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2014年6月の31件の記事

2014年6月30日 (月)

永田耕衣「驢鳴集」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第8巻(1981年・刊)より、15番めの句集、永田耕衣「驢鳴集(ろめいしゅう)」を読みおえる。

 今月22日の記事(←リンクしてある)、飯田蛇笏「雪峡」に継ぐ。

 原著は、1952年、播磨俳句会・刊。547句。

 永田耕衣(ながた・こうい、1900年~1997年)の第3句集となる。

 根源俳句を唱道し、論、作に実践した。

 戦後の前衛俳句の1つであろうが、今となっては伝統との総合性の句が、好ましいと僕は考える。

 以下に5句を引く。

冬の沼遠し遠しと猫行くや

寒雀母死なしむること残る

老の身にぱつぱつといなびかりする

木槿たる証拠の花よ月日長し

いづかたも息子の代(よ)らし揚羽蝶

Photo「フリー素材タウン」より、アジサイの1枚。

2014年6月29日 (日)

広部英一・単行詩集未収録詩篇(1)

 思潮社「広部英一全詩集」(2013年10月・刊)より、「単行詩集未収録詩篇」の、「沈黙の散策」(1953年・発表)より「星」(1962年・発表)に至る、44編の詩を読みおえる。

 先月6日の記事(←リンクしてある)、広部英一「『畝間』以後」、に続き、ようやく記事アップする。

 初期の詩には、モダニズム風の作品もある。

 「疲れてはいないの」以後の詩に、「おまえ」と呼びかける恋人との関わりを描く、作品がある。モデルの詮索はしない。

 広部さんは、コンセプト色のつよい詩集を刊行したからか、多くの詩集未収録詩篇がある。

Photo「フリー素材タウン」より、夕日の1枚。

2014年6月28日 (土)

八重アマリリス

Imgp0612 軒下の鉢で、白花の八重アマリリスが、2輪咲いた。

 一時に2輪が咲くのは珍しい。1輪が咲き、それを手折ってから、次の莟が咲く、という事が多かった。

 この球根は初め、20年以上も前、富山県砺波市のチューリップフェアを観に入った時に、花済みのものを買った。

 温室を使っていた頃は、球根が増えもしたが、今はそれもない。ただしよく生き延びている。

2014年6月27日 (金)

「ハイドン作品集(78)」

Cimg7777 BRILLIANT CLASSICS版の「ハイドン作品集(CD全150枚)」より、「ウィリアム・ネイピアーのためのスコットランド民謡集(5)」を聴きおえる。

 今年5月20日の記事(←リンクしてある)、「ウェールズ民謡集(2)」に継ぐ。

 ウィーンの古典派作曲家、ハイドン(1732年~1809年)は晩年、依頼されてウェールズやスコットランドの民謡を編曲したようである。

 今回は、「スコットランド民謡集」のしまいで、25曲、総60分余の収録になっている。

 民謡は朗らかに、ときに哀調を帯びて、歌われる。

2014年6月26日 (木)

「歌壇」7月号

Cimg7772 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2014年7月号を読みおえる。

 散文では1部、読まなかったものもある。

 「巻頭作品二十首」4氏では、福島泰樹「光の雨 わが亡友録」に惹かれた。世代が近いせいだろうか。

 特集「大野誠夫生誕百年、没後三十年」は、執筆者が皆、誠実だった。全歌集の実費販売(作風社)の広告を、いきなり出されても(163ページ左下)、先着40冊でもあり、僕は申し込めなかった。

 特別企画「夏の風物を詠んだ歌」の、7編も爽やかな作品が多く選ばれている。

 吉川宏志「谷の花」50首では、震災・原発事故、戦争への危惧なども詠まれて、社会と対峙している。

2014年6月25日 (水)

