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2013年4月の31件の記事

2013年4月11日 (木)

富安風生「村住」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第6巻(昭和56年・刊)より、9番めの句集、富安風生「村住」を読みおえる。

 原著は、昭和22年、七曜出版社・刊。260句。

 今年3月28日の記事(←リンクあり)、高野素十「初烏」に続く紹介である。

 富安風生(1885~1979)は、秋桜子、山本健吉と共に、この「大系」の監修者である。

 昭和15年結成の日本俳句作家協会は、会長・虚子、常任理事に小野蕪子・富安風生・中塚一碧楼、理事に水原秋桜子・他5名であった。

 また昭和17年には発展的解消をして、日本文学報国会・俳句部会となった。部長・虚子、部長代理・秋桜子、幹事長・風生、以下であった。

 また山本健吉は戦前に、人間探求派を唱導した。(いずれも、同「大系」解説に拠る)。

 また三省堂「現代俳句大事典」(2005年・刊)の、「戦争責任論争」の項に拠れば、上記役員らの戦争責任が追及されたが、「倫理的問題の追及、深化が見られないまま終息した。」とある。

 この「大系」の句集選択に僕が違和感を感じるのは、それらの傾向に拠るのだろう。未読句集は多いけれども。

 この句集にも、時代と照らし合わせると、戦争吟とわかる句がある。36年経っても、人は忘れていなかっただろう。

 以下に5句を引く。

くつろげる膝をくずさず老涼し

枯菊を剪るうす埃あがりけり

子供鍬老に適ひて草削る

春潮を見る頬杖を岩につき

泣き初めは四人の姪のどの子にて



 

 

2013年4月10日 (水)

浅野美紀「嫩葉」

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 浅野美紀さんの第1歌集、「嫩葉(わかば)」を読みおえる。

 2007年、砂子屋書房・刊。

 彼女は「未来」会員。

 歌集は、近藤芳美氏への挽歌、「沙羅の花」1連16首より始まる。

 子供が幼い時代から、下宿して家を出る頃まで、妻・母の立場に安住できない心情を歌に仕立ててきたようだ。

 また短歌に写実ではなく、芸術性を求めているようで、詩性を強く感じさせる作品が多い。

 以下に7首を引く。

青い薔薇誰に向かって咲いている初雪の便り届く日暮れに

再会の切なき夜に薄墨の桜散りゆく帰れなき時

雨の前の重き空気をまといつつ夕暮れに煮る無花果のジャム

茸飯炊きあがるころ夕映えて枯れ芝に子はボールを蹴りぬ

桃の香の流るる部屋に長く居る無口な子との満月の夜

柿の葉の玉虫色に輝くを君と見ており冬のはじめに

ついさっき魚をさばいた指先で君のメールに返信をせり

2013年4月 9日 (火)

詩誌「水脈」47号

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 「福井詩人会議 水脈」より、「群青の会」宛てに、詩誌「水脈」47号が送られてきた。

 2013年4月30日・発行。

 昨年10月8日の記事で、同46号を紹介して以来である。

 K仙一さんの「明日」を含む4編が、壮士風の詩から、繊細な詩に帰って、僕の歓迎する所である。

 M祐子さん「新聞配達のある日 2」、T香代子さん「ケアハウスのギャル」、I冴子さん「その時を」、I信夫さん「妻の中の佐代子」など、人間心理を描いて、僕は感興深く読んだ。

 他に講演記録、K通夫さんの書評、I信夫さんの「あとがきにかえて」などが重厚である。

2013年4月 8日 (月)

詩誌「ココア共和国」vol.12

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 仙台市にお住まいの詩人・A亜綺羅さんが、季刊個人詩誌「ココア共和国」vol.12を送って下さった。

 2013年4月、(株)あきは書館・発行。

 招待詩人4名の詩・4編。A亜綺羅さんの詩が4編。

 「ブログ ココア共和国(アーカイブ)」は、彼のブログとそのコメントを、あえて大震災以前のものより掲載して、19ページ。

 高度なレトリックを用いた現代詩よりも、生活の中の1コマを捉えた短歌に、衝迫を感じるのは、時代でもあり、僕の年齢ゆえでもあろう。

 これまでの字の大きさでは、自分でも読みにくくなったので、これからは「最大」の字で書いてゆきたい。

2013年4月 7日 (日)

椿4種

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 庭で咲いている椿の花、4種を紹介する。

 左上の写真は、昔は白花で「玉」という字が付いていた記憶があるので、「玉吹雪」が赤花ばかりになったものか。曖昧ではあるけれど。

 右上の写真は、「春の台(うてな)」という品種である。

 左下の写真は、ピンクの八重大輪花である。洋種椿だけれど、品種不明。

 右下の写真は、白花一重。品種不明。雄蕊も観賞対象だろう。

 写真をクリックすれば、拡大して見る事ができる。

 庭植えと軒下の鉢植えに、まだ莟の椿が何種類かあるので、咲いたならここで紹介する。

2013年4月 6日 (土)

