カテゴリ「ノンフィクション」の90件の記事 Feed

2013年2月12日 (火)

エッセイ集「片手の音」

Cimg6772 日本エッセイスト・クラブ編「’05年版ベスト・エッセイ集 片手の音」を読みおえる。

 文春文庫、2008年・刊。

 60編、帯あり。

 先の1月29日付け記事、「’04年版 人生の落第坊主」に続く本である。

 エッセイスト・酒井順子の「四十手前は青春のホスピス」では、38歳独身に至る、幾つかの岐路を探っているが、「負け犬」と何十回も書きつける事はない。

 大学教授・藤原正彦の「逆転勝ち」は、ネット将棋を指して相手の時間切れで逆転勝ちした時、画面観戦の3人息子と共に大笑いする、というエッセイだけれど、あまりに品格のない内容ではなかろうか。

 否定的な事を書いたけれども、このエッセイ集には、感動的なストーリーが満ちている。

 僕はこのシリーズに出会えて、とても喜んでいる。

2013年1月30日 (水)

文庫本3冊

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 最近、文庫本を3冊、入手した。

 上の写真は、日本エッセイスト・クラブ編のベスト・エッセイ集より、「’05年版 片手の音」「’06年版 カマキリの雪予想」(いずれも文春文庫)である。

 昨日の記事の「’04年版」に続く本である。

 2冊は、Amazonのマーケット・プレイス「ブックマーケティング」より入手した。

 僕は「’07年版 ネクタイと江戸前」を持っている。このシリーズを初めからそこまで、25冊を読みおえたなら、このシリーズの読み継ぎも一旦、中断したいと思っている。

 下段のポール・ホフマン(平石律子・訳)「放浪の天才数学者 エルデシュ」(草思社文庫、2011年・刊)は、数学者の伝記的な本である。

 Amazonのマーケット・プレイス「Second shop」より、入手。

 僕は数学は苦手だったが、高等数学「ポアンカレ予想」「フェルマーの最終定理」「四色問題」、3つが証明された、物語的な本を読んでいる。ここには進歩がある。

2013年1月29日 (火)

エッセイ集「人生の落第坊主」

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 日本エッセイスト・クラブ編「’04年版 ベスト・エッセイ集 人生の落第坊主」を読みおえる。

 文春文庫、2007年・刊。59編を収録。

 先の1月16日付け記事、「’03年版 うらやましい人」に続く本である。

 題名は、僕にはドキッとする。標題作の、ドイツ文学者・池内紀(いけうち・さとし)のエッセイに拠ると、嘱望されながら世に隠れた人は、「ある頑固さ」があったとの事である。

 この集には桜にまつわるエッセイが、6編もある。赤瀬川原平「齢をとるほどに桜に近づく」、中西進「日本人と桜」、中野孝次「名残りとぞ見る吉野山」、牧野和春「花吹雪考」、篠田正浩「私が知っている桜の森」、河竹登志夫「桜の解毒作用」である。

 景気が復活しそうになく、日本回帰が起こったのだろうか。

2013年1月20日 (日)

「リルケ書簡集 Ⅱ」

Cimg6713 全4巻の「リルケ書簡集」より、「Ⅱ」を読みおえる。

 1978年、国文社・刊。

 箱(写真は箱の表である)、帯なし。

 先の1月2日付け記事の、「Ⅰ」に続く本である。

 リルケの書簡は、未邦訳、(原文でも)未公開のものを含め、膨大な量にのぼるようだ。

 定住せず、訪問者、朗読要請などに困惑していた彼が、心静かに人と対する場が、書簡だったのだろうか。

 彼は「芸術を執るか、生活を執るか」の岐路で、「芸術を執った」のだろう。

 孤独(内面沈潜)を創作のため求めていたとはいえ、「侘しい」と洩らす書簡もある。

 内容は、文学的には貴重なものではない。ただ僕がこれから、リルケの詩を読む場合、親切に(親しくでもなく、かわいそうというのでもなく)接しられるようだ。

 

 

2013年1月16日 (水)

エッセイ集「うらやましい人」

Cimg6707 日本エッセイスト・クラブ編「’03年版ベスト・エッセイ集 うらやましい人」を読みおえる。

 文春文庫、2006年・刊。66篇・収録。

 先の1月4日付け記事、「’02年版 象が歩いた」に継ぐ本である。

 歌舞伎役者・松本幸四郎が「役を勤める」の末尾で、「しかし私は、すでに六十一年目の人生を、かなりワクワクしながら踏み出している…」と述べる。

 またノンフィクション作家・高見澤たか子「いまを”ときめく”人たち」の中で、五十代、六十代の主婦で、フラワーアレンジメントを学んでヨーロッパへの花の旅に出かけるつもりである人、バレエの舞台に立つ人などが紹介される。

