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2012年5月の31件の記事

2012年5月21日 (月)

永井陽子「てまり唄」

 青幻舎「永井陽子全歌集」(2005年・刊)より、5番めの「てまり唄」を読みおえる。

 原著は、1995年、砂子屋書房・刊。

 創作期間(1987~1993)は、前歌集「モーツァルトの電話帳」と重なりながら、二年を越して出版された。

 私性の強い作品と著者自らが「あとがき」で書く、これらの歌を僕は好きである。写実とか境涯詠を勧める訳ではないけれども。

 以下に6首を引く。

つくねんと日暮れの部屋に座りをり過去世のひとのごとき母親

猫たちにひたことみこともの言うて門を出でゆく影法師老ゆ

その肩にわが影法師触るるまで歩み寄りふとためらひ止みぬ

母とふたり生きてほとほと疲れたれば海のやうなる曇日が好き

人間はぼろぼろになり死にゆくと夜ふけておもふ母のかたへに

とむらひの日は過ぎやがて腐りゆくマスクメロンやたまごや南瓜

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写真は、記事と無関係。

ダウウンロード・フォト集より。

2012年5月20日 (日)

2冊の本

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 今日の午前に、書店「SuperKaBoSワッセ店」(これが正式名称か? レシートにそう印字されている)へ行く。

 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)6月号を買う。

 小島ゆかり氏の岡野弘彦氏への連続インタビュー、「歌は世につれ情は歌につれ」の第2回、「私の学生時代」が載る。作歌のレトリックと共に心構えを、僕たちは大先輩から学ばねばならない。

 同じテキストコーナーに、「2012囲碁年鑑」(2012年6月、日本棋院・刊)があったので、予定外だが買う。プロ・タイトル戦全棋譜、他ここ1年の情報を収める。

 検索すると(ブログには検索機能がないが、管理画面にはある)、2011年6月3日の記事に、46年ぶんめの囲碁年鑑を買った、とあるので、それに拠れば47年ぶんめの囲碁年鑑である。

 ここ数年、囲碁対局も棋譜並べも、全くしていない。

 これだけ揃えば、資料としても価値はあるだろう。

2012年5月19日 (土)

園芸通販カタログ、他

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 今日午前、宅配便で改良園の秋の園芸通販カタログ(無料)が届いた。

 本冊の「Green Shop」には薔薇、牡丹などの花木の苗、百合、アマリリスなどの秋植え球根等、が載っている。

 付属の「お花やさん」には、セットもののお買い得品等が載っている。

 ただし当地は冬季寒冷地なので、秋植えは失敗する可能性があり、僕は園芸苗を春に植えるようにしている。

 ホームページよりも買えるらしいので、そちらで探すのもよい。

 昼の郵便で、〇〇カードより、保険加入勧誘の書類が来たが、無視。

 同じく「コスモス」の「会費納入のお願い」が届いたので、月曜日(の昼休み)に早速、振り込まねばならない。

 この3通が、今日に僕へ届いたものである。

2012年5月17日 (木)

山口青邨「雪国」

Cimg6012 角川書店「増補 現代俳句大系」も、第5巻(昭和56年・発行)に入る。

 昭和17年~21年に発行された、13句集を収める。

 写真は、第5巻の箱の表である。

 初めの山口青邨「雪国」を読みおえる。

 原著は、昭和17年、龍星閣・刊。

 650句、「あとがき」を収める。

 「作品解説」に拠ると著者略歴は、第1巻を見なければならない。本の山から掘り出して、埋め戻したのに、今更それはないだろう。

 「雪国」に戻ると、俳壇の激浪の時期に、「ホトトギス」に拠って吟じられた、虚子・選の句が殆どである。中国に寄り、ヨーロッパ、アメリカに2年間、留学していた間の、外国吟が注目される。

 以下に5句を引く。

樽前に日は落ちてゆく花野かな

水仙の花の盞うつ雫

汐騒や妻は昼寝をたのしみて

春雨や江南の乙女機を織る

故伍長蜩鳴けるふるさとに

2012年5月16日 (水)

ミニ薔薇2株(2)

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 この5月12日の記事で紹介した、ミニ薔薇2株の、残りの莟がほとんど全部咲いた。

 左の黄花は、残る2つの莟のうち、1つが咲いた。

 右の赤花は、残り5つの莟、全部が咲いた。

 よい匂いがする。

 剪った花たちは、3つの小花器の中で、余生を楽しむかのようだ。

 また2鉢の株の、育成期だ。

2012年5月15日 (火)

詩誌「果実」66号

Cimg6011 県内にお住まいの詩人・T篤朗さん(発行編集者)が、同人詩誌「果実」66号を送って下さった。

 平成24年3月、果実の会・刊。

 県内の元教師、6人を同人とする。

 Y茂子さんの作品は素直だったが、発表を重ねて、今号の「こころ」では、澄明さを表すようになった。

 N明徳さんの「つながり」が過去と現在の繋がりを描いて、また「ことば」では穏やかな老後を描いて、情趣がある。

 またF則行さん、W本爾さん、K不二夫さん、T篤朗さんのベテランたちも、旺盛な意欲で詩作品を発表している。

 またエッセイと後記では、言葉、詩、短歌、読書等をめぐって、真摯な発言がある。

2012年5月14日 (月)

