カテゴリ「ノンフィクション」の90件の記事 Feed

2012年9月11日 (火)

岩波文庫7冊

 昨日(日曜日出勤の振替休日だった)の午後、久しぶりに「BOOK OFF 二の宮店」へ行き、岩波文庫ばかり、7冊を買った。

 調べてみると、当店で買物をしたのは、昨年6月14日以来だった。それより2、3回は訪れている筈だが、何も買わなかったのだろう。

 7冊を以下に列記する。

  • 「摘録 鸚鵡籠中記」(上・下2冊、2003年3刷)
  • ゴンチャロフ「日本渡航記」(2001年15刷)
  • (古典ファンタジー)「ラインケ狐」(2003年3刷)
  • 高浜虚子「立子へ抄」(1998年初刷)
  • ロペ・デ・ベガ「オルメードの騎士」(2007年初刷)
  • コングリーブ「世の習い」(2005年初刷)

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ダウンロード・フォト集より、湖の1枚。

本文と無関係。

2012年9月10日 (月)

エッセイ集「中くらいの妻」

Cimg6404_4 日本エッセイスト・クラブ編「’93年版 ベスト・エッセイ集 中くらいの妻」を読みおえる。

 文春文庫、1996年・刊。62編を収める。

 この9月3日に紹介した、「’92年版 明治のベース・ボール」に次ぐ本である。

 このシリーズも、初めの「’83年版 耳ぶくろ」より紹介して来て、11冊めである。

 エッセイの初出誌として、時どき「室内」と出てくる。ヤフーで調べると、工作舎・刊で50年間、木工・家具・インテリアのリーディングマガジンとして著名だったが、2006年に休刊した、とある。

 上野恭一(うえの・きょういち、当時・上野胃腸科医院院長)の「妻の手」は、医院の職員など女性40名ばかりに還暦祝いパーティをされた時、余興で目隠しをして5人の手を握り、見事に妻の手を当てた、というエピソードを描く。末尾には「私は一番荒れている手を選んだのである」と種明かしして、感興を誘う。

2012年9月 3日 (月)

エッセイ集「明治のベースボール」

Cimg6388 日本エッセイスト・クラブ編「’92年版 ベスト・エッセイ集 明治のベースボール」を読みおえる。

 文春文庫、1995年・刊。61編を収める。

 この8月29日の「’91年版 ネパールのビール」に次ぐ本である。

 僕としては久しぶりに、しみじみ・ほのぼの路線のエッセイに、たくさん出会った。

 バブル景気が終わった(ウィキペディアに拠ると、1986年12月~1991年2月の事だったとする)せいだろうか?

 岩本久則(漫画家)の「クジラを観に行く」は、「一九八八年、私達は東京都の南の果て、小笠原で日本初のホエールワッチングをやった。仲間は、野鳥や自然と関ってきたナチュラリストたちで、…」と述べて、その感動と、ブームの始まりを描いている。

 亀井俊介(当時・東京大学名誉教授)の「亡き妻との『書棚戦争』の思い出」は、大学教授でもあった妻との、定まった書棚にどちらの本を多く収めるかの争いを回想しながら、謙譲ぎみだった亡き妻を偲んでいる。

2012年8月31日 (金)

山際淳司「逃げろ、ボクサー」

Cimg6381 山際淳司のノンフィクション集、「逃げろ、ボクサー」を読みおえる。

 角川文庫、平成7年・3版。

 彼は、1948年・生、1995年・没。スポーツ・ノンフィクション作家として活躍し、他に小説・エッセイ・翻訳なども執筆したが、胃癌により46歳の若さで亡くなった。

 名作をたくさん残して、生き急いだかに見える。

 僕はこれまで、「エンドレス・サマー」(2011年2月2日の記事)、「スローカーブをもう一球」(2011年2月18日の記事)、「ルーキー」(2011年3月30日の記事)を読んでいる。

 彼は重大な試合の重大な場面ばかりを描いているのではない。

 表題作の「逃げろ、ボクサー」も、バンタム級ボクサー(日本のタイトルさえ取れなかった)の若年時代を追った作品だ。

 「スクイズ・フォーエバー」も、翌年春のセンバツ高校野球を目指す札幌地区の一回戦を描いている。

 丹念な取材と、強い思い入れと、惹きつける文体で、スポーツ・ノンフィクションをメジャーにしたと、僕は讃仰する。

2012年8月29日 (水)

エッセイ集「ネパールのビール」

Cimg6376 日本エッセイスト・クラブ編「’91年版ベストエッセイ集 ネパールのビール」を読みおえる。

 文春文庫、1994年・刊。67編。

 8月21日に紹介した、「’90年版 チェロと旅」に次ぐものである。

 著名作家や大学教授など、社会的地位の高い人の、日常のひとコマ、ある場面の回想などが多くて、僕としては興浅い作品もあった。

 田中博子(たなか・ひろこ)さん(主婦)の「筍」は、母の認知症が進んで行くさまに気づきつつ、優しい気持ちで接したいという思いに満ちている。

 土屋繁子(つちや・しげこ)さん(当時・中央大学講師)が、「当世学生『本離れ』気質」の末尾で、「本の形態が不要になる時代、コンピューターに取って替わられる時代、などというものがいずれやって来たとしたら、」と記して、現在の「電子書籍の出現」を予言していたようで、興深い。

