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2011年9月の28件の記事

2011年9月 8日 (木)

詩誌「天彦」4号

 敦賀市に在住の詩人・O純さんが、詩誌「天彦(あまびこ)」4号を送って下さった。

 「美浜 詩の会」(K久璋さん・代表)、2011年8月・刊。

 詩は7名9編、エッセイが7名7編、他に「連詩の試み」2編が載る。

 以下に、O純さんの詩、「いのち」全文を引く。ご本人の了解は得てある。

  いのち

         O純


互いにゆずり合って

最後の一つが

残っている


菓子皿のなかの一つである

いずれは誰かの

口に入るのだが


ゆずり合われた

最後の一つは

恥ずかしかった

淋しかった


ゆずり合われた

わけではないが

生き残っている

2011年9月 7日 (水)

ハードル越え

 僕は最近、また幾つかハードルを越えた思いをしている。

 まず、「日本図書コード管理センター」より、申請していた「ISBN出版社記号」の知らせを受けた。

 大阪府の(株)スミタと、ファクスとメールで遣り取りをして、上記内容を含むバーコードを作成して貰い、CDで送って貰った。

 上記CDと、僕の第3詩集の第2校正ゲラを、A印刷(株)へ送った。

 なぜこのような煩雑な事をしているかというと、詩集制作を依頼したA印刷が印刷会社の名前なので、ISBN出版社記号を取得できないからである。

 またK誌の小さな原稿を書き上げ、送付した。前回は字数が少なすぎたので、今回は用紙を2枚、コピーした。今回も1ヶ所間違えたので、コピーした用紙に書き直した。

 1年で1番大きなハードル、夏も過ぎようとしている。現場作業員の僕には、夏は苦しいものである。

 最後に、拙作を1首。

この夏の暑さは峠を越えしとぞ思ひ喜ぶ作業員われは

      「コスモス」平成18年12月号より

2011年9月 6日 (火)

「日燃ゆる九州」

Cimg5281 「日本の街道」(全8巻)の第8巻、「日燃ゆる九州」を見おえる。

 集英社、昭和56年・刊。

 箱、帯、月報あり。

 この巻には九州の、筑紫路、日向路、薩摩路、長崎路、唐津街道を、おもに収める。

 地理的には地方だけれど、古代には大宰府があり、江戸時代には出島があるなど、歴史的には重要な所である。

 さて全8巻の最後である。

 この時代には、本の訪問販売(百科事典、シリーズものなど)がまだ成り立ち、全国周遊の適わぬ人々が、このシリーズを買って願いを達していたのだろうか。

 推測に推測を重ねる、僕の考えではあるけれど。

2011年9月 5日 (月)

木津柳芽「白鷺抄」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第2巻(昭和56年・刊)より、12番めの句集、木津柳芽(きづ・りゅうが)「白鷺抄」を読みおえる。

 原著は、昭和15年、三省堂・刊。

 自序に、「私は、私の道をしづかに踏みしめて行く、たとへ駈抜けて人は行かうと、私の心底には些かの動揺はない、……」とあるように、自ら信じることも篤かった。

 また俳誌「馬酔木」発行に、事務方として長く支えた。

 以下に5句を引く。

みちばたの蓮の実売や秋まつり

寒釣や去ぬとて放つ鮒すこし

桔梗やふみまよひたる道ながら

小庇にのぞく雪あり雛まつり

はたたがみ犬は眼をもて吾にたよる

2011年9月 4日 (日)

ミニ薔薇

Cimg5275_2
 今年3月9日に購入し、8月6日の記事で4度めの開花を報告したミニ薔薇が、5度めの花を咲かせた。

 4つの莟のうち、2つを摘んで、2輪を咲かせた。

 台所の窓辺で、芳香をはなっている。

 このあとも開花させる自信はない。

 これから落葉期にはいるだろうし、越冬させた事がない。

 十分、楽しませてもらった事でもある。

2011年9月 3日 (土)

ジョン・アーヴィング「第四の手」

Cimg5278














 ジョン・アーヴィングの小説、「第四の手」を読みおえる。

 新潮文庫、2冊、平成21年・刊。

 異性関係に乱脈なテレビ記者の主人公が、インドで取材中にライオンに左手を食われるものの、その手の移植手術(結果的には失敗する)を縁に、ある未亡人とのほんものの愛に目覚める、というストーリーである。

 テレビ局の人間や医師など、庶民の感覚(金銭感覚でなく、倫理感)とずれているように思う。

 ジョン・アーヴィングの小説を、僕はずっと読んできたが、「熊を放つ」での鮮鋭なデビューは別として、「オウエンのために祈りを」が今は最も優れた作品のように思う。

 宗教感を誉めるのではなく、すべてに意義があるという、予定調和的な(ハッピーエンドでなくとも)主張に惹かれる。

2011年9月 2日 (金)

「南総里見八犬伝」他

Cimg5269Cimg5274












 

 「日本の古本屋」を通して、名古屋市の古書店「神無月書店」に注文していた、「南総里見八犬伝」10冊揃いが届いた。

 岩波文庫、曲亭馬琴・作、1990年・刊、外箱付き。

 以前から欲しかった本で、紙カバー付きで10冊揃いがそれなりの値段で出ており、機会かと買った。外箱付きはオマケである。

 見開き2ページで1枚の挿絵もあり、電子書籍化できない。

 右の写真は、岩波文庫の新刊、シュニッツラー「花・死人に口なし 他七篇」である。彼の戯曲「輪舞(ロンド)」他を僕は読んでいて、好感を持った。

 この本は、Amazonより買ったもので、新刊本もネットで調べて、ネットで買う場合が多いようだ。送料無料の店もあり、時間と財政の節約になる。

 もっとも現場では、多くの手数がかかっている事は、わかっているのだが。

2011年9月 1日 (木)

詩誌「角」第23号

Cimg5268 Nとしこさんが、同人詩誌「角」第22、23号を、S章人さんが同誌の第23号を、それぞれ送ってくださった。

 「角」は福井県嶺南地方(旧・若狭地方)在住の詩人を主な同人として、出発した詩誌である。

 S章人さんが詩「わが福井震災の記憶と」で、福井震災と東日本大震災の様を、重ねて描いている。

 Nとしこさんは、「再びの」のⅠとⅡの2章で、息子さんが結婚して不在となった事と、東日本大震災後の復興を願う、新しい事態に対する心を描く。

 Y勝さんが映画論、「僕の懐かしシネマ館 11 (番外編2) クリント・イーストウッドの『チェンジリング』」を、5ページにわたって熱く語っているが、僕は読み尽くせない。

 O純さんの詩「蔦」全編を以下に引く。ご本人の了解を得てある。

        蔦

           O純

蔦は鳥になって

空を翔びたかった


蔦は青い空にあこがれ

白い雲にあこがれ

日々 這い上がった

少しずつ 少しずつ

高みへ


暑い日の

わずかな風にも

緑の葉を

羽ばたかせている


心はすでに

鳥である

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