カテゴリ「読んだ本」の1643件の記事 Feed

2016年8月20日 (土)

「コスモス」9月号「月集」読了

 8月15日の記事(←リンクしてある)で紹介した歌誌2冊の内、結社歌誌「コスモス」2016年9月号の、作品欄トップ「月集」を読みおえる。

 ここで「月集」と呼ぶのは、「今月の四人」「月集スバル」(2つは選者、選者経験者の欄)、「月集シリウス 特別作品」(12名×5首)、「月集シリウス」(4首or5首)の、4欄の事である。

 「月集シリウス 特別作品」には、柏崎氏夫人の挽歌、K・絢さんの出産の歌もあって、心うたれる。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。「月集シリウス」のM・則子さんの5首より。

軒は鳩、納戸は守宮と住み分けて夫の生家の店子となれり

 人間も住み分ける事に足らえば、争いはごく少なくなる筈だが。

Photo「フリー素材タウン」より、ひまわりの1枚。

2016年8月19日 (金)

「日本の天然記念物 1」

Cimg8982  写真集として、「世界の博物館」(講談社、全23巻)が過ぎたので、同じ講談社の「日本の天然記念物」(全6巻)より、「1 動物 Ⅰ」を見おえた。

 A4判よりわずかに大きい、大型本である。1984年・2刷。

 僕は絶滅危惧種の本(できれば写真集)が欲しい時期があったのだが、高価過ぎたので、少し趣旨が違うが、このシリーズを買って、眺められる時期を待っていた。

 この巻では、哺乳類、鳥類を収めている。

 おっとりしたカモシカから始まり、鹿、猿の生息地、イリオモテヤマネコ等の離島の哺乳類、等が紹介されている。

 鳥類では、白鳥、鶴の類からワシタカ類、海鳥の生息地、等。

 家畜・家禽では、野性馬、秋田犬等の日本犬、オナガドリ等の在来鶏、等が紹介されている。

 なお僕は、自然保護活動を目指す意図はない。

2016年8月18日 (木)

茨木のり子「見えない配達夫」

 花神社「茨木のり子全詩集」(2013年・2刷)より、第2詩集「見えない配達夫」(1958年、飯塚書店・刊)を読みおえる。

 第1詩集「対話」は、先の8月12日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 「真夏の夜の夢」では、「その臭さ 醜さ/ああ いっそせいせいする/ホモ・サピエンスというものは/おしなべて同じ愚鈍の 飽きっぽい/忘れっぽい ぐうたらべえの種族なんだ」と、知識人による大衆蔑視を明らかにする。同編の日本の未来への希望も、進歩的詩人の力では、どうにもならなかった。

 「わたしが一番きれいだったとき」は、美しい1編だ。長生きに未来を託すのは、少し変だけれど。

 「怒るときと許すとき」は、結婚した女性の愛情と悲しみと決意を描いている。現今の女性首長、国家元首の時代を先取りしたようだ。

Photo「フリー素材タウン」より、ひまわりの1枚。

2016年8月16日 (火)

金子兜太「少年」

 角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、17番めの句集、金子兜太「少年」を読みおえる。

 先行する加藤楸邨「山脈」は、先の8月11日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 原著は、1955年、風発行所・刊。497句。

 「少年」は、共著を除いて、金子兜太(かねこ・とうた、1919年~)の第1句集であり、後年の発展・活躍を細かく知らない僕は、その点からの評価は成しにくい。

 以下に5句を引く。

わらんべの蛇投げ捨つる湖の荒れ

パンの実の灯を得て青し手紙開く

方々にひぐらし妻は疲れている

河氷り橋脚汚れ吾等生きる

共に小さき妻子の冷えた手を握る

Photo「フリー素材タウン」より、ひまわりの1枚。

2016年8月14日 (日)

「コスモス」8月号「その一集」読了

 結社歌誌「コスモス」2016年8月号より、「その一集」通常蘭(特選欄・以外)を読みおえる。

 同・「COSMOS集」読了は、先の7月30日付けの記事(←リンクしてある)にアップした。

 「その一集」と「月集シリウス」の間に、もう1クラスを作って、「その一集」の過密を解消したら、どうだろうか。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。I・光正さんの4首より。

バイオにて化けし色濃き花避けて岡虎尾買ふ地下の花屋に

 僕は大輪の華やかな花を買いがちだが、上の1首も1見識と思う。助詞の省略を補って読めるのは、読む側の修練故だろうか。

Photo「フリー素材タウン」より、ひまわりの1枚。

2016年8月13日 (土)

竹山広「地の世」

 ながらみ書房「定本 竹山広全歌集」(2014年・刊)より、第10歌集「地の世」を読みおえる。

 第9歌集「眠つてよいか」は、今月6日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 「地の世」は、2010年、角川書店・刊。304首。

