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2012年3月の29件の記事

2012年3月10日 (土)

北沢十一「奇妙な仕事を終えた夕暮れに」

Cimg5740 3月6日の、「群青の会」会合(記事あり)のおり、AUさんより借りた詩集、北沢十一(きたざわ・じゅういち)さんの「奇妙な仕事を終えた夕暮れに」を読みおえる。

 2004年、創風社出版・刊。

 僕はAUさんより借りた詩集に、あまり好意的な感想を持たない。

 彼女へ詩集を贈った人たちに、嫉妬しているのかも知れない。

 この詩集では、暗喩などレトリックの豊かな作品が多い。

 修辞にこだわって、詩の付加価値を高くしても、僕には何にもならない。

 それでも修辞には力を感じるので、1節を引く。

  自由時間
     北沢十一

    (ベランダで)

雨の時代は要という言葉を膝におく

 ひんやりとしたきみのズボンは

 岸辺のない川を泳ぎ続けている

 ダムに沈んだ小学校の

 渡り廊下が貨物船のデッキのように見える

 やがて月がのぼれば腰という言葉が痛みだす

2012年3月 9日 (金)

藤原定「吸景」

 沖積舎「藤原定全詩集」(1992年・刊、限定500部)より、第4詩集「吸景」を読みおえる。

 原著は、1974年、八坂書房・刊。

 「序詩 老いたる太陽」「海」「影」「石」「山」の5編の長編詩を収める。

 僕がソネット詩など短い詩(短歌を含め)ばかり書いているせいか、長編詩には怖れを抱く。

 長編詩といえば、ホイットマン「草の葉」(岩波文庫)と、ロートレアモン「マルドロールの歌」(思潮社「ロートレアモン全集」より)を、読み始めた事があるが、早々に退却した。

 ただし全詩集など、分厚い詩集を読了した事はある。

 この詩集作品の執筆頃には、大学教授を辞していたのか、好む渓流釣りを思わせる「山」や、故郷の海と感応しあいもする「海」など、自由な発想である。

2012年3月 8日 (木)

椿の花とアオキの実

Cimg5733Cimg5734











 庭で、椿の白花が咲いた。名前はわからない。

 ここ数日で、3輪くらいが咲いた。早春の花である。

 右の写真は、アオキの実である。赤熟すると、鳥に食べられて、あちこちに子孫を残す。

 拙作を1首。

庭にくる鳥のたまもの斑を散らすアオキの苗を移し植ゑたり

  「コスモス」2001年7月号より

 なお、写真のアオキも鳥の賜物だが、斑入りでなく青葉種である。

2012年3月 7日 (水)

「ココア共和国」vol.9

Cimg5736_2
 仙台市・在住の詩人・秋亜綺羅さんより、彼の個人詩誌「季刊 ココア共和国」vol.9が、「群青の会」宛てに送られてきた。

 2012年3月1日、あきは書館・刊。

 冒頭の「編集前記」では、東日本大震災の被災と思い、今号の紹介を記す。

 「小詩集」欄は、S英昭さん(詩人・俳優、寺山修司の映画「書を捨てよ、町へ出よう」に主演)の「若いおんなと老人」、十六夜KOKOさん(ブログで活躍する詩人)の「十六夜の月の下」である。

 秋亜綺羅さんの長詩「み」「遠泳」が載る。他に彼の地域の詩人、2人の詩が載る。

 他に秋さんの美術評「アート・アトランダム」と、彼のブログ「ココア共和国」でのコメントの遣り取りの転載も、24ページにわたる。

 こういう所に、戦後詩がひそやかに生き延びているのか、と書いては賛辞にならないだろうか。

 荒川洋治・以降の戦無詩の意義がわからない。もっとも現代詩は(現代短歌も)、「わかる」「わからない」レベルで読んではいけない、という人々もいる。

 僕の詩はだから(?)、お笑い路線や、ほのぼのしみじみ路線へ、走ってしまう。

 芸術詩と大衆詩の分化、と言ってしまえばカッコはいいけど。

2012年3月 6日 (火)

