお彼は2008年に、ノーベル文学賞を受賞している。

003

2010年11月 1日 (月)

「詩集ふくい 2010」

002  アンソロジー「詩集ふくい 2010」を読みおえる。

 2010年10月、福井県詩人懇話会・発行。

 年刊で発行されて、今集は第26集となる。

 66名、70編。

 詩編の他に、執筆者名簿と、前年の「’09ふくい詩祭」の記録を収める。

 執筆者名簿は、郵送宛て先の確認などに便利である。

 詩祭の記録は読まなかった。

 もっとも気に入りの作は、O純さん(詩人懇話会の前・代表)の「昨日のように」である。昨日に会った友人が、今朝は急死したことへの、悼みうたである。

 全4連より、以下にその第3連を引く。

   昨日のように

        (前略)

互いに気づかず

いとも軽く別れてしまったが

彼は昨日のように

今日も生きるつもりだった

早朝に起き出すと

とつぜん 胸が苦しくなり

救急処置も間に合わず

彼は息を引き取った

それはそれは 急なことだった

        (後略)

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