カテゴリ「歌書」の467件の記事 Feed

2015年7月 4日 (土)

届いた2冊

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 今日、2冊が届いた。

 1冊は、県内の詩人・有田幸代さんの第3詩集、「そらぐつ」である。2015年8月、紫陽社・刊。

 読みおえたなら、ここで公開したい。

 もう1冊は、出版社・柊書房・社主、影山一男氏(「コスモス」選者)よりの、冊子「棧橋~三十年の年表とアルバム~」である。2015年7月、柊書房・刊。

 季刊同人歌誌「棧橋」が、昨年秋に120号で終刊したので、その30年の記録と写真を集めた、記念資料である。

 僕は69号~108号で在籍したが、途中で辞めてしまって、編集長の高野公彦氏、小島ゆかり氏、他の諸先生に大きなご迷惑をかけてしまい、申し訳なく思っている。

 東京都等での批評会へ参加出来ない事がおもな理由となったが、言訳させてもらえるなら、生来の方向オンチ・地理オンチなので、時間・お金・やる気があっても、東京駅などを潜り抜けられそうになかった。

 後継誌の発行の準備が進んでいるという事で、喜ばしい。

2015年6月30日 (火)

「歌壇」7月号

Cimg8466 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2015年7月号を読みおえる。

 6月18日の記事で、「コスモス」7月号と共に、到着を報せている。

 散文、投稿短歌の1部に、読まなかったものがある。

 巻頭20首では、尾崎左永子「薔薇断章」が、薔薇園に絡めて、過去、現在、死後までも繰り込もうとしている。

 福島泰樹「夏」20首では、知友の挽歌がもう古くさく映る。世代の近い僕が読んでも。

 永田和宏の連載「某月某日」第7回「迷宮と迷路の違ひ」は、興が乗っているようだ。

 1ページもの「編集室拝見」(54)の、「歌帖」の写真に驚いた。今年の全国大会に174名の参加。「コスモス」の全国大会が、定員120名だから。

2015年6月23日 (火)

近藤芳美「遠く夏めぐりて」

Cimg8456 岩波書店「近藤芳美集」全10巻の第3巻に入り(写真は箱の表)、初めの第9歌集「遠く夏めぐりて」を読みおえる。

 今月4日の記事(←リンクしてある)、「黒豹」に継ぐ。

 原著は、1974年、昭森社・刊。628首。

 彼は傍観者などと非難されつつ、短歌を自分を頼って来る者を、守って来た。そこには無名者と共にあって、その声の短歌表現を掬い上げようという、基本姿勢を堅持した。

 「幻影」の章の1首「つきつめて叫ぶ声々はまぎれねばはるか吾ら見しファシズム前夜」は、リーダーがアジテーションする全共闘運動を、ファシズム的だと言うのではなく、ファシズムの戦前にそのような事態があった、と自身の経験から述べているだけだろう。

 以下に7首を引く。

機動隊来るまでを待つバリケード一夜少年のかげ群るるのみ

汝ひとりに女を目守(まも)る壮年も過ぎむと言わば寂しむかただ

テレックス打てる友ありいつか来て吾が枕べにワイン置き去る(デュッセルドルフ逗留)

倖せの足る日のはての老いの意味ベンチを去らぬ影とまじれば(ストックホルム)

茫々と雪降りしずむ森をへだて東ベルリンの空染むる色か(ベルリン再訪)

思想の位置あかせと遠き声ひとつ眠らむ深きねむり求めて

声に出でて呼ぶべきいずへ戦場の死をみな遠く生きつげる日に

2015年6月18日 (木)

「歌壇」「コスモス」新号

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 6月14日にAmazonを見ると、「歌壇」(本阿弥書店)7月号がすでに販売されていて、注文した。6月16日(火曜日)に本が届いた。

 巻頭作品の4氏はいずれも、僕の関心ある歌人である。

 昨日(6月17日、水曜日)に、結社歌誌「コスモス」7月号が届いた。僕の歌は、久しぶりの5首選(特選)だった。

 なお先の6月号は、初めより読んで「その二集」の千葉県の途中まで読みおえた。

2015年6月 4日 (木)

近藤芳美「黒豹」

 岩波書店「近藤芳美集」第2巻(2000年6月・刊)より、第8歌集「黒豹」を読みおえる。

 先の5月22日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「異邦者」に継ぐ。

 原著は、1968年、短歌研究社・刊。698首。

 ベトナム戦争、中国の文革、全共闘運動なども詠まれている。

 併読する「上村占魚全句集」の、時事・政治に背を向けて、ものの捉え方・修辞の向上に専心する方向と、矛盾するようであある。

 しかし時事・政治も内部で活動するのでなく、「歴史」と客観視するのでは、相聞歌・自然詠と同じ面に留まるのではないか。

 僕は、朝日歌壇、「未来」での近藤・選歌を知らないから、その面での関わり方は述べようがない。

 僕としては、時事・政治に関心を持ちつつ、身辺詠を続けるしかない。

 以下に6首を引く。

或る夜映るベトナム前線の韓国兵怯えて笑みて難民と共

妻の小箱に一夜羽化せる黄揚羽かすがるカーテンの暑き雷鳴

一国のかくたわやすき軍革命飢えたる町のつねの歓喜に

あかときを戦車の燃ゆるのみの街このひそかなる時の隔絶

石打たるるたれもかく老い革命の新たなる日か息呑めば今

語彙貧しくうちなるベトナムと繰り返す脆さも悲しみも聞き帰るべし

Rose140446_640

フリー素材サイト「Pixabay」より、バラの1枚。

2015年5月26日 (火)

