カテゴリ「歌書」の467件の記事 Feed

2015年4月24日 (金)

「福井短歌」第7号

Cimg8353 福井県短歌人連盟の事務局より送られた、年刊歌集「福井短歌」第7号を読みおえる。

 2015年3月20日・発行。

 僕は参加していないが、編集人のKさんが詩も書いているので、同人詩誌「群青」を送らせてもらっており、その関わりかと思われる。

 1人5首、117名が参加している。

 実はこの前身の「〇〇年度 自選歌集」と称していた頃(当時は1人10首・掲載)、僕は2、3回、参加した事がある。

 1人5首、2段組み、軽装にする事で、参加しやすくしているのだろう。

 「コスモス」支部でも誘う人がいるので、僕も参加しようかと考えている。

 僕が付箋を貼ったのは次の1首、H・正良さんの作品。

施設から連れて帰れと言はぬままわれをきづかふ母は逝きたり

 家族に尽して、迷惑を掛けぬよう逝いた母を、簡潔に詠んだ。

2015年4月19日 (日)

届いた5冊

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 ここ数日で、5冊の冊子が届いた。

 4月15日に、予約してあったAmazonより、総合歌誌「歌壇」2015年5月号。

 4月17日に、結社歌誌「コスモス」2015年5月号。

 そのあとに、福井県短歌人連盟の年刊歌集「福井短歌」第7号(なお僕は参加していない)。

 福井詩人会議・水脈より、詩誌「水脈」53号(2015年3月・刊)。

 A・幸代さんより、個人詩誌「野ゆき」vol.6(2015年4月・刊)が届いた。

2015年4月14日 (火)

近藤芳美「喚声」

 岩波書店「近藤芳美集」(全10巻)の第2巻(2000年6月・刊)より、初めの第6歌集「喚声」を読みおえる。

 先の3月21日の記事(←リンクしてある)、「冬の銀河」に継ぐ。

 原著は、1960年10月、白玉書房・刊。669首。

 歌集の時期に、政治的にはスターリン批判、ハンガリー事件があり、60年安保に関わる「夜と薄明」30首で締め括られる。

 また1955年より、朝日新聞の「朝日歌壇」の選者となり、新かな遣いの規定であったため、自らも旧かなより新かなに替えた。

 以下に7首を引く。

さまざまにかたち変え来る狂信の今も美しき名もて装う

十五年はやく過ぎにき今日のごと寂しき日々を吾ら夢見て

常に黙(もだ)す一つの世界吾ら知り見ており叛乱の制圧の日々

病い得て眼の澄む妻よ寂しさをやすらいとして二人知る日に

芸術は偶発の政治に関らずと呟けど強者の麵麭に生きしのみ

みな稚く腕くみ暴力に対う声その幾千を照らす雨の灯

犠牲死の一人の少女を伝え伝え腕くみ涙ぐみ夜半に湧く歌

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フリー素材サイト「Pixabay」より、チューリップの1枚。

 

2015年4月 6日 (月)

服部真里子「行け広野へと」

Cimg8330 購入を3月31日の記事(←リンクしてある)で報せた、服部真里子・第1歌集「行け広野へと」を読みおえる。

 2014年9月、本阿弥書店・刊。

 19歳~27歳の、青春真っ只中の289首である。

 若い新人に多い(?)、「光」への固執は少ない。

 句またがり、句割れ、1字空けは当然のように受け継いでいる。暗喩の歌も多い。

 若さと才能の乱費であろう。

 それも将来の何かを犠牲にして。例えばこの歌集に「子を産まぬ予感はときに幸福に似て」の下句の1首がある。

 彼女の、このきらめきの未来を、見守って行きたいと思う。

 以下に6首を引く。

春に眠れば春に別れてそれきりの友だちみんな手を振っている

人の手を払って降りる踊り場はこんなにも明るい展翅版

花曇り 両手に鈴を持たされてそのまま困っているような人

海を見よ その平らかさたよりなさ 僕はかたちを持ってしまった

遮断機は一度に上がり少年よこれがお前の新しい本

遠雷よ あなたが人を赦すときよく使う文体を覚える

2015年4月 1日 (水)

「月集スバル」「月集シリウス」読了

 結社歌誌「コスモス」の2015年4月号の、初めより「月集スバル」、「月集シリウス」を読みおえる。

 実際は、特選欄を除く「あすなろ集」、「その二集」を先に読みおえたのだけれど、その感想は後ほど。

 4月号より、新しい選者が2名生まれ(同時に「月集シリウス」より「月集スバル」に昇級)、おめでたい事であり、期待する。

 「コスモス」は月刊であり、会員数も多い。少し「ぬるま湯」ではなかろうか。歌集を読み、俳・詩・小説を読み、音楽や美術の鑑賞も大事だと思う。生活から歌を発想するのは良いのだけれども。

