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2013年8月の32件の記事

2013年8月11日 (日)

支部8月歌会

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 今日午後1時より、「コスモス短歌会」F支部の8月歌会が、某会館の1室で持たれた。

 事前1首出詠13名、歌会参加者8名。参加者が少ないようだが、酷暑、盂蘭盆会の準備、学校の夏休み、などが原因のようだ。

 U支部長の司会で、プリントされた1首ずつ、2名が批評を述べ、支部長の講評と添削例提示で、歌会が進んだ。

 4時頃に散会となった。

 僕を含め電子辞書を持参の人、このブログを読んでくださる会員もいて、支部も少しずつ変わって来ているようだ。

2013年8月10日 (土)

橋本鷄二「年輪」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第7巻(1981年・刊)より、3番めの句集、橋本鷄二「年輪」を読みおえる。

 先の7月23日の記事(←リンクしてある)で紹介した、大野林火「冬雁」に継ぐ句集である。

 原著は、1948年、竹書房・刊。

 1927年~1947年までの作、483句を収める。虚子・序、自跋を付す。

 全句を、「土」「日」の2部にわかち、さらに四季に分かって登載し、各句の正確な制作年次はわからない。

 戦争・敗戦は、心理の地割れ、断層を残したと思われるが、無かったかの如く渡って行ってしまうのは、よろしくない。

 以下に5句を引く。

雪沓を穿きたるままの厨ごと

瓜番のいとまにつくる藺笠かな

ふる雪や機械しづかに鉄を切る

伊賀の山四方に高しや鉾すすむ

たくさんの手のあがりたる踊かな

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ダウンロード・フォト集より、トンボ(赤トンボ?)の1枚。

早く涼しい季節の来てほしいものだ。

2013年8月 9日 (金)

鈴江幸太郎「夜の岬」

 初音書房「鈴江幸太郎全歌集」(1981年・刊)より、10番めの歌集、「夜の岬」を読みおえる。

 先の7月30日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「山懐」に継ぐ歌集である。

 原著は、初音書房、1969年・刊。560首。

 歌人67歳~69歳の、3年間の作品。

 「後記」で著者は、「命のあるかぎりまだまだ欲を出して、(中略)よい歌を作りたいものであります」と意欲的である。

 住友の修史に関わる仕事をしながら、歌会、吟行(宿泊の場合を含む)、追悼などの作品が多い。嘆きも喜びも淡くなったのだろうか。

 以下に6首を引く。


安きさまに富士のかかれる熟田
(うれた)のはて暑き光に送りたまひき

宿の燈(ひ)の照らす草踏み入りてゆく闇のはたては灘の上の崖

わが賴む君の命の立ちかへり出雲のみ湯にすこしづつ癒ゆ

この島も食を賴みて船を待つ靑葉うつくしく近づきくれば

草の上に高き夕菅(ゆふすげ)すでにして黄にひらきたり帰りか行かむ

ふたたびを君にしたがふ面河(おもがう)のこよひも雨の木群(こむら)にひびく

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ダウンロード・フォト集より、清流の1枚。

というより、渓流と呼ぶべきだろう。

2013年8月 8日 (木)

詩誌「水脈」第48号

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 「福井詩人会議・水脈(すいみゃく)」の事務局、T健隆さんより、詩誌「水脈」第48号を頂く。

 今年8月30日付け・発行。

 同誌のベテランの、Nとしこさん、K仙一さん、T百代子さんの作品が、見当たらなくて淋しい。

 ここのところずっと、評論のみだった(と僕が記憶している)I信夫さんが、詩「遺影」を発表している。亡くなられた奥さんを偲ぶ作品である。

 以下にM祐子さんの詩「つまずく」(3連8行)より、第2連を引く。


そう言えば生きてるとつまずくこともいっぱいある

人生でつまずくのは智恵になる

だんだん慣れて つらの皮が厚くなって気が強くなる

2013年8月 7日 (水)

「ハイネ全詩集 Ⅱ」

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 「ハイネ全詩集 Ⅱ 新詩集」を読みおえる。

 角川書店、1972年・刊、全5冊より。

 460ページ、A5判、1段組み、1ページ16行、挿絵あり、という豪華さである。

 井上正蔵・完訳。

 今年6月9日の記事(←リンクしてある)、「同 Ⅰ 歌の本」に継ぐ本である。

 前の詩集の暗い恋と違って、この詩集には、いわゆる「ハイネの甘い恋の詩」が多い。

 末尾の「時事詩」群では、諧謔的に風刺しているが、マルクスらとの交流も、今となっては虚しい。

 第Ⅲ巻以後の詩集も、読むのが楽しみである。

2013年8月 6日 (火)

