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2012年9月の28件の記事

2012年9月 9日 (日)

「探訪 日本の庭 別巻一」

Cimg6399 写真集「探訪 日本の庭 別巻一 茶庭と坪庭」を見おえる。

 昭和54年、小学館・刊。

 このブログで、先の9月1日に紹介した、本巻第10巻に次ぐ本である。

 僕は茶道を、習おうとかとくに知りたいとか、思わない。

 僕の家には急須が無く(あるのかも知れないが、近ごろは使った事が無い)、爽健美茶(2リットル・ペットボトル)をコップで、あるいはラッパ飲みしているので、茶道の世界とは遠い生活をしている。従って茶室や茶庭には、あまり関心が持てない。

 また幸い僕の家は、敷地に恵まれている(僕の甲斐性に由るのではない)ので、建物の混み合った地で発達した、坪庭にも感興がもてない。もっともわが家の庭も、乱雑に植えた100本近い木で、空き地が無い。新しく苗を買うと、鉢植えにして育てている。ただし盆栽の世話は、僕には残年的にも世話時間でも、無理である。

2012年9月 8日 (土)

春日井建「夢の法則」

 砂子屋書房「春日井建全歌集」より、3番めの「夢の法則」を読みおえる。

 原著は、1974年、湯川書房・刊。

 3編の詩と、80首の短歌を収める。

 短歌はすべて、第1歌集と同時期、つまり彼の17歳~20歳の時の作品である(解題等に拠る)。

 短歌創作より遠ざかっていた彼の、若年時の作品への愛惜とともに、何らかの人間関係・経済的関係があったのだろう。

 以下に4首を引く。

口を衝くなべてが怯えし声となる水ふくむ青き叢雲の下

水栽培の白き根毛に日がさして性を育む季節あかるし

純潔の時はみじかく過ぎ去らむわれに透過光するどき汀

今きみと歩みてあれば月のさす並木の影に熱中しゐむ

 この全歌集の栞を読んだ。監修の4氏を含む8氏が追悼の文を寄せている。亡き歌人の、歌と人柄の美質を誉め讃えて。

Phm10_0485
ダウンロード・フォト集より、湖の1枚。

本文と無関係。

2012年9月 6日 (木)

赤花ミニ薔薇

Cimg6393 キッチンの窓辺で、鉢植えの赤花ミニ薔薇が1輪咲いた。

 記事にするのは、今年8月7日以来である。

 それからこれまでに、1輪咲いたのだが、記事にしなかった。

 季節や根詰まりのせいだろう、花びらの枚数が少ないなど、花容が優れない。

 この株は、去年3月9日に買い、その3月27日の記事に、2輪の初開花を報告している。これまで何度も咲いて、楽しませてくれた。

 今、2つの莟が見える。

2012年9月 5日 (水)

内田百閒「百鬼園俳句」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第5巻(昭和56年・刊)より、7番めの句集、内田百閒「百鬼園俳句」を読みおえる。

 原著は、昭和18年、青磁社・刊。

 258句を収め、春夏秋冬新年の5部に分かれる。それまでの30余年の句であり、その後昭和46年に没するまで句集は出版されていない。

 戦争後期の句集として、滝井孝作、久米正雄、室生犀星、この内田百閒と、文人俳句の句集が、他の時期と比べて格段に多いのはなぜか、三省堂「現代俳句大事典」で調べても、わからない。

 著者は漱石門下、随筆家として名高い。

 以下に5句を引く。

校庭に犬吠ゆるなり夏近く

梅咲いて藪の暗さや紀元節

さみだれの田も川もなくふり包み

欠伸して鳴る頬骨や秋の風

漱石忌戻れば屋根の暗さ哉

Phm10_0508
ダウンロード・フォト集より、湖の1枚。

本文と無関係。

2012年9月 4日 (火)