永井陽子「モーツァルトの電話帳」

 青幻舎「永井陽子全歌集」(2005年・刊)より、4番めの「モーツァルトの電話帳」を読みおえる。この全歌集は、1ページ最多5首で、とても読みやすい。

 原著は、1993年、河出書房新社・刊。

 180首と、エッセイ1編を収める。

 この歌集のユニークさは、1首の頭を50音順に、つまり電話帳と同じ構成の、配列にしている事である。もちろん意識して詠んだのであろう。

 ただし、言葉派≒芸術派的な作品のみではなく、ほぼ同じ時期に老母の介護という、リアル派≒生活派的な作品も創っていて、2年後の歌集「てまり唄」となる。

 「モーツァルトの電話帳」より、6首を引く。

秋の陽をかばんに詰めて帰り来るをとこひとりと暮らすもよけれ

風がリラを鳴らす太古のゆふぐれをおもひて地下の通路抜けたり

縦にむすび横にむすびてまたほどけ雲の遊戯は果てもなかりき

にはとりは昔はもっと小さかったよそして気ままに空を飛んだよ

窓に息吹きかけ月や星や木を描きつつこよひ老いゆくうさぎ

(わら)ひをるあの白雲め天と地のつっかひ棒をはづしてしまへ

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写真は、記事と無関係。

君子蘭の花と思われる。

2012年5月13日 (日)

「耳ぶくろ」

Cimg6001 日本エッセイスト・クラブ編「’83年度版ベスト・エッセイ集 耳ぶくろ」を読みおえる。

 文春文庫、1986年・刊。

 単行本は、1982年に発表されたエッセイより、1983年に初年度のベスト・エッセイ集として、61編の作品を収めて、文藝春秋社より発行された。

 僕はこのシリーズの文庫本を、この初年度より20冊、所蔵している。

 「耳ぶくろ」は僕の予想では、内容だけでなく、しみじみ・ほのぼのした世界かと思っていたが、そうでもなくて、競争意識等があるのか、厳しい世界だった。

 功成り名遂げた人物の人生余談が多い。

 その中で、作家・宮原昭夫氏の「漁師料理の旅」が、のちにテレビでもたくさん取り上げられた「漁師飯」の美味を伝えて、先駆的である。

 もし世の中が、豊かで自由な世界を目指すなら、芸術はそれを先取りするものだろう。

 封建遺制の残った世界など、論外だろう。

 詩人の交わりは、室生犀星「我が愛する詩人の伝記」の、詩友や後輩との交わりを範とすべきで、僕は何回も読み返している。

2012年5月12日 (土)

ミニ薔薇2株

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 台所の窓辺で、2鉢のミニ薔薇が咲いている。

 左の写真の赤花の株は、昨年3月より9月まで咲き続けたもので、冬を越し、強剪定を経て、10ケの莟を付けた。

 今、5輪が咲いている。

 右の写真は、今年1月に買った黄花の株で、2期め(?)の8ケの莟を付けた。

 すでに咲いた2輪を切り、残りより3輪が咲いた。

 この2株の、今年の健闘を願うばかりである。

2012年5月11日 (金)

本より入る

 先日、理髪をしてもらいながら、店主と話をした。

 その中で、「僕はなんでも、本より入る」という僕の話に、彼が反応して、彼は「なんでも手ほどきから入る」と話した。

 あとから考えても、僕は本より入る事が多い。

 高校文芸部に入部して、(今は現代詩作家として名高い)荒川洋治さん、同期のM

晴美さんの前衛的な詩には影響を受けたが、入部しばらくして、小海永二「現代の詩   新しい詩への招待」(三一書房、高校生新書34、1965年・刊)を繰り返し読み、現代詩の方向を見取った。思潮社の現代詩文庫が、今では想像できない程よく売れた時代で、僕も少しだけど買って読んだ(今は生活詩しか書けないけれど)。

 二十歳頃に覚えた囲碁もそうだった。ある年配の方に手ほどきを受けたのだが、その後は「これだけ覚えれば初段」といった本を始め、大学囲碁部の仲間と実戦を重ねながら、囲碁書をよく読んだ。今の日本棋院アマ6段の免状も、ペーパーテストで合格したもので、実戦力はそれ程ない。

 分家後の園芸も、「NHK趣味の園芸 作業12か月」シリーズの「ツバキ・サザンカ」、「ユリ」などの、毎月の作業を学んだりして実践した。

 僕の短歌観は、茂吉・啄木より俵万智まで飛んでいたが、「昭和萬葉集」21巻の作品を読み通して学んだ。作品より学んで、解説書・歌論を疎んじる僕の傾向は、そのあたりより来ているのかも知れない。

 このブログも、解説書を読んで、ミスのあとに、立ち上げ得たものだ。

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写真は、記事と無関係。

ダウンロード・フォト集より。

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