「群青の会」会合

Cimg5731 今日の午後2時より、喫茶店「K」に、詩誌「群青」の同人が集まり、「群青の会」会合が持たれた。

 メンバーは、僕、こぐま星座さん、AUさんの、3名である。

 まず「群青」第23号と、同人費の受け渡しをする。

 AUさんより、詩人から贈られた詩集のうち、1冊を僕が借りた。

 そのあと、生活の話、文学の話。

 僕は昨年3月末で定年となり(その後も働いているが)、人生を少し降りた。また詩人同士の付き合いも、ほとんど降りた。

 それに比べて、僕より若い、こぐま星座さん、AUさんはたいへんなようだ。

 僕の腰と頚のリハビリがあるため、3時に散会した。

 3人とも笑顔だった。

2012年3月 5日 (月)

「週刊アスキー」3/13

Cimg5726 先日の真夜中、近所のローソン(もう「」抜き表示だよね)へ行ったとき、「週刊アスキー」3/13があったので、買ってきた。

 特集の1つ「春の最強スマホ決定戦」は、ジャンル(?)ごとに(4G通信、コンパクトスマホ、女子スマホ、など6ジャンル)ベスト3機種が挙げられている。

 これから買いたい人には参考になるだろうが、今年1月に買った僕には、どうしようもない。

 特集のもう1つに、「最新ミラーレスカメラ完全レビュー」があり、期待していた。

 しかし取り上げられているのは、高級機種ばかりで、僕の参考にならなかった。

 小型軽量・高機能・廉価な、デジタル1眼ミラーレスカメラの現れる日があると、僕は信じて待っている。

2012年3月 4日 (日)

古井由吉「山躁賦」

Cimg5724 古井由吉(ふるい・よしきち)の小説「山躁賦」を、Amazon内のマーケットプレイス「(株)バリューブックス」より買う。

 集英社文庫、昭和62年・刊。

 新しい本では、講談社文芸文庫・版(古書を含め)もあるが高価なので、古い集英社文庫を買った。

 さらにその古本の一覧に、「コンディション良い コメント―カバーに汚れがあります。カバーに日焼けがあります。…。698円(送料含む)」のこの本と、〇〇店の「コンディション可 コメント―初版カバー。750円(同)」があって迷ったが、前者の「コンディション良い」に賭けてみた。

 以前にも経験があるが、本の状態について出品者は過敏である。購入者の評価が返されて公表されるので、信用を得たい店は、過大に書くのである。今回も、困るような点はなかった。

 これで彼の小説(未読)は、この本に「槿」「辻」を加え、3冊となった。

 拙作を1首。

蔵書はも負債の如し返済は一冊づつを読み了ふること

    「コスモス」2009年6月号より

2012年3月 3日 (土)

荒川洋治「人気の本、実力の本」

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 現代詩作家・荒川洋治氏の文学評論集、「人気の本、実力の本」を読みおえる。

 昭和63年(1988年)、五柳書院・刊。

 「ピンクの赤字(『ボクのマンスリー・ショック』刊行メモ)」の中で、彼は「僕は詩は一流だが(?)文章書きとしては三流、四流で、…」と書いている。

 彼の謙遜だろうが、意識するのか、中にはお笑いめかして書かれた部分もある。

 それが2006年には、文学評論で以って、「小林秀雄賞」を受賞している。資質もあるのだろうが、研鑚の力は怖ろしい。

 また「雨中の選抜 地図の言葉」では、詩集「娼婦論」「水駅」で、地図を唯一のデータとして、詩を創る経緯が細かく述べられて、感服する。

 また詩論の他でも、言葉についての感性は鋭く、詩作での自信も肯える。

2012年3月 1日 (木)

詩誌「群青」第23号

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 印刷所の「宮本印刷」へ電話したところ、昨日の夕方には出来ている、という話だったので、昨日の仕事帰りに「宮本印刷」へ寄って、同人詩誌「群青」第23号、100部を受け取った。

 同人3名、目次とエッセイ1ページを含めて8ページの、ささやかな詩誌である。

 1年3回の発行を保ってきたので、創刊より8年に近い。

 詩は、AUさんの「木綿糸」、こぐま星座さんの「シャッター商店街」、僕の「目録」の3編。

 個性が出て、常凡にみえてそのままで無さそうな作品もある。

 エッセイ1ページ(持ち回り)は、僕の「協力」である。知的にも老い初めた同僚二人(僕とヤッさん)でも、協力すれば事が(仕事以外の事だが)成せる、というエピソードを描いた。

 同人3人が会う、日時も場所も決めてある。

 詩誌の発送(贈呈)の作業は、僕一人でやる。宛先を1つずつ、サインペンで書いて(宛先シールの作りかたがわからないから)。

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