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2016年8月の30件の記事

2016年8月11日 (木)

加藤楸邨「山脈」

 角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、16番めの句集、加藤楸邨「山脈」を読みおえる。

 先行する、栗山純夫「科野路」は、この8月2日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 「山脈(さんみゃく)」は、1955年、書肆ユリイカ・刊。487句。

 加藤楸邨(かとう・しゅうそん、1905年~1993年)の第9句集、戦後・第3句集になる。

 敗戦後の戦争責任・追及が過ぎ、肋膜炎が回復期に入り、著者あとがきで「私はもう一度振出しに戻って歩き始めてゐる感じだ。」と述べている。

 以下に5句を引く。

水のむと片目つぶれば十三夜

黄金虫灯に酔ひ兜虫は攀づ

鉛筆で指さす露の山脈を

春嶺の脈うつを蹴り起きあがる

黴干すや売りしか焼きしか書乏し

Photo「フリー素材タウン」より、ひまわりの1枚。

2016年8月 9日 (火)

「ヴィヴァルディ作品集」より(5)

Cimg8958 BRILLIANT CLASSICS版の「ヴィヴァルディ作品集」(全66CD)より、5回めの紹介をする。

 4回めの紹介は、今年5月9日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 Windows Media Playerのネットラジオやアマゾンの定額配信が便利なので、音楽CDを聴く機会が遠のいていた。

 今回は19枚めで、ヴァイオリン協奏曲3曲、弦楽のための協奏曲1曲を収めている(ウィキペディアに拠る)。パソコンにかけて、2度聴いた。

 貴族のモチベーション、舞踏性(舞踏曲でなくても)を感じる。

 短調の曲に惹かれるのは、東洋的悲哀だろうか。総54分余。

2016年8月 8日 (月)

支部8月歌会

Cimg8954 昨日(8月7日、第1日曜日)午後1時より、某館の1室で、「コスモス短歌会」F支部の8月歌会が持たれた。

 6月、7月と、僕は事情のため欠席したので、3ヶ月ぶりの参加である。

 事前1首出詠・9名(T・加寿美さんの逝去により、1名減)、当日参加者・5名。

 U支部長の司会で、出詠1首ずつに2名が批評を述べ、支部長の講評と添削例提示で会は進んだ。

 僕の1首は、1ヶ所の1字空きと1ヶ所の助動詞変更を提示された。

 途中休憩を挟んで、3時くらいに会が済み、跡始末などをして、3時20分くらいに散会した。

2016年8月 7日 (日)

石田衣良「池袋ウエストゲートパーク」

Cimg8951 石田衣良(いしだ・いら)の小説集、「池袋ウエストゲートパーク」を読みおえる。

 文春文庫、2003年・12刷。

 僕は彼の小説4冊、「約束」「波のうえの魔術師」「40」「アキハバラ@DEEP」を読んで、ブログにアップして来た。直近の「アキハバラ@DEEP」は、今年5月12日付けの記事(←リンクしてある)にアップした。

 「池袋ウエストゲートパーク」は、石田衣良のデビュー作である。「池袋ウエストゲートパーク」「エキサイタブルボーイ」「オアシスの恋人」「サンシャイン通り内戦(シヴィルウォー)」の4編連作である。

 家業の果物店の手伝いをする、マサ(18歳~19歳?)が主人公となって、殺人事件、麻薬取引、対立する青少年グループの抗争終結、などに関わって行く。

 美しいヒロインも登場する、バイオレンスのフィクションであり、ストレスのカタルシスを誘う。

 IWGP(池袋ウエストゲートパーク)シリーズとして、既に10冊(僕が知る所)の小説が本になっている。

2016年8月 6日 (土)

竹山広「眠つてよいか」

 ながらみ書房「定本 竹山広全歌集」(2014年・刊)より、第9歌集「眠つてよいか」を読みおえる。

 第8歌集「空の空」は、先の7月27日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 「眠つてよいか」は、2008年、ながらみ書房・刊。347首。

 「あとがき」には、「前歌集『空の空』を出してまもなく、脳に出血があり、さらに二ヶ月後、再出血という事態を招き、行動の自由を奪われてしまった。」と述べる。

 家うちを歩く事は出来たが、ひとりでの外出は適わなかったようだ。

 全歌集は、あと遺歌集「地の世」を残すのみである。

 以下に7首を引く。

一年に一、二度むすぶネクタイを結びをり渡世円満のため

樹樹の葉を濡らすだけでも降らぬよりましよと雨の肩をもつ妻

三階のエレベーターが一階に降りきて三階に昇りくれたり

幹だけにされて旱天に突つたてり憤怒の棒のやうなる楓

死ぬときは死ぬとかならず言つてよと泣きゆきし妻しづかになりぬ

十五歩の廊下を十たび行き戻りして昼まへのリハビリ終る

診らるるはわがしわしわの躰にて大事なことはみな妻がきく

Photo「フリー素材タウン」より、ひまわりの1枚。

2016年8月 5日 (金)

