カテゴリ「小説」の116件の記事 Feed

2012年4月23日 (月)

歌誌と小説

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 先日、書店「KaBoS Wasse店」へ行き、2冊を買った。

 歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2012年5月号は、創刊300号である。

 高野公彦氏の特別作品百首「ひとり道」が載る。

 また小島ゆかり氏の岡野弘彦氏への連続インタビューも始まった。

 小川洋子の小説「シュガータイム」は、中公文庫、2011年15刷。

 彼女の小説は「博士の愛した数式」を読んだ(2011年5月17日の記事に、からめの感想あり)。

 「シュガータイム」は純な恋物語のようで、「汚れつちまつた悲しみ(中原中也の詩より)」を感じるオジサンには、惹かれるものがある。

2012年4月16日 (月)

堀田善衛「若き日の詩人たちの肖像」

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 堀田善衛(1918~1998)の小説「若き日の詩人たちの肖像」を読みおえる。

 集英社文庫・上下巻、1977年・刊。

 戦後「荒地」に集まる詩人たちの戦時下の様子を知られるかと読み始めたが、実は自伝的小説だった。

 芸術方面は左翼から、のちの「荒地」グループに、芥川比呂志らのハイブラウ・グループまで。

 付き合いは「宮様」から潜伏左翼まで。

 読書はレーニンから平田篤胤まで。

 上記のように、巾の広い人である。

 上京して大学に入学してより、繰り上げ卒業で召集令状が来るまで、軍国主義でも右翼でもなかった青年の、暗い時代での彷徨が描かれる。

2012年3月 4日 (日)

古井由吉「山躁賦」

Cimg5724 古井由吉(ふるい・よしきち)の小説「山躁賦」を、Amazon内のマーケットプレイス「(株)バリューブックス」より買う。

 集英社文庫、昭和62年・刊。

 新しい本では、講談社文芸文庫・版(古書を含め)もあるが高価なので、古い集英社文庫を買った。

 さらにその古本の一覧に、「コンディション良い コメント―カバーに汚れがあります。カバーに日焼けがあります。…。698円(送料含む)」のこの本と、〇〇店の「コンディション可 コメント―初版カバー。750円(同)」があって迷ったが、前者の「コンディション良い」に賭けてみた。

 以前にも経験があるが、本の状態について出品者は過敏である。購入者の評価が返されて公表されるので、信用を得たい店は、過大に書くのである。今回も、困るような点はなかった。

 これで彼の小説(未読)は、この本に「槿」「辻」を加え、3冊となった。

 拙作を1首。

蔵書はも負債の如し返済は一冊づつを読み了ふること

    「コスモス」2009年6月号より

2012年2月25日 (土)

森瑤子「夜光虫」

Cimg5705 森瑤子の小説、「夜光虫」を読みおえる。

 集英社文庫、1989年・5刷。

 森瑤子(1940~1993、享年・52、胃癌による)は、37歳で「情事」でデビュー、流行作家となった。

 没年と同年に、集英社より「自選全集」が出て、そのあと全集は出ていない。

 生前の頃に、僕も彼女の小説、エッセイを文庫本で、たくさん読んだ。

 「夜光虫」は、読まないまま放っておいた文庫本を、蔵書データベースに入力するために出してきて、全部を読んでしまった。

 肉感的な比喩など、なつかしい文体だった。

 内容は、私事を膨らませたというより、フィクションと思うほうが良いのだろう。

2012年2月22日 (水)

パヴェーゼ「流刑」

Cimg5699 先日、岩波書店のホームページのうち、岩波文庫・新刊のコーナーに、パヴェーゼ「流刑」を見つけた。

 簡単でお得な方法の1つ、「楽天ブックス」に注文して、届けてもらった。

 パヴエーゼ(1908~1950)はイタリアの作家で、訳者の河島英昭はイタリア文学の名訳者である。

 パヴエーゼは、ポール・ニザンと共に、1970年前後の、新左翼青年に人気のあった作家、と記憶している。

 最近また評価が高まったのか、岩波書店より「パヴェーゼ文学集成」(全6巻)が出ている。

 岩波文庫で彼の小説「故郷」(2003年・刊)と、「集英社 世界の文学 14 パヴェーゼ」(1976年・刊)が、僕の手許にある。

2012年2月 1日 (水)