2012年8月21日 (火)

エッセイ集「チェロと旅」

Cimg6339 日本エッセイスト・クラブ編「’90年版ベスト・エッセイ集 チェロと旅」を読みおえる。

 文春文庫、1993年・刊。

 今年8月6日に、「’88年版」を紹介(記事あり)以来である。

 前後するが「’89年版」は、今年7月29日の記事で紹介している。

大作家から主婦まで、感懐を述べて、感慨深い文章が多い。エッセイを読む楽しみである。

 ソルジェニツィンの作品の翻訳者でもある木村浩が、「スターリンの犯罪」の中で、スターリンの犠牲者は4千万人から6千万人である、としてイデオロギー最優先の怖ろしさを語っている。

2012年8月 6日 (月)

エッセイ集「思いがけない涙」

Cimg6285 日本エッセイスト・クラブ編「’88年版ベスト・エッセイ集 思いがけない涙」を読みおえる。

 文春文庫、1991年・刊。

 このブログの、先の8月2日付け記事で、購入を報告した本である。シリーズものの1冊が欠けていたからだ。

 上野動物園・園長(当時)の中川志郎(敬称・略)のエッセイは面白くて考えさせられる。「’87年版」「’89年版」にも載っていて、これまでのところ、3年連続掲載は珍しい。

 今回は、「動物たちの老後」と題して、キリンの群れのボスだった「高太郎」が、座を追われたあと、ダチョウの1羽と友情を結んで24歳の高齢を全うした話である。

 また戦中派・阿川弘之の「SUNSET,06:39 GMT」と、戦無派・バブル青春世代の俵万智「修学旅行いまむかし」が、隣り合わせで並んでいる事も、時代の移り目を表していると、僕は考える。

2012年8月 2日 (木)

詩集とエッセイ集

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 Amazonより、相川永時・詩集「エルモリヤの空に」を買う。

 文芸社セレクション、2012年5月・刊。

 文庫版、帯、横書き、全90編。

 著者はアメーバブログ「エルモリヤの空に何を」を運営していて、新作詩をどんどん発表している。

 またAmazonのマーケットプレイスより、古文庫本「’88年版ベスト・エッセイ集 思いがけない涙」を買う。

 文春文庫、日本エッセイスト・クラブ編、1991年・刊。

 このブログの、先の7月29日付け記事末尾で、注文を報告した本である。

2012年7月29日 (日)

エッセイ集「誕生日のアップルパイ」

Cimg6247 日本エッセイスト・クラブ編「’89年版ベスト・エッセイ集 誕生日のアップル・パイ」を読みおえる。

 文春文庫、1992年・刊。

 日本はバブル景気(1986年2月~1991年2月)の真只中で、ジャーナリスト・徳岡孝夫「女子大生亡国論なんて古い古い」では、女子短大の謝恩会でのン百万円の振袖も「それに買い向かう資力がある」と肯定されている。

 また世の風潮の「軽薄短小」という言葉も、2、3回読んだ。これは僕の読書傾向にも引きずって、古井由吉「行隠れ」を読みなずみ、再読しようと出して来た「罪と罰」を開かれず、エッセイ集等を読んでいる。

 中で作家・村上兵衛は「古がり屋」(「新しがり屋」に対する)を自称し、女優・沢村貞子「昭和・六十三年」では、戦前に左翼劇団に走り、検挙・出所から映画界に入っての人生を振り返って、さすがに重い。

 前回(7月22日・記事)の「’87年版 おやじの値段」より、1年分が飛んでいる(蔵書にない)ので、「’88年版 思いがけない涙」(文春文庫)を、Amazonのマーケットプレイスへ注文した所である。

2012年7月22日 (日)

エッセイ集「おやじの値段」

Cimg6228 日本エッセイスト・クラブ・編「’87年版ベスト・エッセイ集 おやじの値段」を読みおえる。

 文春文庫、1990年・刊。

 このブログの6月26日の記事に、「’86年版 母の加護」読了を報告して以来である。

 大学教授の作もあるが、ほぼ詰まらない。地位と名誉を鼻にかける所が、鼻につく。

 これは僕が、大学を卒業していないせいも、あるだろう。

 面白くて、おもわず付箋を貼ったのは、中川志郎(当時、上野動物園・園長)の「コアラの涙」だった。

 動物園という異空間で、閉園時のコアラの様子を描いて、動物の純粋さ・率直さを浮かび上がらせている。

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