カテゴリ「読んだ本」の1643件の記事 Feed

2016年5月 3日 (火)

歌誌「コスモス」5月号「その一集」特選欄・読了

 結社歌誌「コスモス」2016年5月号より、「その一集」特選欄を読みおえる。

 同・「月集」読了は、先の4月24日の記事(←リンクしてある)にアップした

 「月集」特選は、9選者×各5名×各5首。

 「月集」会員は、増えている印象で、それだけ競争率が高くなる。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。K・典子さんの5首より。

ふつと来し言葉ひとつが風のごとあはれ消えさる風すさぶ夜を

 そういう経験は、誰にもあるだろう。メモを取りましょう。本には、付箋を貼りましょう。

 詠いぶりが、なだらかである(これを、調べが良い、というのか)。

Photo 「フリー素材タウン」より、藤の1枚。

2016年5月 2日 (月)

「トラークル全集 Ⅵ 遺稿」(3)

 青土社「トラークル全集」(1987年・刊)より、第Ⅵ章遺稿の第3節「一九一二年―一九一四年」を紹介する。トラークルの25歳~27歳(没年)までの遺稿である。

 第2節「一九〇九年―一九一二年」は、先の4月13日の記事(←リンクしてある。訂正あり)にアップした。

 この第3節(章、節の呼び方は、僕の付けたもの)には、異稿を含め53編の詩を収める。

 「(なんと暗いのだ、春の夜の雨の歌は)」を初め、ネガティヴな詩の多い中、「妹の庭 第二稿」のように優しい詩もある。

 「(青い夜は ぼくたちの額の上に 優しく現れた)」のように、1編の内に悲嘆から救済への転調を示す作品もある。アルコール・薬物への依存の故か、若さの故か、僕にはわからない。

 このあとの、「『詩集』『夢の中のセバスチャン』他 異稿」は、省こうと思う。発表稿と異稿を比較研究するいとまは、僕にない。

Photo 「フリー素材タウン」より、チューリップの1枚。

2016年5月 1日 (日)

年刊句集「福井県」第54集(2)

 年刊句集「福井県」第54集(2016年3月、福井県俳句作家協会・刊)の、2回めの紹介をする。

 同(1)は、先の4月17日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 どうしても気になるのは、俳句人口の多さ、アンソロジー参加者の多さである。結社やグループの半封建性、排他性は無いのだろうか。俳句は国際化して、そうしていられない事情だろうか。

 また詩型が短いだけに、新鮮さを表わす競争は熾烈で、それが励みにもなっているようだ。

 前回に続き、41ページより80ページまで40ページ、80名の800句を読む。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1句。K・弓子さん(「雪炎」・他・所属)の「秋桜」10句より。

人生は曲がってもよし大根蒔く

 人生で曲がった事のある身には、涙ぐましい。「大根」は「だいこ」と読むか。

Photo 「フリー素材タウン」より、チューリップの1枚。

2016年4月29日 (金)

「今すぐ使える かんたんTwitter入門」

Photo_5 今月15日の記事、「最近買った3冊」にアップした3冊の内、「今すぐ使える かんたんTwitter入門」を、1通り読みおえる。

 2015年12月、技術評論社・刊。

 今すぐ必要でない所は、読み飛ばした部分もある。

 入門書では、良い本だろう。ただしAndroid端末からの、写真付きツイートの仕方が載ってないなど、簡単と見るのか、Windowsと重複すると見るのか、不親切な部分もある。

 読み進んでゆけば、1通りの操作は出来るだろう。

 ただし、操作に困った時、気になる事を調べたい時、検索して調べるには、向かないかも知れない。目次や索引欄からは調べにくい。

 たとえば、企業広告を非表示にする方法は、「タイムラインとは?」のセクションの「ヒント」欄に載っている、等。付箋を貼る等の対策をしなければならない。

2016年4月28日 (木)

定道明「杉堂通信」

Cimg8809 今月25日の記事で、頂いた事を紹介した、定道明(さだ・みちあき)さんの小説、「杉堂通信(さんどうつうしん)」を読みおえる。

 2016年5月1日・付け、編集工房ノア・刊。

 この小説は、「杉堂通信」「続杉堂通信」の2部に分かれており、ぼくも2回に分けて紹介するつもりだったが、面白くて一気に(1度に、ではない)読んでしまった。

 なお僕が彼をなぜ、「定さん」と呼ぶか、わかった気がする。詩人懇話会の幹事会や催しで会っていた頃、「定さん」と呼びかけていたからである。

 帯で「日記体小説」と紹介されているが、そうではなくて(日付は付されているが)、Aさんと呼ぶ久しく会わない女性への書簡体小説である。

 小説は、老人の日常のトピックスと思い(回想を含む)を、ぶちまけた内容である。喜寿を越えた主人公が、「私はよく泣きます」と心弱くもなり、「それどころか、むしろまともなのはこっちだ位に考えているのですから」と頑固さを示してもいる。「若くして言葉なんかに縛られるのは愚だ」とも述べている。地の文に「つついっぱい」の方言が出るなど、自由な書きぶりは、死を見据えた胆の据わりであろう。