古井由吉「辻」

Cimg5643 Amazon内のマーケットプレイス「ゆめみてい」より、古井由吉の連作短編小説集「辻」が届く。

 Amazonの「本」ジャンルを、「古井由吉」で検索していると、1円で出ていたので、早速買った。本は送料が1律250円なので、実際の送料との差で、店は利益を得るらしい。

 注文確認のメールが来て、驚いた。店のコメントに、「天部、見開き、底部にすこし汚れあり。使用感あり」とある。

 たしかにネットのコメントにそう書いてあったのを僕が見過ごしたのだろうが、「コンディション 良い」(非常に良い、良い、可、の3段階がある)とあって、それはないだろうとも思う。

 実際に本が届いて確かめると、汚れや使用感は感じないもので、読むに良い本だった。帯もある。

 僕が買う本は、単行本は少ないのだが、古井由吉の小説には文庫本になっていない作品が多く、文庫本の古本も高価だから、つい手が出てしまった。

 

2012年1月15日 (日)

J・アーヴィング「サーカスの息子」上巻

Cimg5609 ジョン・アーヴィングの小説、「サーカスの息子」上下巻より、上巻を読みおえる。

 新潮文庫、2008年・刊。

 この前に読んだ彼の小説、「第四の手」(新潮文庫、上下巻)の紹介が、2011年9月3日の記事にある。

 また「サーカスの息子」は、「第四の手」よりも古い作らしく(少なくとも、新潮文庫の刊行順では)、購入の報告が2009年1月17日の記事にある。

 主人公ファルーク・ダルワラ(インド人でカナダ在住の整形外科医)がインドを訪れた時、インド映画の覆面脚本家でもある彼に関わる連続殺人事件が起き、(犯人はわかっているが)解決までのストーリーの中にテーマを忍ばせているらしい。

 インドの描写やストーリーが雑駁である。作家の才能の旺盛さより、衰えかも知れない。

 上巻の終り近く、主人公の奇蹟体験(その裏は、喜劇的に描かれている)や、苦行的なアメリカ人宣教師のポンペイ赴任の話など、作家のテーマは宗教的なものかも知れない。

2012年1月10日 (火)

古井由吉「槿」

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 「Amazon」内のマーケットプレイス「カフー4403」さんに注文していた本、古井由吉の小説「槿(あさがお)」が届く。

 福武文庫、1988年・刊。

 元の単行本は、1983年、福武書店・刊。

 「Amazon」内に、講談社文芸文庫・版もあったが高価なので、古い版の文庫本を買った。

 文庫で489ページの長編小説で、彼らしい心理的粘りのある文体が楽しみである。

 同じ本でも、古書店連合サイト「日本の古本屋」より安く、送料も前以って明らかで、注文・決済の手続きが簡単であった。

2011年12月31日 (土)

本の買い納め

 昨日、久しぶりに「BOOK OFF 米松店」へ行き、文庫本5冊を買った。

 今年に僕が買う本の、買い納めである。以下に列記する。

  • 井上荒野「森のなかのママ」(集英社文庫)
  • 同「ベーコン」(同)
  • 同「もう切るわ」(光文社文庫)
  • 同「だりや荘」(文春文庫)
  • 梨木香歩「からくり からくさ」(新潮文庫)

 以前から気になっていた作家、井上荒野の作品を、廉価に買えて良かった。

 
 
 今年も多くの方が、このつたないブログを読んでくださった。

 来年もよろしくお願いいたします。

 皆様、佳いお年をお迎えください。

2011年11月11日 (金)

「リルケ全集(4)」

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 「リルケ全集(4)小説」を読みおえる。

 昭和48年、彌生書房・刊。

 小説「マルテの手記」他2編、説話「神さまのお話」を収める。

 この(3)の読了を報告したのが、2010年6月13日の記事 だから、1年5ヶ月をかけて(4)を読みおえた事になる。応接間ですこしずつ読んできた。

 詩人の小説は、面白い作ではない。

 「マルテの手記」は、良家の青年が家を飛び出して、都市の生活の孤独に苦しみ、かつての日々を回想する、没落を描いたのみの小説ではない、とリルケは手紙の中でたびたび書いているらしい。「はげしい生活のちからが流れている…」と。

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