カテゴリ「歌書」の467件の記事 Feed

2014年1月25日 (土)

「コスモス」2月号

 結社歌誌「コスモス」2014年2月号を読む。

 今の所、初めより「その一集」特選までと、「COSMOS集」(「その二集」「あすなろ集」の特選欄)、「新・扇状地」(2名×15首)、他。

 僕が付箋を貼ったのは、「月集シリウス」のM・比呂美さんの次の1首(20ページ)である。

「この歌は相聞でしょ」と言ひにけりあやめのひとがカトレアのひとに

 「の」の古い意味には「~のような」があるが、それだけの意味ではない使われ方であろう。また時・場所も示されていない。

 ファンタジックというより、シュールな作品と僕は思う。

Photo「フリー素材タウン」より、シクラメンの1枚。

2014年1月19日 (日)

三木佳子「風にあずけて」

Cimg7499 「未来」所属の歌人・三木佳子(みき・よしこ)さんの第1歌集、「風にあずけて」を読みおえる。

 2008年、短歌研究社・刊。米田律子・跋。

 知覚過敏の痛みに耐えながら暮らして、妹の死去、同居する母の脳梗塞による不自由などに遭う。

 歌集の「あとがき」ではその母も亡くなったと書き、すでに父はいない。

 彼女は独身らしく、短歌を詠む・読む事が、そういう生活を越えてゆく、大きな力となるのだろう。

 以下に6首を引く。

鳩の群れ秋陽の屋根にまどろむを見つつ電車は地下に入りゆく

熊蟬は朝を待たずに啼きはじめ知覚過敏の吾をいたぶる

かんな月神のいぬ間をもう少し寄り道したい川の向こうへ

車椅子に母のかかぐるVサインふぶく桜と共に撮らるる

十五夜の月はまどかに中庭を跳ぬる仔猫ら声立てぬなり

肌色のヒガンバナ咲きこの世から消えてしまった妹を呼ぶ

2014年1月18日 (土)

歌誌とマニュアル

Cimg7494

Cimg7498 昨日(1月17日)に、結社誌「コスモス」2014年2月号が届いた。

 僕の短歌は、10首出詠のうち、4首選だった。内容は、僕のもう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」(このブログのリンク集にあり)の明日の記事に載せる。

 今日の午後、書店「Super KaBoS ワッセ店」へ行き、総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2月号を買った。特集は「スイーツの歌」である。僕は甘党だけれど、店へ出掛ける程ではない。

 同時に、ツイッターのマニュアル書を買った。

 僕は囲碁も園芸もパソコンも、マニュアル書を参考にして来た。

 文学は、解説書・指導書はあまり読まなくて、作品より学んで来た。

2014年1月17日 (金)

「あすなろ集」まで

 結社歌誌「コスモス」2014年1月号の「あすなろ集」を読みおえる。

 これで上位クラスの初めより読み進んで、「その二集」を残すのみだ。ただし今日(1月17日)、次の2月号が届いたので、そちらをこれから読むことになる。

 「あすなろ集」では、言葉がこなれていない場合がある。

 舌頭に転ぜよとは言わないが、「コスモス」以外を含めて、歌集などを読むべきだ。努力すれば成果は挙がる。

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、「テトラオドン・ムブ」の1枚。ほんとは「フグ」(冬の季語)で検索したんだけどね。

2014年1月16日 (木)

藤田冴「朝のパトス」

Cimg7489 藤田冴・第2歌集「朝のパトス」を読みおえる。

 2005年、砂子屋書房・刊。岡井隆の跋文、「あとがき」を収める。

 彼女には第1歌集「いんなあ・とりつぷ」(1995年、砂子屋書房・刊)、第3歌集「櫂をください」(2012年、短歌研究社・刊)があるが、僕は内容を知らない。

 この歌集では、人生の感慨をレトリック豊かに、かつ素直に詠まれた作品が多い。

 レトリックの生れた喜びを詠う歌など、ほほえましいくらいだ。

 以下に首を引く。

早春の土の香匂ふ野に出でて妥協のための種子を蒔くべし

虚空よりメールが届く……少しだけ不自由の苗も育ててゐます

アレンジはしとと優美で切り口ははつかに苦きレジュメが届く

急行が通過するとき顕ちきたるレトリックひとつさやさやと鳴る

口笛を吹けないあなたさみどりのいたや楓が呼んでゐるのに

微風すらしづめて夜半を唄ひゐる天動説を知らぬフルート

ペナルティをとられしことも夕暮れて鰤大根を煮炊き始めつ

2014年1月 7日 (火)