「歌壇」6月号

Cimg8421 先の5月20日の記事(←リンクしてある)で紹介した4つの内、総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2015年6月号を読みおえる。

 特集の「戦後七十年、沖縄の歌」を、読み通せなかった。非戦の思いはあるけれども、集団自決、基地問題などは、僕には荷が重い。

 特別企画「雨の歌」は、面白かった。行楽が減り、木の混み合う庭があると、雨が好ましい。雨女、晴男、などとこだわる人が多い。

 「コスモス」の新鋭・小島なおさんの「桜のなかに」12首の冒頭、「まろまろと月球のぼり<本日の死者一名>の無人交番」は、「まろまろと」と古典的に始まり、あとの漢字は漢訓みばかり、と意表を衝いている。

 交替連載のエッセー、「私の健康法」、「私の本棚整理法」なども、身近で楽しく読んでいる。

2015年5月22日 (金)

近藤芳美「異邦者」

 岩波書店「近藤芳美集」第2巻(2000年・刊)より、第7歌集「異邦者」を読みおえる。

 先の4月14日の記事(←リンクしてある)、第6歌集「喚声」より間が空いてしまった。

 原著は、1969年、短歌研究社・刊。1960年~1964年の807首を収める。

 1ヶ月間のソビエト旅行(268首)、翌年の欧米旅行(145首)での作品を主とする。

 ソ連の希望的な言葉の影の不気味さ、アメリカの豊かさの中の貧窮も詠んでいる。

 あちらにもこちらにも付くというのではなく、豊かな高福祉の社会を夢見ていたのではないか。

 以下に6首を引く。

モンゴルのかたかと思う地の起伏夕月は顕つ藍暗きはて

吾らのため開く扉のなき事も常に「平和」のかげあらぬ声も

ついに来し思いにチェーホフの椅子に凭(よ)るを部屋昏るるまで吾を咎めず

国越ゆる無人地帯につづく柵はるか没り陽のひかり無き見て(オランダ国境)

オーバーのままの貧しき食卓にみな独りなり老いし白人

郷愁の感情不意に声震うひとりと歩む商社の青年

Flower722070_640

フリー素材サイト「Pixabay」より、アイリスの1枚。

2015年5月20日 (水)

CDと歌誌

 最近に入手した、CDと歌誌を紹介する。

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 左は奥華子のアルバム「やさしい花の咲く場所」。Amazonマーケットプレイスのネットオフより1円(+送料350円)で買った。

 右はバハメンのアルバム「DOONG SPANK」。先日、久しぶりに「ブックオフ米松店」へ行って買った。

 それぞれ、改めて紹介したい。

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 左の「歌壇」6月号は、楽天ブックスより、ポイントも使って。

 右の結社誌「コスモス」6月号は、5月18日(月曜日)に届いた。

 それぞれ、できるだけ紹介したい。

2015年5月17日 (日)

永田和宏「近代秀歌」

Cimg8406 永田和宏「近代秀歌」(岩波新書、2014年10刷)を読みおえる。

 ある方より借りた本である。

 対になる、同・著、同・新書の「現代秀歌」は、その人を含む2人に貸し、戻って来た。今年1月2日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 この本も、明治以来、戦後の前衛短歌以前まで、100首とそれに付随して幾首かずつを取り上げ、10章に分けて解説している。

 僕の知っている歌が多かったが、あるいは微細に入り、あるいは状況を示して、その歌の佳さを、明快に懇切に説いている。

 会津八一を苦手とし、吉野秀雄を取り上げなかった所、僕と同感である。

 近代短歌、恐るべし、である。

2015年4月30日 (木)

「歌壇」5月号

Cimg8348 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2015年5月号を読みおえる。

 4月19日の記事(←リンクしてある)、「届いた5冊」で紹介した内の1冊である。

 その5冊の内の4冊を読み、残りの「コスモス」5月号も読んでいる。

 「歌壇」の特集「次代を担う注目の新星たち」は、4編の新人論と、23名の新人の各7首と抱負を載せている。

 たのもしい人、危なっかしく見える人がいる。短歌を続けて、道を誤らないよう願う。

 「コスモス」の先輩では、桑原正紀「時のめぐり」巻頭20首に、仕事リタイア後の生活と、奥様の看病が詠まれる。

 また時評では鈴木竹志「前衛短歌再興」が、水原紫苑の歌集を取り上げ、前衛短歌再興の思いを読んでいる。

 永田紅「勝手に育つ庭」20首より、1首を引く。

このしっぽれぞんでーとるなのよって枯れ草色の日にふくらます

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