浅野美紀「木犀の道」

Cimg7769 浅野美紀さんの第2歌集、「木犀の道」を読みおえる。

 2011年9月、砂子屋書房・刊。

 管理画面で記事検索した所、彼女の第1歌集「嫩葉」を読んでいた。2013年4月10日の記事(←リンクしてある)にアップしてある。

 彼女は、「未来」会員、ただしこの歌集の短歌は、無選で掲載されたもの。

 想像の(と推測される)恋歌や、レトリックの勝った歌もある。

 子供さん(一人息子?)が、社会人として巣立ったことは喜ばしい。

 以下に6首を引く。

まどろめば窓辺はいつか夕映えて青林檎ひとつ照らされている

新涼の雲の動きを映しつつカップの紅茶冷めてゆくとき

夫と子にバレンタインのケーキ焼くキッチンの窓粉雪舞う日に

若葉揺れる五月を歩む君を待つ光と影のいくつの扉

明けがたの激しい雨に目を覚ます水底に潜む魚の気分で

気象台の標準木のかえでの葉色付かぬまま立冬となる

2014年6月24日 (火)

詩誌「群青」第30号

Cimg7765 編集役をしている同人詩誌「群青」第30号が出来上がったので、6月17日(火曜日)に「宮本印刷」へ行き、100部を受け取った。

 消費税増税分だけ代金が高くなっていた。

 6月20日(金曜日)に、同人3人が喫茶店に集まって、詩誌・同人費の受け渡しをした。

 今日23日(月曜日)の午後、担当分の57通を封入し、郵便局より発送した。

 詩は、こぐま星座さん「ブレークダンスの猫」、僕のソネット「頻脈」、AUさんの「ロード」、3編。エッセイは、こぐま星座さんの「はたして君はただのエロおやじなのか?」(1ページ)。

 30号記念であり、年3回発行の10周年記念だが、対外的な催しは持たない。例によって合本を作るので、出来上がったら内輪3人で、ささやかに祝おうと話し合っている。

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2014年6月23日 (月)

歌誌「コスモス」7月号

 結社歌誌「コスモス」2014年7月号の、いつもの所を読みおえる。

 初めより「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」、他。

 巻末に近い「選者小言」(「せんじゃ・しょうげん」と読む)を素直に読めた。

 僕が付箋を貼ったのは、「その一集」特選欄の三重県、T・寿真子さんの次の1首(33ページ下段)。

十一の兄の怒りのツボに触る九歳の妹の「上から目線」

 そう、男の心の広野には若干個数の地雷が埋まっていて、それに触れると大変な事になる。

Photoフリー素材サイト「足成」より、サクランボの1枚。

 

 

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2014年6月22日 (日)

飯田蛇笏「雪峽」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第8巻(1981年・刊)より、14番めの句集、飯田蛇笏「雪峽(せっきょう)」を読みおえる。

 1951年、創元社・刊。1947年~1951年の539句を収める。

 飯田蛇笏(いいだ・だこつ、1885年~1962年、「雲母」主宰)の第7句集にあたる。

 敗戦前に父母・次男を亡くし、1947年に長男の戦死の公報、1948年に3男の戦病死の公報を受けたが、彼は句上で乱れを見せなかったものの、ぽつりと「雁仰ぐなみだごころをたれかしる」の句を洩らした。

 地味な句の滋味もわかるように思うけれども、もう少し現代性がほしいと、門外漢の僕は思う。

 以下に5句を引く。

なまなまと白紙の遺髪秋の風

はたをりのとぶとみるよりなほあがる

街凍ててこころおごらず靴の音

老顔の倦むをしらざるひなたぼこ

森鬱とゆくてにちかむ炎暑かな


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2014年6月21日 (土)

記事更新、2300回め

 この記事で、このブログの2300回めの、記事更新となる。

 1日に2回更新して、今回へ持って来たのは、待ちきれないからではなく、他の記事が待っているからである。

 2000回めの更新が、2013年8月17日の記事(←リンクしてある)なので、ほぼ10ヶ月で300回の更新となる。

 以下に摘要を記す。

・2007年4月4日、ブログ「サスケの本棚」を開設。

・コメント、642件。

・トラックバック、4件。

・アップした写真、2626枚。

・リンク集内、8件。

・2008年10月初め頃、3カウンター(アクセス・カウンター)設置。

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