「その一集」まで

 結社歌誌「コスモス」2014年1月号の、「その一集」を末まで読む。

 昨年12月25日の記事(←リンクしてある)、「『コスモス』1月号」では、「月集スバル」「月集シリウス」、特選欄等の歌を、駆け足で読んできた。

 日数があったので、「その一集」を、カナダから始まる外国、北海道から南下する日本の鹿児島県(103ページ)まで、作品を読み続けた。

 「その一集」の詠いぶりは、こなれている。「その二集」「あすなろ集」の新鮮さも、再度取り込みたい。

 2月号が届くであろう1月17日まで、まだ日数があるので、続いて「あすなろ集」を読み続けたい。

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、兎(野兎。冬の季語)の1枚。

2013年12月30日 (月)

小池光「滴滴集」

Cimg7464 砂子屋書房の現代短歌文庫(65)「続々 小池光歌集」(2008年・刊)より、第6歌集「滴滴集」を読みおえる。

 1昨日(12月28日)の記事で紹介した、第7歌集「時のめぐりに」と前後逆に収められている。

 原著は、2004年、短歌研究社・刊。

 彼は私生活をあまり詠まないから、読書や新しい見聞に取材して、作歌しているようだ。

 この本の末尾には、解説はなくて、自身のエッセイが10余編載っていて、自伝的断片や、ユーモア溢れるエピソードを読む事ができる。

 3冊の現代短歌文庫で、彼の6冊の歌集を読みおえて、さらに彼の歌集を読むかどうかは、今はわからない。

 以下に5首を引く。

手の先がすでに睡りに没せりとわがみづからにゆるし乞ふあはれ

千鳥ヶ淵の上空にきてゆるらかに向(む)きをかへつつある飛行船

エクセルに長ずる者が支配者のごとくふるまふ職場の憂(う)しも

教室に入らずこのまままつすぐに廊下を過ぎてゆけるものならば

三重の否定は肯定的否定「つまらなくない此の世とてない」

2013年12月28日 (土)

小池光「時のめぐりに」

Cimg7464_2 砂子屋書房の現代短歌文庫「続々 小池光歌集」(2008年・刊)より、第7歌集「時のめぐりに」を読みおえる。

 このあとに第6歌集「滴滴集」を収める。

 原著は、2004年、本阿弥書店・刊。

 今月24日の記事「草の庭」に続いて、取り上げる。

 この歌集は、歌誌「歌壇」(本阿弥書店)に、2003年4月号より同題で1年間、連載した作品をおもに収める。

 「後記」に拠ると、休日にはしばしば電車で遠出し、用のない町を歩いて、作歌の感興を誘ったそうである。尋常でない気もするが、1年間の連載となると、そうしなければならなかったのだろう。

 以下に5首を引く。

化けの皮が剥がれるときにめりめりといふ音すらむその音聞かむ

花といふこの「幻影の紹介者」つかのまの虹とれとささやく

ゆめならば曾祖父四人曾祖母四人ひとつ座敷に座りをりけり

歯車の嚙み合ふときにはさまりし砂粒(さりふ)なんといふひびきを立つる

いいでせう硝酸一瓶ちやうだいな、などと言ひくるあやしげな生徒(やつ)

2013年12月26日 (木)

「歌壇」1月号

Cimg7456 綜合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2014年1月号を読みおえる。

 新春巻頭作品として、宮英子「三鷹台散策」8首、小島ゆかり「鷂」16首もある。

 馬場あき子「地獄の門」16首は、先行きを暗く見ているようだが、宇宙からの視点に希望を見出そうとしている。

 特集の「師系を辿る」では、松村正直「超克の論理」が、永田和宏の言葉として、結社の<一対一>の関係としては最も切実な部分において乗り越える、超克の論理以外のものではあり得ない、と述べて衝撃的である。

 吉川宏志「鳥の見しもの」50首が、傍観を離れて、行動に踏み出す己を詠んでいる。

2013年12月25日 (水)

「コスモス」1月号

 結社歌誌「コスモス」2014年1月号を読みおえる。

 ただし初めより「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」(2名×15首)、O先生賞受賞作品(2名×30首)、他。

 僕が付箋を貼ったのは、「その二集」特選の、I・幸子さん「妬心」5首(136ページ)より、次の1首。そう言えば、「球根栽培法」という本が、あったような。

春の庭思いうかべてチューリップと今の憂鬱土に埋めこむ

Photo無料写真素材集サイト「足成」より、鴛鴦(冬の季語)の1枚。

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