「国立民族学博物館」

Cimg8946 講談社「世界の博物館」(全23巻)より、第22巻「国立民族学博物館」(1989年・4刷)を見おえる。

 178ページ、写真418枚(カラー、モノクロをまじえ)。

 先行する「故宮博物院」は、先の7月6日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 この巻は、大阪万博記念公園に、1977年に建てられた、「国立民族学博物館」を紹介する。

 世界の多様な民族文化を集めた、とされる。1国、1地方の民俗を研究・展示するのさえ大変なのに、世界から集めて、不慣れな僕には、集中できない。

 1冊の本にまとめる事が、無理なのかも知れない。

 なお、最終・第23巻「世界の博物館事典」は、紹介しきれなかった博物館(写真が小さい)と、事典で、改めて紹介しない。

 全23巻を、お粗末ながら、見学できた。

2016年8月 4日 (木)

ローカル路線バス乗り継ぎの旅 シーズン1 エピソード4

 8月2日の夜、AmazonのPrime Videoで、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 シーズン1 エピソード4」を観た。

 前回のエピソード3は、先の7月9日付け記事(←リンクしてある)にアップした。

 リーダー・太川陽介、相棒・蛭子能収、マドンナ・遠藤久美子。

 路線バスを乗り継いで、徳島より時計回りに四国を巡って鳴門まで、3泊4日で行こうとする計画である。

 結果から言うと、目的地近くまで行きながら、路線バスが途絶え、計画は不成功だった。初日に16キロ4時間歩いた事、5分違いで乗り継ぎのバスが出た後という場合が2回あった事が、響いたか。

 Prime Videoには、シーズン1しかなく、しかもエピソード4が最終なので、今の所ではこのシリーズの最終である。

 シーズン2のアップを望みたい。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、ダリアの1枚。

2016年8月 3日 (水)

橘曙覧「松籟艸」

 kindle本「橘曙覧全歌集」より、第1集「松籟艸」をタブレットで読みおえる。

 全歌集の購入は、今年4月21日の記事(←リンクしてある)にアップした。補遺を含めて、6集を収める。

 当時には珍しく、庶民生活を描いた作品が多い。江戸、京都へのぼる知人を送る歌が、羨ましそうである。

 知遇を得て、銀山を描いた、大きな連作がある。

 4首を手帳に写したので、以下に引く。

はふ児にてわかれまつりし身のうさは面だに母を知らぬなりけり

いなごまろうるさく出でてとぶ秋のひよりよろこび人豆を打つ

よればよりかへればかへり夕波のさわぎにつるる川千鳥かな

武蔵野のはてなく待たせわびさすな老いませる父いはけなき児に

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、ダリアの1枚。

2016年8月 2日 (火)

栗生純夫「科野路」

 角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、15番めの句集、栗生純夫「科野路(しなのじ)」を読みおえる。

 先行する原子公平「浚渫船」は、今年6月8日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 原著は、1955年、長谷川書房・刊。536句。

 1945年~1955年の句を収め、敗戦を区切りにしたのは潔い。

 ただし「科野路」は、栗生純夫(くりゅう・すみお、1904年~1961年)の第5句集であり、敗戦までの句を「山路笛」(1946年、信濃郷土誌出版社)にまとめられる、自身と周囲の状況が、あったからの事である。

 根源俳句、社会性俳句の盛んな中で、穏やかな句風は、今となって価値が高い。

 以下に5句を引く。

鷹の嘴朽枝光らせ巣を工む

刃のあとを粗くのこして橇つくり

木の蛙もつとも高き辺に喚べり

減り減りしきやうだいすするとろろ汁

颱風の山野眼鏡の枠にあふれ

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、ダリアの1枚。

2016年8月 1日 (月)

「トラークル全集 Ⅷ 書簡」(3)

 青土社「トラークル全集」(1987年・刊)より、「 Ⅷ 書簡」の、3回めの紹介をする。

 同(2)は、先の7月25日付け記事(←リンクしてある)にアップした。

 前回に続き、書簡番号101~145(最終)の、45通を読む。

 日付の確認できているのは、138番までである。巻末の略伝に拠り、事情がわかっているので、逼迫ぶりが感じられる。

 トラークルは第1次世界大戦に、衛生部隊の薬剤師見習いとして従軍し、野戦病院で患者として、コカインの飲み過ぎ、という自殺とも見られる死を遂げた(27歳)。

 「呪われた詩人」の死であり、旧世界の死を体現していた。

 これでこの、1009ページ(書誌を除く)にわたる全集を、読みおえた。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、ダリアの1枚。

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