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2013年12月の28件の記事

2013年12月31日 (火)

100冊会

 僕が参加している「にほんブログ村」には、アクセス数等によるランキングの他に、注目記事、トラックバックコミュニティ(トラコミュ)等のコーナーがある。

 僕は詩歌、ビジュアル本、音楽全般、等9つのトラコミュに参加している。

 その中の1つに、「100冊会」があり、読書記事をアップする度にトラックバックして来た。1年間に100冊以上の本を読もう、というコミュニティである。

 僕は自分のブログの「読んだ本」のカテゴリで、1ヶ月ごとに記事数をメモして来た。トラコミュ参加記事数と、若干の出入りがあるかも知れないが、以下に列記する。

 1月14冊、2月12冊、3月13冊、4月16冊、5月18冊、6月10冊、7月14冊、8月21冊、9月19冊、10月12冊、11月20冊、12月19冊。合計188冊。これでトラコミュの目標、100冊を越えた。

 詩誌、歌誌を含む。また完本の詩集、歌集、句集を何冊か収めた本は、完本ごとに1冊と数えた。

 皆様、佳いお年をお迎えください。

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、葉牡丹(冬の季語)の1枚。

2013年12月30日 (月)

小池光「滴滴集」

Cimg7464 砂子屋書房の現代短歌文庫(65)「続々 小池光歌集」(2008年・刊)より、第6歌集「滴滴集」を読みおえる。

 1昨日(12月28日)の記事で紹介した、第7歌集「時のめぐりに」と前後逆に収められている。

 原著は、2004年、短歌研究社・刊。

 彼は私生活をあまり詠まないから、読書や新しい見聞に取材して、作歌しているようだ。

 この本の末尾には、解説はなくて、自身のエッセイが10余編載っていて、自伝的断片や、ユーモア溢れるエピソードを読む事ができる。

 3冊の現代短歌文庫で、彼の6冊の歌集を読みおえて、さらに彼の歌集を読むかどうかは、今はわからない。

 以下に5首を引く。

手の先がすでに睡りに没せりとわがみづからにゆるし乞ふあはれ

千鳥ヶ淵の上空にきてゆるらかに向(む)きをかへつつある飛行船

エクセルに長ずる者が支配者のごとくふるまふ職場の憂(う)しも

教室に入らずこのまままつすぐに廊下を過ぎてゆけるものならば

三重の否定は肯定的否定「つまらなくない此の世とてない」

2013年12月29日 (日)

石原舟月「山鵲」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第7巻(1981年・刊)より、最後、13番めの句集、石原舟月「山鵲」(やまかち)を読みおえる。

 今月22日の記事(←リンクしてある)で紹介した、細谷源二「砂金帯」に続く句集である。

 原著は、1949年、飛鳥書房・刊。

 飯田蛇笏・序、300余句、後記を収める。

 石原舟月(いしはら・しゅうげつ、1892年~1984年)は、飯田蛇笏「雲母」門。

 彼は山梨県より上京、電柱広告事業のパイオニアとして成功した。

 句集「山鵲」では、昭和10年以前~昭和23年の句を、幾つかの年代グループに分け、逆年順に配した。

 以下に5句を引く。

文弱の世をたのしまず冬帽子

雲の洞に遠き空ある春田かな

病難の飯のしろたへ菜種梅雨

山羊ひとにあまえて秋暑おとろへぬ

大霜の上げ潮にのる野菜舟

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、鶴(丹頂鶴、冬の季語)の1枚。

2013年12月28日 (土)

小池光「時のめぐりに」

Cimg7464_2 砂子屋書房の現代短歌文庫「続々 小池光歌集」(2008年・刊)より、第7歌集「時のめぐりに」を読みおえる。

 このあとに第6歌集「滴滴集」を収める。

 原著は、2004年、本阿弥書店・刊。

 今月24日の記事「草の庭」に続いて、取り上げる。

 この歌集は、歌誌「歌壇」(本阿弥書店)に、2003年4月号より同題で1年間、連載した作品をおもに収める。

 「後記」に拠ると、休日にはしばしば電車で遠出し、用のない町を歩いて、作歌の感興を誘ったそうである。尋常でない気もするが、1年間の連載となると、そうしなければならなかったのだろう。

 以下に5首を引く。

化けの皮が剥がれるときにめりめりといふ音すらむその音聞かむ

花といふこの「幻影の紹介者」つかのまの虹とれとささやく

ゆめならば曾祖父四人曾祖母四人ひとつ座敷に座りをりけり

歯車の嚙み合ふときにはさまりし砂粒(さりふ)なんといふひびきを立つる

いいでせう硝酸一瓶ちやうだいな、などと言ひくるあやしげな生徒(やつ)

2013年12月27日 (金)

ツイッター、始めました

 最近、ツイッターを始めた。

 以前より3人ほど、フォローしていたが、発信していなかった。

 このミテログの編集画面が新しくなり、記事更新を同時発信できる事を知り、アメブロ「新サスケと短歌と詩」の記事更新のツイートと共に、発信している。

 まだ20ツイート程である。よくはわからないが、名前は

    新サスケ@terayamaf 

である。terayamaは、寺山修司へのオマージュである。フォローしてくださる方は、どうぞよろしく。

 今月5日の記事で紹介した、俵万智・第5歌集「オレがマリオ」より1首、勝手に引用する。

「ツイッター始めました」と書いてみる冷やし中華のチラシのように

2013年12月26日 (木)

