今月17日に届いた、結社歌誌「コスモス」2015年1月号より、昨日の「あすなろ集」に続き、「その二集」を読みおえる。
初めにある「月集」2つ、「その一集」のクラスを読んでいないが、ある必要のため。
「その二集」「あすなろ集」に、長く在籍して、昇級できないでいると、その鬱屈は相当のものと思う。
ただし、ある先輩歌人は、「少し勉強すれば昇級できる」と述べていた。総合歌誌、歌集(「コスモス」以外の歌人を含めて)を読んで、好きな歌人を見つけるのも良いだろう。
僕が付箋を貼ったのは、次の1首。茨城県のM・正城さんの4首より。
田の中の真直ぐに伸びる農道が彼方の村へ我をいざなう
真直ぐに伸びる農道は、農業に活力のあった頃、耕地整理を行った、その後のものだろう。耕地整理を覚えている世代も、少なくなったか。
結社歌誌「コスモス」2015年1月号の、「あすなろ集」を読みおえる。
ふだんなら初めより読み進むが、今回は初めの「月集」「その一集」を読みおえていない。
「あすなろ集」「その二集」を、早く読む必要があったのだ。
僕が付箋を貼ったのは、次の1首。広島県のT・武子さんのユニークな3首より。
わが意には添はざることと思ひつつしばらく聞いてみようしばらく
もしやして、トラブルの止揚されて、妥協でない解決策が生まれるかと、少しでも望みを持つ人生経験がある。
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大和書房「斎藤史全歌集」(1998年・5刷)より、第8歌集「ひたくれなゐ」を読みおえる。
第7歌集「風に燃す」は、今月7日の記事(←リンクしてある)で紹介した。
原著は、1976年、不識書院・刊。翌年、同歌集により、第11回「迢空賞」受賞。
1967年~1975年の、715首を収める。
1968年には老母が両眼失明し、1973年には夫が脳血栓で倒れ、個人的には苦労の多い時期だったと思われる。歌風は華やかさを増すけれども。
以下に7首を引く。
望み断ち人去りゆきし開拓地の道消して降る雪片無限
鈴振るは鈴の音きよく聞かむため魂のめざむるよりけざやかに
埴輪の眼ふたつ穴なしてわらへども母の見えざる眼は笑はざり
全身に傷ちりばめて雉落ちぬ花火のごとき散弾のなか
みづからに科せし流刑(るけい)と下思ふこの寒冷の地にながらへて
流民のまぶた閉づれば残像の過ぎし山河も永遠(とは)なる異郷
侵しくる死の影やらひ鬼やらひ打つ豆つぶて病廊に散る
注:1部、旧漢字を新漢字に、替えた所があります。
1昨日(12月17日)に、結社歌誌「コスモス」2015年1月号が届いた。
「第61回O先生賞発表」がある。
僕の歌は幸い、5首選(特選)だった。内容はアメブロ「新サスケと短歌と詩」の、昨日の記事(←リンクしてある)に載せてある。
また昨日、Amazonに注文していた総合歌誌、「歌壇」(本阿弥書店)2015年1月号が届いた。
早くも新春モードである。
結社歌誌「コスモス」2014年12月号の、「その二集」(既読の特選欄を除く)を読みおえる。
その前の「あすなろ集」読了は、この12月10日の記事で報せている。(12月中は、右サイドバーのカレンダーで当の日付をクリックしてください)。
「その二集」「あすなろ集」(「その一集」もだけれど)平均選歌数が上がった。しかしそれに連れて昇級基準歌数も上がっている。それに「その二集」会員数の減少のため、特選の数が抑えられた。厳しいが、ご健闘を。
付箋を貼ったのは、次の1首。兵庫県のM・順子さん※の3首より。
介護とはやさしいだけでできぬこと今日も舅(しゆうと)の紙パンツ換える
名前の後の※は、新かな遣いを示している。
僕は次男で、両親の介護をほとんど全くしなかったが、兄夫婦の苦労が思われる。また妻と二人住まいなので、いずれ老々介護の問題も出て来るだろう。
昨日に同誌の2015年1月号が届いた。その前に12月号の、通常の短歌を、全部読み得て良かった。
総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2014年12月号を読みおえる。
ただし短歌の通常掲載作品は全部読んだが、批評等の散文で読まなかったものがある。
特集の「今年一番印象に残った一首、一冊」は、もどかしかった。1首では(おそらく連作の)意趣がわかりにくいし、歌集より2、3首の引用では、歌集の傾向がわからない。(このブログの歌集紹介記事のように、数首は挙げねば、と書くと不遜だが)。
ただし角川「短歌年鑑」は、膨大すぎて読む気になれない。
巻頭20首4氏では、来嶋靖生「山頂秋雨」の落着きに惹かれたのは、僕の老いだろうか。
小島ゆかり「馬上」50首には、圧倒される。彼女の純粋さとひた向きさが、いつまでも歌に新しさを生ませている。
結社歌誌「コスモス」2014年12月号の「あすなろ集」(既読の特選欄を除く)を読みおえる。
その前の「その一集」読了は、今月6日の記事で報告した。
最近は歌誌を、心理的にはゆったりと読んでいる。たとえば、わからない単語は、電子辞書で調べている。カタカナ語でまれに、広辞苑にもカタカナ語辞典にも載っていない語がある。流行の新語などに、僕が弱いのだろう。
僕が付箋を貼ったのは、次の1首。埼玉県のY・真奈美さんの4首より。
不思議だね君の愛する故郷の開聞岳が我もなつかし
愛する人と、心が1つになっている、幸せな生活から生まれた1首だろう。
大和書房「斎藤史全歌集」(1998年5刷)より、第7歌集「風に燃す」を読みおえる。
第6歌集「密閉部落」は、先の11月21日の記事(←リンクしてある)で、紹介した。
原著は、1967年、白玉書房・刊。1959年~1966年の、あしかけ8年の632首を収める。
彼女は、1962年(53歳)、主宰誌「原型」を創刊し、「短歌人」を退会した。
信濃に永住を決め、不利を有利に転換し、年齢的充実もあっての、「原型」創刊だったと思われる。
信濃の風物、人情、自身が主観性強く詠まれている。
以下に6首を引く。
あたたまり眠らむとしてつぐ梅酒に杏仁うすく匂ふことあり
衰残をみづから言へる人とゆく同じみぞれにたたかれながら
行く方(かた)を遠く持ちたれば山国の河しあはせに走りて止まず
とりかへしつかざる生(せい)のため叫ぶケージの中に産むめん鶏ら
凍らむとする水道の水うけて飲めばつらぬく冬のさびしさ
若き日のいく年暗く毟(むし)られて帰り来し娘と行けば 風花
注:1部、旧漢字を新漢字に替えた所があります。
結社歌誌「コスモス」2014年12月号の、「その一集」を読みおえる。
先の11月24日付けの記事で、「月集」2クラス、各級・特選欄の読了を報告してある。
「その一集」は、「コスモス」の1番の大所帯で、カナダ、タイ、ブルガリアの外国から、北海道~鹿児島県(沖縄県の方はいない)と各地の歌人が活躍している。
僕が付箋を貼ったのは、次の1首。埼玉県のI・よし子さんの3首より。
口紅を持たざりし母棺のなか小さく閉ぢる口に紅さす
慎ましく生きて逝いた母を思いやって、あわれ深い1首である。「お涙頂だい」という人もあるかも知れないが、親の逝いた場合であり、結局逝いた者への哀悼の意は涙を流すしかないと思っており、優れた1首だと思う。
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