 2篇は、還暦2歳の僕が励まされる内容である。

 歌人・穂村弘の「別世界より」は、プライバシー暴露的なエピソードである。

 イタリア語通訳・田丸公美子「私の東京・原点」は、昭和44年に東京外語大に入学しイタリア語を学ぶ彼女が、万博という機会を捉え、成功したストーリーである。

 同年に大学に入学した僕が、勉学に励んで卒業していたら、別の人生を歩んでいたかも知れないが、とうに昔の話である。

2013年1月 8日 (火)

NHKオンデマンド「はやぶさ」

 2010年に地球帰還、カプセル放出を果たして、話題になった小惑星探査機「はやぶさ」の事を、ノンフィクションの動画で、今頃になって観たいと思った。

 NHKテレビの過去の番組を、ネットより見られるNHKオンデマンドで検索した所、「コズミックフロント(中略)大冒険!はやぶさ 太陽系の起源を見た」という1番組が挙げられて、1時間半弱の同番組を、単発番組料金210円で観た。指定休日の今日の午前に。

 NHKオンデマンドを利用するのは2回めで、初回は2010年12月5日のブログで挙げた、「ポアンカレ予想」と題する記事に書いてある。

 「はやぶさ」が、多くのトラブルを克服して、7年60億キロの旅の果て、目的を果たし得たのは、JAXAをはじめプロジェクトチームの科学者が、競い合いながらもチームワークを保ち得たからだと思う。その詳細を映像は見せてくれる。

2013年1月 4日 (金)

エッセイ集「象が歩いた」

Cimg6684_5 日本エッセイスト・クラブ編「’02年版ベスト・エッセイ集 象が歩いた」を読みおえる。

 文春文庫、2005年・刊。

 昨年12月27日付け記事で紹介した「’01年版 母のキャラメル」に継ぐ本である。

 その記事で「『ほのぼの・しみじみ路線』の話が少なくなった」と書いたが、「象が歩いた」53編には、僕の感動するエッセイが多くあった。

 時代が変わったのか、僕が変わった(おもに年末・年始の休暇中に読んだ)のか。

 巻頭に浅田次郎「学而」が、貧しい母子が勉学に思いを掛けて行った、彼の少年時代とその後を描く。「泣かせる話」の名手だが、彼の1編を巻頭に持ってくるところ、時代も移ったのだろう。

 また女性のエッセイに、優れた作品が多い。女性は情感豊かな人が多いから。

2013年1月 2日 (水)

「リルケ書簡集 Ⅰ」

Cimg6679 全4巻の「リルケ書簡集」より「Ⅰ」を読みおえる。

 昭和61年、国文社・刊。

 昨年8月23日のブログ記事に、この4冊の購入を報告している。

 また昨年11月22日の記事で、この書簡集を読むと書いているから、40余日で第Ⅰ巻を読みおえた事になる。

 リルケの書簡は、翻訳当時に未発表の物を含めて、とても多い。リルケが手紙を多く書いたというだけでなく、当時の通信手段の事情にも由るのだろう。

 第Ⅰ巻の中で、劇作家として活躍しようとする青年リルケの、若い言葉を聴ける。のちの陰鬱さもない。

 しかし作品の真剣さには及ばない。

 作品を創ろうとする者は(アマチュアであろうと)、作品だけで評価される、と覚悟しなければならないのか。

2012年12月27日 (木)

エッセイ集「母のキャラメル」

Cimg6676 日本エッセイスト・クラブ編「’01年版ベスト・エッセイ集 母のキャラメル」を読みおえる。

 文春文庫、2004年・刊。

 先の12月10日付け記事「’00年版 日本語のこころ」に継ぐ本である。

 僕の好む「ほのぼの・しみじみ路線」の話が少なくなった。

 そういう、ささやかな幸せを感じ取る、余裕のない時代だろうか。

 なお初出誌が「室内」というエッセイが2編ある。

 エッセイストでもあった山本夏彦が、インテリア専門誌「木工界」を発行し、「室内」と改めて1961年~2006年に発行された。

 志向は僕と違うようだが、粋な計らいである。

2012年12月17日 (月)

金子光晴「西ひがし」

Cimg6663 金子光晴の放浪紀行記「西ひがし」を読みおえる。

 中公文庫、1977年・刊。

 彼の東南アジア、ヨーロッパを放浪した紀行文、「マレー蘭印紀行」(2011・4・14・記事)、「どくろ杯」(2011・1・28・記事)、「ねむれ巴里」(2011・11・22・記事)に継ぐ、最後の本(いずれも中公文庫で読んだ)である。

 この本では、ヨーロッパを脱して、寄り道をし、日本に帰国後までが、語られている。

 「マレー蘭印紀行」だけが昭和15年・刊の本で、あとの3冊は、詩人の晩年の回想に拠る。

 僕も初めは「凄い記憶力だ」と感心して読んでいたが、読者の人気に応えて、面白おかしく、フィクション(彩りづけ)を交えての、紀行文らしいと思うようになった。

 彼が戦時下に日本人でただ一人、反戦詩を書いた根底を、これら紀行文に見出だそうとしても、無理であろう。

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