入野ゆき江「清流」

Cimg7143 入野ゆき江さんの第1句集、「清流」を読みおえる。

 先の8月1日の記事で購入を報せた、4冊の内の1冊である。

 ふらんす堂、2010年・刊。箱、帯。

 彼女は俳誌「朝」(岡本眸・主宰)所属。

 岡本眸「お祝いの言葉」、330句、加瀬美代子・跋「慈愛のこころ」、「あとがき」を収める。

 彼女は夫婦でクリスチャンのようで、宗教の救いと文学の救いの折り合いが、僕には今一つわからない。

 句風は大胆である。

 以下に5句を引く。

黙々と栗むく夫の長寿眉

荒磯の風摑みたる春の鳶

滝水を生活に汲みて葛の花

パン種のふくらむ気配台風裡

白湯のみて動悸なだむる霜夜かな

 なお蛇足ながら註をつけると、1句めの「夫」は「つま」、2句めの「鳶」は「とび」、3句めの「生活」は「くらし」、5句めの「白湯」は「さゆ」と、読む事と思われる。俳句や短歌には、特殊な読み方をする語や、雅語がある。

2013年8月 4日 (日)

高野日佐子「ひとつ日傘に」

Cimg7142 高野日佐子さんの第1句集、「ひとつ日傘に」を読みおえる。

 先の8月1日の記事で、購入を報せた4冊の内の、1冊である。 

 彼女は東京都・在住、俳誌「朝」(岡本眸・主宰)所属。

 2007年、ふらんす堂・刊。箱、帯。

 岡本眸の序文を得ている。

 その序文や「あとがき」で知られるのだが、彼女は病弱ながら実父母、夫と共に暮らし、家族の理解を得て作句していた。

 しかし夫が急逝、相次いで父母を亡くした。辛く心細い中で、生活の杖としてか、作句を続け、句集上梓に至った。

 以下に6句を引く。

行く秋の女人高野の風の音

手花火や縁に父はは並びゐて

パン買ひに夫と連れだつ春ゆふべ

点滴の夫と寒夜を二人きり

桐咲くやけふも遺骨のそばに母

けふはもう母の初七日白すみれ

朝井リョウ「桐島、部活やめるってよ」

Cimg7140_2 朝井リョウの小説、「桐島、部活やめるってよ」を読みおえる。

 このブログの7月16日付け記事で、入手を紹介した4冊の内の、1冊である。

 集英社文庫、2013年6月・13刷、帯。

 作者が大学生時代の2009年、第22回小説すばる新人賞を受賞した、デビュー作である。

 5名が語る6編の話が、バレーボール部(キャプテン)を辞めるという話の広がった桐島をきっかけに、高校生の生活と心情を描く。

 授業や家庭は描かれなくて、部活、恋、遊びの話が多い。

 しかし、過剰な自意識の抑圧や、自分と周囲の者の将来への不安、クラス内・部活内の格差も描かれて、読み応えがある。

 短編小説「東原かすみ~14歳」を加えている。

2013年8月 3日 (土)

「歌壇」8月号

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 総合歌誌「歌壇」2013年8月号を読む。

 特集は、敗戦日が8月にあるため、「戦中派の戦争詠とその記憶」である。

 まず大辻隆弘による総論「含羞の世代」。続いて10氏による1首と散文(各氏1ページ)「戦時中の記憶」。

 更に館主・窪島誠一郎と歌人・俳人による鼎談、「無言館を詠むーー短歌と俳句」が18ページに及ぶ。

 また歌壇の大人・篠弘の連載「戦争と歌人たち」が第2回めである。

 こうして文学のひと隅で、反戦が謳われ続けてゆく。

 7月号の感想でも書いたが、かなりの増ページと思われ、作品・論とも、充実した歌誌である。

2013年8月 2日 (金)

白花木槿と油蝉

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 庭で一重白花の木槿が咲いている。華やかさはないが、清楚である。

 わが庭には、木槿の一般種、白花底紅の種類がない。植える機会を失った。

 右の写真は、黄花木蓮の樹に止まる油蝉である。

 1600万画素、望遠で撮り、露出調整・トリミングしたが、ぼんやりとしか写っていない。画面中央、頭を上にして止まっている。

 なお記事更新の日が飛び飛びだが、夏の暑さが作業仕事にこたえて、スタミナが残っていないからである。

 9月中旬を目途に、ほぼ日刊状態に復したいと考えている。

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