「歌壇」1月号

Cimg7456 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2014年1月号を読みおえる。

 新春巻頭作品として、宮英子「三鷹台散策」8首、小島ゆかり「鷂」16首もある。

 馬場あき子「地獄の門」16首は、先行きを暗く見ているようだが、宇宙からの視点に希望を見出そうとしている。

 特集の「師系を辿る」では、松村正直「超克の論理」が、永田和宏の言葉として、結社の<一対一>の関係としては最も切実な部分において乗り越える、超克の論理以外のものではあり得ない、と述べて衝撃的である。

 吉川宏志「鳥の見しもの」50首が、傍観を離れて、行動に踏み出す己を詠んでいる。

2013年12月25日 (水)

「コスモス」1月号

 結社歌誌「コスモス」2014年1月号を読みおえる。

 ただし初めより「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」(2名×15首)、O先生賞受賞作品(2名×30首)、他。

 僕が付箋を貼ったのは、「その二集」特選の、I・幸子さん「妬心」5首(136ページ)より、次の1首。そう言えば、「球根栽培法」という本が、あったような。

春の庭思いうかべてチューリップと今の憂鬱土に埋めこむ

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、鴛鴦(冬の季語)の1枚。

2013年12月24日 (火)

小池光「草の庭」

Cimg7452 砂子屋書房・現代短歌文庫の「続 小池光歌集」(2010年・再版)より、第4歌集「草の庭」を読みおえる。

 原著は、1995年、砂子屋書房・刊。

 今月20日の「日々の思い出」の記事で、彼の受賞歴を列記したけれど、僕は彼の作品が、今1つ胸の腑に落ちない。

 彼の第1歌集「バルサの翼」の「あとがき」に、以下のようにある。「(前略)つまり僕は歌を<作って>きたのである。歌をうたったのでも、詠んだのでもなく、歌を作ったのである。(中略)<伝統詩>としての短歌、という発想ほどなじめなかったものはない(後略)」。その立場は、大前提として続いている。

 僕は「短歌は自己救済の文学である」という説を実感し、信じて、作歌している。その説の根拠は明らかにされていないが、伝統的定型詩である事もその1つだろうし、宮師の詠まれたように「素直懸命に」詠む事で得られる恩恵だと思う。

 この「草の庭」には、1種の終末感のようなものを感じる。ただしそれから、彼の作品がどう進展したか、僕はまだ知らない。

 以下に5首を引く。詞書は省略させてもらった。

ただしろく灯台のこる終末をおもひゑがきて屋上くだる

はるかなる野辺の送りに野球帽子とりて礼(ゐや)せり少年われは

巡礼の一人のごとくくちなはは草の庭より消え去りゆきぬ

かへりくるランドセルみればそれぞれに小太鼓の撥二本さしをり

お母さんどこへゆくの、といふこゑが悲鳴にちかく聞こゆる夕(ゆふべ)

2013年12月22日 (日)

細谷源二「砂金帯」

 角川書店「増補 現代俳句大系」(全15巻)の第7巻(1981年・刊)より、12番めの句集、細谷源二「砂金帯」を読みおえる。

 今月19日の記事で紹介した、川島彷徨子「榛の木」に継ぐものである。

 原著は、1949年、北方俳句人支社・刊。

 自序、「開拓」179句、「石狩川」142句、山田緑光・跋を収める。

 細谷源二(ほそや・げんじ、1906年~1970年)は、12歳から職工生活に入り、プロレタリア文学に関わって、1941年の俳句弾圧事件で検挙された。敗戦1ヶ月前に、北海道の泥炭地に入植、3年間の困苦の中で句稿は書き継がれた。

 以下に5句を引く。

母の衣を売るや寒光につらぬかれ

家まづしおゝ煌煌と夜の列車

妻も小さく歌をうたへりゆき解の日

誰も乏しくおりおり雪に眼をつむる

山に百合そうして農夫嫁が来て

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、落ち葉の1枚。

2013年12月20日 (金)

小池光「日々の思い出」

Cimg7452 砂子屋書房の現代短歌文庫「続 小池光歌集」(2010年・再版)より、第3歌集「日々の思い出」全編を読みおえる。

 原著は、1988年、雁書館・刊。

 ここで、彼のおもな受賞歴を挙げておこう。

 1978年、第1歌集「バルサの翼」で、第23回「現代歌人協会賞」。1995年、第4歌集「草の庭」で、第1回「寺山修司短歌賞」。2000年、第5歌集「静物」で、「芸術選奨・文部科学大臣新人賞」。2004年、第40回「短歌研究賞」。同年、第6歌集「滴滴集」で、第16回「斎藤茂吉短歌文学賞」。同年、第7歌集「時のめぐりに」で、第39回「迢空賞」。2011年、第8歌集「山鳩集」で、第3回「小野市詩歌文学賞」。2013年、紫綬褒章。(ウィキペディア等に拠る)。

 同シリーズ3冊の、写真の表情が陰鬱そうで気になる。教師という仕事、上京者の生活は、ストレス多いものだろうか。「沈鬱な顔」「こゑの陰にこもりて」とも自ら詠んでいる。

 この本より、1ページ1段、1首1行となり、行間はともかく、読みやすい。歌集としても、逆年順編集を捨てたようである。

 以下に5首を引く。詞書は省かせてもらった。

暑のなごりほのかに曳ける石のうへ秋のかなへびは戦(そよ)ぐがにゐる

わが少女、神を讃へてややもすれば常軌を外(そ)れてゆく気配あり

よれよれにただとんがつてゆくわれに麦茶を運ぶ人の近づく

淋しくて食ひはじめたる落花生とどまりあへぬくるしみ来たる

喉のおくならぬこころの奥底のいがいがなれば葛湯が効(き)かむ

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