鈴江幸太郎「白夜」

 初音書房「鈴江幸太郎全歌集」(昭和56年・刊)より、3番めの歌集「白夜」を読みおえる。

 原著は、昭和24年、高槻発行所・刊、594首。

 鈴江幸太郎(1900~1981)が、のちの昭和28年に創刊・主宰した歌誌「林泉」の今がわからなくて、三省堂「現代短歌大事典」(2004年・刊)や角川「短歌年鑑2005年版」を調べても、載っていない。

 しかしYahoo!で検索すると、「林泉短歌会」のホームページ(←リンクしてある)があり、月刊誌の発行など、活発に活動している。指導者の1部が、「新アララギ」の指導者と重なり、「新アララギ」系の地方誌と見て良いようだ。

 「白夜」では、敗戦前後の困難な時期の、喜憂が詠まれている。

 以下に6首を引く。

うちひびく川瀬の音にゆらゆらと螢火くだりその影も映ゆ

焼けあとのここにしろじろと浄き灰書物(しよもつ)の灰にわれはかがみぬ

清きもの戀ふるおもひに出でて來つ雪の散りくる川面(かはも)に飽かず

焼けしもの我の言はねば妻子らも我のまへにはいはぬにやあらむ

樹々のなか出でて明るきひろ池の丘の日向(ひなた)に山吹さきぬ

草のごと小さき檜苗(ひなへ)がかぎりなく吹かれてゐたりうす紅(くれなゐ)

Photo
写真素材集サイト「足成」より、白木蓮の1枚。

季節に合わせて。

2013年4月 5日 (金)

木蓮類3種

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 木蓮類3種の花を紹介する。

 左上の写真は、木蓮科の、赤花姫辛夷の花である。今年は大輪に咲いた。コンデジ「PENTAX Optio VS20」の望遠が効いている。

 右上の写真は、ピンク花木蓮である。実際は薄赤い花である。

 左下の写真は、赤花木蓮である。

 今年の白木蓮の花は、3月26日の記事の内に載せた。

 あと、黄木蓮と紫木蓮(普通種)の花が咲けば、ここで紹介する。

2013年4月 4日 (木)

ブログ、7年めへ

 昨日で、このブログを開設してより6年がすぎ、今日より7年めへ入る。

 以下、データを記す。

・2007年4月4日、ブログ「サスケの本棚」を開設。

・記事更新、1,864件め。

・コメント、620件。

・トラックバック、4件。

・アップした写真、2,034枚。

・リンク集内、10件。

・2008年10月初め頃、3カウンター(アクセス・カウンター)再設置。

・無料アクセス解析ツール、導入。

・「人気ブログランキング」の「本・書籍」カテゴリに参加中。

・「日本ブログ村」の「読書日記」カテゴリに参加中。

 なお去年4月4日の記事は、「ブログ、6年めへ」である。これからも拙くも粘り強く歩み続けたい。

Photo
写真素材集サイト「足成」より、桜花の1枚。

季節に合わせて。

2013年4月 3日 (水)

「歌壇」4月号

Cimg6873 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)の、2013年4月号を読みおえる。

 ただし散文で、読まなかった作も多い。

 先の3月18日の記事に、当誌の購入と、「コスモス」4月号の到着を、報せてある。

 柏崎驍二氏の「うたを磨く」が始まった。「第一回 形式を守る」である。応募作品の添削と解説、というスタイルである。

 氏の指摘するもう1つの問題、若い歌人(歌会に出席するような)の少ない点をも、論じてほしかった。切実な問題だから。

 特集は、「前登志夫没後五年――遥かなるコスモロジー」で、多くの歌人が寄稿している。彼の全歌集が出版されたという情報は、僕には入っていない。

 付箋を貼った1首がある。「巻頭作品二十首」より、沖ななもさんの「翼もつもの」の、下記の作品である。

戦争を知らざるは幸 戦争をおこさぬは賢 師走八日の

 師走8日は、太平洋戦争の勃発した日である。反戦を謳うのに、勇気が要る今となった。

2013年4月 2日 (火)

桜トンネル

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 今日火曜日(僕の指定休日)の11時頃、好天だったので、足羽川堤防の花見をした。桜の花は盛りだが、平日の昼なので、花見客は多くなかった。

 写真7枚、短歌5首を得る。「棧橋」参加時代は、花見だけで12首連作1編を詠んだものだが。

 掲載写真の左側は、堤防の桜花のトンネルである。堤防道の左右に桜が植えられて、花どきにはトンネルとなる。

 右上の写真は、河原に下りて、見上げる桜を撮ったもの。

 右下の写真は、河原の芝生に並ぶ露店である。僕は焼鳥と缶コーヒーで、花見の出来ることを、ひとり祝った。

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