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2013年10月の28件の記事

2013年10月 9日 (水)

「日本の祭り 2」

Cimg7270 写真集「日本の祭り 2 関東」を見おえる。講談社、1982年・刊。

 先の10月4日の記事、「1 東北・北海道」に継ぐ本である。

 関東(とくに東京)の祭りでは、参加者が多くて混み合っている。

 漁師の祭り(大津のお船祭り、等)は勇壮である。

 男女の童の稚児がかわいい。

 秋祭りは賑やかでも、冬に向かうせいか、淋しさをまとう。

 祭り半纏の写真集、東京の市(凧、朝顔、ほおずき、羽子板、等)の写真も、実際を知らぬ身には興深く面白い。

2013年10月 7日 (月)

プーシキン「スペードの女王 ベールキン物語」

Cimg7267 プーシキンの小説集、「スペードの女王 ベールキン物語」を読みおえる。岩波文庫、1993年32刷。

 神西清が昭和初期に翻訳したものを、新仮名、新漢字に改めた訳文は、興趣の深いものである。

 「スペードの女王」は、カード賭博を巡る怪奇物語である。筋は戒めているように見せるが、賭博の狂気をよく表わしていると、僕は思う。

 「ベールキン物語」は、5編よりなる連作短編集で、故人等の原稿に序文を付けて発表する、という体裁は古今東西を問わぬ形式である。

 旧・ロシアの階級を問わぬ人情が描かれて、僕の好みの物語である。最後の「贋百姓娘」は、「ロミオとジュリエット」のように、対立する2家の娘息子の恋物語だが、喜劇的な展開の果て、ハッピーエンドに至る、微笑ましいストーリーである。

2013年10月 6日 (日)

「第8回苜蓿忌」

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Cimg7262 昨日(10月5日、土曜日)の午後2時より、詩人の故・広部英一さんを偲ぶ「第8回苜蓿忌(もくしゅくき)」が催された。

 旧・清水町の「きらら館」庭園の詩碑前で、碑前祭。M迪夫さんの実行委員挨拶、2名による広部さんの詩の朗読、K明日夫さんが「広部英一を語る」で4年越しの「広部英一全詩集」の完成を含めて語った。

 詩碑へ献花、献本を以って、碑前祭を終えた。

 「きらら館」の1室に移って、「広部英一を偲ぶ会」が持たれた。参加者は、世話方の「清水 詩の会」の方たちの予想を越え、長テーブルを1つ追加しても足りない程だった。僕は「群青」同人のAUさん、こぐま星座さんと並んで、末席近くに座った。

 11名の方が故・詩人を語り、実弟の方のハープ演奏を挟み、広部夫人の謝辞で「苜蓿忌」を締め括った。

 参加者全員ではないが、「広部英一全詩集」が分けられ、僕も1冊を頂いた。帯、箱、栞、774ページの、立派な本である。思潮社、2013年10月1日・刊。

2013年10月 5日 (土)

詩誌「群青」第28号・編集会議

 この10月3日(木曜日)に、同人詩誌「群青」(年3回・刊)の第28号の原稿を、僕がパソコンのワードで入力し終えたので、同人のこぐま星座さんに連絡した。彼から、もうひとりの同人・AUさんと調整して貰って、今日(土曜日)の午前10時より、喫茶店「珈琲ユトリ」に同人3人が集まった。

 これまでに3人が集まった2回は、僕の私情で、ブログにアップしなかった。

 誌面稿は、筆者の自己責任ということで、見てもらった。指摘される点はなかった。

 3人の詩とAUさんのエッセイについて、感想を軽く述べ合った。

 AUさんのエッセイの主題である、詩人・作家のつかさんの逝去を巡って語り合った。

 今日の午後に催される苜蓿忌に、こぐま星座さんとAUさんも参加する事になった。その忌祭については、明日の記事にアップしたい。

 「群青」第28号の誌面稿は、新しくプリントし直したので、明後日7日(月曜日)に、いつもお願いしている宮本印刷へ、持ち込む予定である。

Photo「フリー素材タウン」より、八重黄花コスモスの写真を1枚。

2013年10月 4日 (金)

