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2015年8月の27件の記事

2015年8月 7日 (金)

「村上さんのところ」(5)

 村上春樹「村上さんのところ コンプリート版」(Amazonのkindle本、新潮社・版)の、その(5)である。

 今月3日の記事(←リンクしてある)、同(4)に継ぐ。

 村上春樹が、読者の質問・相談に答える形だが、悪ふざけ(彼のいう「ゆるい冗談」)が多く、呆れる場合もある。

 読者の苦情には、「これまでも交流サイトは、こういうスタイルでやっている」と答えている。この系の本を、初めて1800円も使って買った僕は、どうなるのだ。

 彼も1部、修正しているようだし、まれに名言があり、本を途中で投げ出すのが嫌だから、読み続けている。全体の18%を読みおえた。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、朝顔の1枚をトリミングして。

2015年8月 6日 (木)

干刈あがた「ウホッホ探検隊」

Cimg8510 干刈あがたの小説集、「ウホッホ探検隊」を読みおえる。

 福武文庫、1986年2刷。

 彼女の小説集は、先の7月17日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「ゆっくり東京女子マラソン」以来である。

 この本には、「ウホッホ探検隊」、「プラネタリウム」、「雲とブラウス」、「幾何学街の四日月」、4編を収める。

 「ウホッホ探検隊」と「プラネタリウム」は、離婚した母親が、二人兄弟の子とともに、まっとうに生きようとする物語である。気を張り詰め過ぎて、時に神経症的になるくらいである。

 この離婚家庭の理想を追い求める根源には、学生時代にユートピアを追い求めた、尾を引きずっているのだろうか。

 このように良い人たらんとする姿勢は、長続きさせられなかったのか、干刈あがたは1992年に49歳で亡くなっている。

 あとの2編を含め読みたい方は、本を買うなり借りるなりして、読まれたい。

 なお写真は、文庫本の表紙である。

2015年8月 5日 (水)

「歌壇」8月号・読了

Cimg8500 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2015年8月号を読みおえる。

 散文では1部、読まなかったものもある。

 先の7月19日の記事(←リンクしてある)で、入手を報せている。

 「コスモス」の歌人では、巻頭20首に高野公彦「時と<時>」、特別作品30首に宮里信輝「カレードスコープ」、時評に鈴木竹志「短歌史を紡ぐ役割」2ページと、高い力量を示している。

 なお、この「歌壇」誌の方向性だけれど、6月号の特集「戦後七十年、沖縄の歌」でスローガン性の高い歌を載せたり、今号の特集「戦後七十年、被爆と被曝を考える」では原子爆弾攻撃と原発事故を同様視する論調の文章を載せたり、1部の歌人を煽っているように見える。

 売上げ部数を伸ばしたいのだろう。風向きが変わると、編集長(今号より発行人を兼ねる)の首をすげ替えて、出版社に傷は残さない、というのがジャーナリズムの手法である。

 1号ずつ買って、次号を買わない権利を保留してきたので、考えざるを得ない。

2015年8月 4日 (火)

「その一集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年8月号の、「その一集」通常欄を読みおえる。

 7月26日の記事で、「同」8月号の「COSMOS集」読了を報せて以来である。

 この「その一集」通常欄は、任務的な読み方をした。「『コスモス』歌人の吹き溜まり」などと揶揄されるけれども、鬱勃たる熱気を感じる。

 付箋を貼ったのは、H・貞子さんの次の1首。

里人の仕事場として栄えたるこのゴルフ場に人影はなし

 ゴルフ場には、そういう価値もあったんだ、と知らされる。時代の移り変わりである。

Photo

フリー素材サイト「Pixabay」よりの朝顔の1枚を、トリミングして。

2015年8月 3日 (月)

「村上さんのところ」(4)

 村上春樹「村上さんのところ コンプリート版」(Amazonのkindleより、新潮社・版)の、その(4)である。先の7月31日の、同(3)に継ぐ。

 僕は村上春樹が「ノルウェイの森」で大ブレイクする以前より、「風の歌を聴け」(講談社文庫)、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(何の本だったか)等を読んでいた事が、自慢だった。

 しかしサイト「村上さんのところ」(2015年1月15日~1月31日・受付、4月末までかかって解答)の寄文者には、講談社「群像」1979年6月号で、「風の歌を聴け」(初出)を読んで以来の愛読者、という猛者(もさ)がいて、僕の負けである。

 なお村上春樹は電子書籍(僕は肯定派である)をめぐって、次のように述べる。「この何年かで出版事情は大きく変わると思いますよ。その流れを今は静観している状態です。もうちょっと待ってください。」

Photo「フリー素材タウン」より、蓮の花の1枚。

 

2015年8月 2日 (日)

奥華子「うたかた」

Cimg8506 先日にAmazonマーケットプレイスで買った、奥華子の5thアルバム、「うたかた」を2回めに聴いた。

 先の7月18日の記事(←リンクしてある)で紹介した、4thアルバム「BIRTHDAY」に継ぐ。

 この暑さで空調のない応接間では聴けず、パソコンで演奏させて、冷房をかけて聴いた。

 2曲めの「初恋」、3曲目の「フェイク」は、ディープである。

 失った恋を唄う「逢いたいときに逢えない」、「トランプ」も深刻である。

 ポジティブな「木洩れ日の中で」、「虹の見える明日へ」は信じがたい。

 12曲めの「春夏秋冬」が、「夢に破れる日もあるでしょう」「大切な言葉を今届けよう」と唄って、しみじみした応援歌である。

 帯・付属品・付き。全14曲。

 

2015年8月 1日 (土)

上村占魚「かのえさる」

 沖積舎「上村占魚全句集」(1991年・刊)より、第9句集「かのえさる」を読みおえる。

 今年6月26日の記事(←リンクしてある)、「天上の宴」に継ぐ。

 原著は、1984年、舷燈社・刊。606句。

 題名は、還暦を迎えたので、その干支より。

 戦後の「第二芸術論」等に対し、社会性俳句、根源俳句、前衛俳句等の潮が大きかった時代に、彼は写生徹底を貫いた。

 以下に5句を引く。毎年1句、春夏秋冬新年の1句を、選んだ積りである。

そだちよき海雲(もづく)に海の色かはる

瑠璃鶲空のふかみへきざみ鳴く

浮き沈む毱藻(まりも)にも秋ふかみつつ

飲みかけの湯呑の中の冬日かな

皺ふかき梅干(うめぼし)沈む福茶かな

Photo

「フリー素材タウン」より、蓮の花の1枚。

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