Photo

フリー素材サイト「Pixabay」より、水仙の1枚。

2015年3月31日 (火)

服部真里子「行け広野へと」

Cimg8330 総合歌誌「歌壇」2015年4月号の広告を見てほしくなり、Amazonに注文した、服部真里子・第1歌集「行け広野へと」が届いた。

 彼女の19歳~27歳の、287首を収める。

 第55回短歌研究新人賞次席、第24回歌壇賞受賞。

 現在、「未来短歌会」所属。

 カバーなし、帯付き。通常より縦長の本で、1ページ2首組み。171ページ。

 19ページの栞があって、伊藤一彦、栗木京子、黒瀬珂瀾、3氏の推薦文を得ている。

 2014年9月、本阿弥書店・刊。ホンアミレーベル11。

2015年3月28日 (土)

「歌壇」4月号

Cimg8323 3月19日の記事で到着を報せた2誌のうち、本阿弥書店「歌壇」2015年4月号を読みおえる。

 特集の「自選に強くなる」には、特効薬はなく、自分の作品を客観視してみる事、他の批評を受け止める事、などが挙げられている。

 「コスモス」の歌人では、福士りかさんの「青い鳥」12首が、研鑚を重ねた重厚な作品となっている。

 永田和宏の連載「某月某日」第4回「そのまま閉ぢてまた眠る」では、「私はどこかで死にたがつてゐる」と詠むまで、過密スケジュールの中、執筆、歌作を旺盛に続けている。

2015年3月21日 (土)

近藤芳美「冬の銀河」

 岩波書店「近藤芳美集」第1巻(2000年・刊)より、第5歌集「冬の銀河」を読みおえる。

 3月16日の記事(←リンクしてある)、第4歌集「歴史」に継ぐ。

 原著は、1954年、白玉書房・刊。507首。この第1巻の、最後の歌集である。

 この歌集の間に、対日講和条約が結ばれ、朝鮮戦争の停戦があった。

 彼は社会詠、相聞歌が注目されるが、多くの叙景歌があり、生活と心情を暗示している。

 以下に7首を引く。

力の下平和はありとためらはぬ其の声々も見まもりて居よ

新しく吾らが負はむ忍従も今はひとりさへ言ひ出づるなし

おのづから戦ひ絶ゆと前線のその日のことも早く伝はる

新しき日本を信じ会ひし日々過ぎし喜劇と今も思はず

午後に入り暴動化するメーデーをしだいに今夜のラヂオは伝ふ

母の写真小さく切りとり香をたく妻のしぐさもさびしめるのみ

さめて聞く激しき雨といかづちと遠く来りぬ雪ぐにのはて

Photo

フリー素材サイト「Pixabay」より、椿の1枚をトリミングして。

2015年3月19日 (木)

「歌壇」と「コスモス」

Cimg8309_2

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 総合歌誌「歌壇」と結社歌誌「コスモス」の、2015年4月号が届いた。

 「歌壇」は、3月14日の発売日に、「楽天ブックス」へ注文し、翌日(日曜日)に宅配便で届いた。

 特集など、気になる編集である。

 「コスモス」は通常、15日に発送と推察しているが、今回は日曜日にあたるので土曜日の14日に発送して下さったらしく、16日(月曜日)に、ゆうメールで届いた。

 3月号は、初めから「COSMOS集」まで読み進んで終わってしまったけれど、出来るかぎり作品と批評を読みたい。

2015年3月18日 (水)

「歌壇」3月号

Cimg8305 総合歌誌「歌壇」2015年3月号を読みおえる。

 発売日近くに「楽天ブックス」へ注文して、すぐ届いたが、次号発売日近くになって、あわてて読んだ。

 それで特集の「アンソロジー二〇一四テーマ別私の一首」を読んでいない。角川「短歌」や「短歌研究」と違って、年鑑を出せなくても、体裁を取り繕うことは要らない。

 巻頭20首では、佐佐木幸綱「俺は何もの?」に好感を持つ。かつての青春短歌の雄の健在はたのもしい。僕は河出書房新社「佐佐木幸綱の世界」全16巻より、歌集篇のみ4冊を読んだだけだが。

 池田はるみ「ITこはい」は、ITに不慣れな人の不安感を表わしている。(僕がITに慣れているとは言わない)。

 永田和宏の連載「某月某日」第3回「不機嫌な猫は尾を振る」が、充実している。

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