3,300件め

 エクセル互換ソフト(OpenDocumentスプレッドシート)に入力を続けている、蔵書文庫本データベースが、3,300件めに至った。

 2,500件めが昨年6月28日、2,800件めが昨年11月14日、3,000件めが今年3月24日に、報告してある。

 ブログの本・新聞カテゴリで探すと、見付けやすい。

 ここ300件の入力に、5ヶ月あまり掛かってしまった。3,300件めは、ヘミングウェイ「武器よさらば」(角川文庫、石一郎・訳、1971年・改版15刷)である。

 3、000件めの時に、「総4,000件と壮語しておこう」と書いたが、状況的に4、000件には至らないようである。

 いつ入力を始めたかわからないが、このブログへの初報告は、2008年1月4日の「休暇の成果」で623件に至った、という記事である。

Phm10_0307
ダウンロード・フォト集より、樹林の1枚を。

本文と無関係。

2012年9月 3日 (月)

エッセイ集「明治のベースボール」

Cimg6388 日本エッセイスト・クラブ編「’92年版 ベスト・エッセイ集 明治のベースボール」を読みおえる。

 文春文庫、1995年・刊。61編を収める。

 この8月29日の「’91年版 ネパールのビール」に次ぐ本である。

 僕としては久しぶりに、しみじみ・ほのぼの路線のエッセイに、たくさん出会った。

 バブル景気が終わった(ウィキペディアに拠ると、1986年12月~1991年2月の事だったとする)せいだろうか?

 岩本久則(漫画家)の「クジラを観に行く」は、「一九八八年、私達は東京都の南の果て、小笠原で日本初のホエールワッチングをやった。仲間は、野鳥や自然と関ってきたナチュラリストたちで、…」と述べて、その感動と、ブームの始まりを描いている。

 亀井俊介(当時・東京大学名誉教授)の「亡き妻との『書棚戦争』の思い出」は、大学教授でもあった妻との、定まった書棚にどちらの本を多く収めるかの争いを回想しながら、謙譲ぎみだった亡き妻を偲んでいる。

2012年9月 2日 (日)

春日井建「行け帰ることなく」

 砂子屋書房「春日井建全歌集」(2010年・刊)より、2番めの「行け帰ることなく」を読みおえる。全歌集は1ページ8首組で、読みやすい。

 原著は、1970年、深夜叢書社・刊。

 以下は、解題による。「三十一歳の夏に刊行された第二歌集『行け帰ることなく』は、ニ十歳から二十五歳までの作品三百五十首と、第一歌集『未青年』を併せ、全歌集として発表された」。

 彼の「歌の別れ」の表明だった。

 彼は異端の性を生きながら、以後、テレビ・ラジオ・舞台の仕事を多く手掛けるようになる。

 以下に6首を引く。

身をすさりわれに悪罵を吐く女ひいなおろしの舞ひすすみつつ

鬼火たくわれ見つつ遂に無言にて現世(うつしよ)を母は過ぎて行きけり

わがうちの追憶街に燈(ひ)はともりポオの少女妻仄かに歩む

石を挽く白きてのひら墓つくるその寂しさに涸れて巨きく

山麓の町にそだてば草食獣のやさしく怯えやすき眼をもつ

老いらくの父母の途方にくれし手が追ひくるごときこの雪しぐれ

2012年9月 1日 (土)

「探訪 日本の庭 十」

Cimg6383 写真集「探訪 日本の庭 十 関東・東北」を見おえる。

 小学館、昭和54年・刊。

 箱、月報、183ページ。

 明治時代の以後に作庭・改造された、富豪による庭は、植栽をおもにしたものが多く、おおむね宜しくない。

 小山氏寄暢亭庭園(山形県)、本間氏庭園(山形県)、昆氏庭園(岩手県)など。寺社、武家の庭の、厳しさがない。

 東京都の小石川後楽園(2万1千坪)、六義園(2万7千坪)は、中央に大きな池泉を設けた庭である。

 以前に東北地方へ慰安旅行に行った事があり、中尊寺金色堂などを拝観し、毛越寺へも回ったのだが、毛越寺庭園へは、行きそびれた。案内の方が、行ってみるように勧めたのだが。

 当時の僕達(?)は、庭を眺めて楽しむ、心の余裕がなかった。

 これでこのシリーズ本巻は終りだが、好評だったのか、配本途中で、別巻2冊の刊行が決まった。その2冊も所蔵しているので、紹介してゆきたい。

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