2016年4月27日 (水)

「シュメール神話集成」(7)

 ちくま学芸文庫「シュメール神話集成」(2015年・刊)より(7)、7回めの紹介をする。

 同(6)「ウルの滅亡哀歌」の紹介は、先の4月18日付け記事(←リンクしてある)にアップした。

 今回、僕が読みおえたのは、「イナンナ女神の歌」と、「ババ女神讃歌」の2編である。

 イナンナは、太陽神・ウトゥの妹とされ、この編では戦の女神とされる。これまでに何度か神話に現れたが、神としての立場が今一つわからない。イナンナ女神讃歌であるが、夫・アマウシュムガルアンナ(=ドゥムジ)の讃歌の部分が多くてユーモラスである。

 「ババ女神讃歌」のババは、地母神である。農業(牧畜を含む)の神として崇められるが、劇的な要素に欠けるようだ。

Photo 「フリー素材タウン」より、チューリップの1枚。

2016年4月26日 (火)

歌誌「歌壇」5月号

Cimg8803 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)の2016年5月号を読みおえる。

 家に届いた事は、先の4月19日の記事、「歌誌2冊」にアップした。

 また同誌・4月号の読了は、4月12日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 特集「若き才能を感じる歌人たち」は、悪くはないのだけれども、43歳の中年で「コスモス短歌会」に入会した僕には、切迫して来ない。

 座談会「世代間の歌をめぐって――現代短歌のゆくえ 後編」は、若手のトップ女性歌人たちの、熱心な討議で、「このまま徹夜でしゃべりたい」という発言が出るほど、率直な会であった。

 僕が付箋を貼ったのは次の1首。安藤昭司さんの「銀の放射」12首より。

従順に石の影あり従順に人の影あり火を噴かぬもの

 世界では、銃の乱射や自爆テロなど、いつ火が噴くか知れない危機が存する。日本でも、ナイフを使った殺人や自動車事故、自然災害など、いつ危機に遭うか知れない時代である。

2016年4月24日 (日)

歌誌「コスモス」5月号「月集」読了

 結社歌誌「コスモス」2016年5月号の、初めの「月集」欄を読みおえる。

 本の到着は、先の4月19日の記事(←リンクしてある)、「歌誌2冊」にアップした。

 「月集」とここで呼んでいるのは「五月作品(短歌)」の初めより、「今月の四人」、「月集スバル」、「月集シリウス特別作品」、「月集シリウス」の、4欄である。

 「月集」では、悲苦を詠んで平静、平常・喜びを詠んでおおらかである。

 次の「その一集」では、所帯が大きいせいか、遡上する鮭が身を擦り合うように競り合っているようだ。

 僕が付箋を貼ったのは、「今月の四人」から冒頭の、次の1首。作者の柏崎驍二さんは、報によると4月15日に亡くなられ、享年74. 5首はいずれも旋頭歌である。

北窓に白く陰れる岩手山あり青年がわがコルセットの型を採る部屋

Photo 「フリー素材タウン」より、チューリップの1枚。

2016年4月20日 (水)

「梅崎春生全集」第1巻(5)

 沖積舎「梅崎春生全集」第1巻(1984年・刊)より、5回めの紹介をする。

 同・4回めの紹介は、先の3月31日付け記事(←リンクしてある)にアップした。

 今回に読んだのは、「小さな町にて」(やや長め)、「水兵帽の話」、「万吉」、「蟹」、「奇妙な旅行」、「歯」、「山伏兵長」の7短編である。

 「小さな町にて」、「奇妙な旅行」、「歯」の3作品は、戦後の物語で、「歯」はわずかに戦時の事が入るのみでなぜ戦争ものに入っているか判らない。戦後に残る戦時のしがらみを描いて、執拗である。

 戦時ものも、自分より戦争に向かない性格の兵や、敗戦直後の後輩を描いて、かつての衝迫力はない。

 平時の生活の日常に、作家の胸中もまぎれて行ったのだろうか。

Photo「フリー素材タウン」より、チューリップの1枚。

2016年4月18日 (月)

「シュメール神話集成」(6)

 ちくま学芸文庫「シュメール神話集成」(2015年・刊)より、(6)「ウルの滅亡哀歌」を紹介する。

 同(5)2編の紹介は、先の3月30日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 「ウルの滅亡哀歌」は、全11幕436行に及ぶ長編だが、不明部分はわずかな欠語があるのみである。ばらばらに発表された多くのテキストを集成し、次々と別の写本テキストが発表され、ほとんど完全に知られるようになった。

 ウルを主とするシュメールの諸都市が暴風によって破壊され、多くの死者を出して滅ぶが、民の声がウルの神、ニンガル(女神)とナンナル(男神、ニンガルの夫)に、戻ってくるよう訴えて終る。

 付された156の訳注を追って、読みおえられた。

Photo 「フリー素材タウン」より、チューリップの1枚。

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