「日本の祭り ①」

Cimg7260 全8巻の「日本の祭り」より、第1巻の「東北 北海道」を見おえる。
 講談社、1982年・刊。

 写真集としてはこれまで、「探訪 日本の古寺」(全15巻)を見て来て、今年7月8日の記事(←リンクしてあり)で第3巻に至ったのだけれど、嫌気が差したので、しばらく中断する。

 この時節に「祭り」でもないだろうという意見もあるだろうが、郷土愛の1表出として、各地の祭りを見ていきたい。

 「① 東北・北海道」では、東北の有名な「ねぷた」「ねぶた」等の他、小さい祭りまで多く取り上げられている。

 大震災の諸事情で取り止めになった祭り、逆に復興の1表象として催された祭りもあるだろう。

 北海道の祭りでは、アイヌ民族の行事を全体的に記録しておく必要があると思う。

 100ページのカラー写真篇は見たけれど、それに続く73ページに渉る研究・解説篇は読まなかった。忙しい(?)し、研究する訳ではないので、ご寛恕願いたい。

2013年10月 3日 (木)

岸風三楼「往来」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第7巻(1981年・刊)より、10番めの句集、岸風三楼(きし・ふうさんろう、1910~1982)の「往来」を読みおえる。

 この巻では、先の9月26日の記事(←リンクしてある)にアップした、八木絵馬「月暈」に継ぐ句集である。

 原著は、1949年、高山書院・刊。722句。

 富安風生の長い長い序文は、1時の虚子に倣ったものであろうが、見苦しい。

 また敗戦日の3句が載るが、嘆きも喜びもなく、「万象すぐる」と吟じて、人事ではないかのようである。

 またメーデーの1闘士、われら労働者、と吟じるが、大衆より恵まれていた事は明らかで、庶民ぶる事はない。生活では誠実だったようだけれども。

 以下に5句を引く。

傷兵と子に噴泉の水は涸れ

巫女も持つ時代祭の長刀を

凍つる夜のラジオは軍歌もて了る

午すぎてよりの暑さの法師蟬 (昭和20年8月15日)

煮凝や子なき夫婦の相頼り

C「フリー素材タウン」より、コスモスの花の写真を1枚。

2013年10月 2日 (水)

染野太朗「あの日の海」

Cimg7256 染野太朗さんの第1歌集、「あの日の海」(2011年、本阿弥書店・刊、まひる野叢書第282篇)を読みおえる。

 島田修三・帯文。

 染野太朗(そめの・たろう)さんは、1977年・生、1995年「まひる野」入会、2004年より教職に就く。

 欺瞞の多い生活に悩み、心を病んで、休職、通院したが、復職したようだ。

 教職は羨ましいようだが、ストレスが多く、悩みも多いようだ。

 以下に7首を引く。

元素記号を唱えるように結婚を告げたる友この明るさは何

教室のうしろに立った母たちの海で死んでも濡れない茶髪

玉葱を炒めておれば鍋底にうらみつらみの凝りはじめぬ

銃弾を箸につまめば店員が銃を差し出す「それ〈当たり〉です」

桃色の布団に妻は尾の切れた蜥蜴のようだ伏して泣きおり

アイビーがこのひと月をまた伸びて心療内科の待合室に

東京に降る雪よりもあっけなくぼくの不安は新薬に消ゆ

2013年10月 1日 (火)

「歌壇」10月号

Cimg7253 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2013年10月号を読みおえる。

 目次ページが9月号と同じだったミスは、1珍事だろう。

 短歌作品をおもに読んで、散文(評論など)では全部を読まなかったものもある。

 高野公彦(「コスモス」編集長、他)の「へびの目」20首に注目。

 次の「原子炉の炉心溶融(メルトダウン)の焦熱か今年の夏の日々の猛暑は」「原発の真上通つたカモメ言ふ 空があつーい、羽が抜けるよ」2首には違和感を持った。

 「原発は薄目で海を見てをりぬ薄目の奥に光る蛇の目」は、汚染水流出を当時に予言していたようで、怖くさえある。

 特別企画「筑紫歌壇賞の作家競詠」が、12氏の作品を載せて、健在ぶりに僕は喜んだ。

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