 「地の世」は、2010年に90歳で亡くなった竹山広の遺歌集である。

 前年、「現代短歌大賞」を受賞している。

 「十字架上のおんくるしみの末端に加へたまへと祈りたり今日は」の1首があるごとく、善悪の意味で、敬虔なクリスチャンだった。歌にはあまり詠まなかったけれども。

 このあと全歌集には、すべての歌集の解題、略年譜、初句索引、全歌集*目次細目、等を収めている。

 以下に7首を引く。

臍を見て妻が戻しし南瓜はどなたの腹にをさまりたらん

介護3に格上げされて横たはる未明を走り去るオートバイ

のぼるかと見えし園児ら陸橋の下に並びて別れゆきたり

床上に飯を食はむと起きて座ることにさへわが妻にすがるを

図書館に並べられゐむわが本よ誇らしき顔を見せつつ並べ(注・蔵書一切を譲って)

妻としてありしこの世の歳月のくるしかりにしこころを語れ

歌人としてここまで至りえしことをわが生涯のよろこびとせよ

Photo「フリー素材タウン」より、ひまわりの1枚。

2016年8月11日 (木)

加藤楸邨「山脈」

 角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、16番めの句集、加藤楸邨「山脈」を読みおえる。

 先行する、栗山純夫「科野路」は、この8月2日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 「山脈(さんみゃく)」は、1955年、書肆ユリイカ・刊。487句。

 加藤楸邨(かとう・しゅうそん、1905年~1993年)の第9句集、戦後・第3句集になる。

 敗戦後の戦争責任・追及が過ぎ、肋膜炎が回復期に入り、著者あとがきで「私はもう一度振出しに戻って歩き始めてゐる感じだ。」と述べている。

 以下に5句を引く。

水のむと片目つぶれば十三夜

黄金虫灯に酔ひ兜虫は攀づ

鉛筆で指さす露の山脈を

春嶺の脈うつを蹴り起きあがる

黴干すや売りしか焼きしか書乏し

Photo「フリー素材タウン」より、ひまわりの1枚。

2016年8月 7日 (日)

石田衣良「池袋ウエストゲートパーク」

Cimg8951 石田衣良(いしだ・いら)の小説集、「池袋ウエストゲートパーク」を読みおえる。

 文春文庫、2003年・12刷。

 僕は彼の小説4冊、「約束」「波のうえの魔術師」「40」「アキハバラ@DEEP」を読んで、ブログにアップして来た。直近の「アキハバラ@DEEP」は、今年5月12日付けの記事(←リンクしてある)にアップした。

 「池袋ウエストゲートパーク」は、石田衣良のデビュー作である。「池袋ウエストゲートパーク」「エキサイタブルボーイ」「オアシスの恋人」「サンシャイン通り内戦(シヴィルウォー)」の4編連作である。

 家業の果物店の手伝いをする、マサ(18歳~19歳?)が主人公となって、殺人事件、麻薬取引、対立する青少年グループの抗争終結、などに関わって行く。

 美しいヒロインも登場する、バイオレンスのフィクションであり、ストレスのカタルシスを誘う。

 IWGP(池袋ウエストゲートパーク)シリーズとして、既に10冊(僕が知る所)の小説が本になっている。

2016年8月 6日 (土)

竹山広「眠つてよいか」

 ながらみ書房「定本 竹山広全歌集」(2014年・刊)より、第9歌集「眠つてよいか」を読みおえる。

 第8歌集「空の空」は、先の7月27日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 「眠つてよいか」は、2008年、ながらみ書房・刊。347首。

 「あとがき」には、「前歌集『空の空』を出してまもなく、脳に出血があり、さらに二ヶ月後、再出血という事態を招き、行動の自由を奪われてしまった。」と述べる。

 家うちを歩く事は出来たが、ひとりでの外出は適わなかったようだ。

 全歌集は、あと遺歌集「地の世」を残すのみである。

 以下に7首を引く。

一年に一、二度むすぶネクタイを結びをり渡世円満のため

樹樹の葉を濡らすだけでも降らぬよりましよと雨の肩をもつ妻

三階のエレベーターが一階に降りきて三階に昇りくれたり

幹だけにされて旱天に突つたてり憤怒の棒のやうなる楓

死ぬときは死ぬとかならず言つてよと泣きゆきし妻しづかになりぬ

十五歩の廊下を十たび行き戻りして昼まへのリハビリ終る

診らるるはわがしわしわの躰にて大事なことはみな妻がきく

Photo「フリー素材タウン」より、ひまわりの1枚。

2016年8月 5日 (金)

「国立民族学博物館」

Cimg8946 講談社「世界の博物館」(全23巻)より、第22巻「国立民族学博物館」(1989年・4刷)を見おえる。

 178ページ、写真418枚(カラー、モノクロをまじえ)。

 先行する「故宮博物院」は、先の7月6日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 この巻は、大阪万博記念公園に、1977年に建てられた、「国立民族学博物館」を紹介する。

 世界の多様な民族文化を集めた、とされる。1国、1地方の民俗を研究・展示するのさえ大変なのに、世界から集めて、不慣れな僕には、集中できない。

 1冊の本にまとめる事が、無理なのかも知れない。

 なお、最終・第23巻「世界の博物館事典」は、紹介しきれなかった博物館(写真が小さい)と、事典で、改めて紹介しない。

 全23巻を、お粗末ながら、見学できた。

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