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2013年9月の28件の記事

2013年9月 9日 (月)

電子書籍版「立原道造詩集」

 CDより、電子書籍版「立原道造詩集」を読みおえる。

 これは3回めであって、1回めは2011年9月22日の記事、2回目は2012年3月19日の記事(←リンクしてある)に、アップした。

 原本は、角川文庫「立原道造詩集」、1959年17版、216ページ。

 僕は今回、8回に分けて読んだ。pdf版の本を読むのに、少し慣れた。

 立原道造の詩は、ほとんどソネットであって、この本ではそのほとんどを、見開き2ページに1編ずつ載せてあって、読みやすい。

 「言葉にはいつか意味がなく……」「それはかつてメタフィジィクの幻滅だった」など、現代の詩に通じる、方法意識がある。

Photo
写真素材サイト「足成」より、梨(洋梨?)の1枚。

いよいよ秋めいてきた。

2013年9月 8日 (日)

支部9月歌会

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 今日(第2日曜日)の午後1時より、「コスモス短歌会」F支部の9月歌会が、某会館の1室で持たれた。

 事前1首出詠12名、当日参加者10名。

 U支部長の司会で、プリントされた詠草より1首ずつ、2名が批評し、支部長の講評と添削例提示で、会は進んだ。

 僕の1首は、3ヶ所を直されたが、本意の通るものだった。揚羽蝶を含めて、蝶は春の季語だった。

 3時頃に早めに批評が済んだので、事務事項の確認等のあと、散会した。

2013年9月 7日 (土)

臼田亜浪「定本亜浪句集」

 角川書店「増補 現代俳句大系」第7巻(1981年・刊)より、8番めの句集、臼田亜浪「定本亜浪句集」を読みおえる。

 同巻では、8月30日の記事(←リンクしてある)に紹介した、桂信子「月光抄」に継ぐ句集である。

 原著は、1949年、石楠社・刊。

 この句集は、弟子たちが句を選んで、臼田亜浪(1879~1951)の古稀の祝いに献じられた本である。

 曲折はあったが50年の句業より610句を弟子たちが選んだ中より、僕が抄出するのは、畏れ多いというか、おこがましい事だが、例の事なので試みてみる。

 以下に5句を引く。

氷挽く音こきこきと杉間かな

丹念に炭つぐ妻の老いにけり

枯萩のむざと刈られし昨日かな

母子寮の厨に見えて葱白し

焼け残る塀の日向の薺かな


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2013年9月 6日 (金)

室生犀星「我が愛する詩人の伝記」

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 室生犀星の「我が愛する詩人の伝記」を読んでいる。

 中央公論社、1958年・刊。

 11人の詩人の伝記を収める。

 北原白秋、萩原朔太郎、立原道造など、ほとんど私生活でも交際のあった詩人たちで、それらのエピソードを交えて伝記を語られると、僕は惹き込まれる。

 僕はこの本の愛読者で、文庫本でも3回くらい買って読んだ。

 1冊は売り、1冊は詩の仲間に譲り、1冊は電子化してCDに収めた。

 今度、単行本を入手したので、枕頭に置いて読んでいる。パッと開いてパラパラと読むには本が良く、活字の大きい単行本は重宝する。

 立原道造たち、室生犀星のまわりに集まった詩人たちのありようを、伊藤整(詩人として出発した)は批判した。僕は長く、彼らのありようがユートピア的で、憧れていた。

 また千家元麿ら、民衆詩派の何人かも、紹介されている。

2013年9月 5日 (木)

久瀬昭雄「蒼茫の海」

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 久瀬昭雄(くぜ・あきお)さんの第1歌集、「蒼茫の海」を読みおえる。

 2010年、ながらみ書房・刊。

 桜井登世子・跋・帯文。

 彼は1994年に「未来」入会、歌集発行の当時は桜井登世子の選を受けていた。

 彼の短歌には、豪傑風のところがあって、僕は少し引く。

 ただし彼は、企業では豪傑であったので、企業戦士・モーレツ社員的に働いたらしく、「あとがき」にも「戦後復興で(中略)、連日遅くまで猛烈に働いた」と述べている。

 この歌集・発行時には83歳を迎えているので、もう力まなくてもよいのではないか。

 以下に7首を引く。


南溟のサイパンに果てしわが兄の遺しし書物『哲学以前』

薄れゆく記憶のなかに母は在ます氷片口にただ臥しましき

「永保寺の紅葉へ行こう」娘が誘う術後のわれの鬱晴らさんと

アイポッド胸にぶらさげプッチーニを聴きつつ登るリハビリの隥(さか)

祝うほど稀にあらざる七十歳がウメバチソウを探しあてたり

衰えし手足で括る本の山立ち読みはやめよ日暮れは近い

今はただ凪も嵐も夢のなか白帆返して青潮をゆく

2013年9月 3日 (火)

原田マハ「一分間だけ」

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 原田マハの小説、「一分間だけ」を読みおえる。

 宝島社文庫、2009年2刷。

 今年5月29日の記事(←リンクしてある)、「原田マハと囲碁年鑑」で、「囲碁年鑑2013」と彼女の「夏を喪くす」とともに、購入を紹介した本である。

 「夏を喪くす」については、辛めの感想を、今年6月3日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 泣ける小説には要素があって、ペット・病気・死・失恋、等だそうだ。この「一分間だけ」もそれが当てはまる。

 しかし感激が薄い、というか浅い。北條民雄「いのちの初夜」までとは言わないが、もっと揺すぶられるものがほしい。

 そうでなければ、「泣ける物語」以外の路線を走ってほしい。

2013年9月 2日 (月)

鈴江幸太郎「鶴」

 初音書房「鈴江幸太郎全歌集」(1981年・刊)より、13番めの歌集「鶴」を読みおえる。

 先の8月19日の記事(←リンクしてある)、「花筵」に継ぐ歌集である。

 原著は、1977年、初音書房・刊。

 370首、後記を収める。

 吟行の歌の他、次男の自死を嘆く「悲歌」「餘涙雑唱」の連がある。

 著者78歳だが、後記では「まだ何かが開けないにも限るまい」と、将来に希望を持っている。

 以下に7首を引く。


祖父の字を軸とし舅
(ちち)の字を額とせり我より若く逝きて惑はず

荒磯を高くおほへる潮けぶり吹かれてうごく中に降りゆく

社務所にて妻が買ふ小さき土鈴の鳴る音にだに安らふらしも

ゆるやかに空めぐり來て群のなかにくだり立つ鶴こゑも立たなく

伏兵の出でし如くにうろたへて思はぬ怒もてあましをり

木群のなかすこし窪みて坑口のあとといふとも葛の覆へる

守る如く我につづけるわが友ら坂の上には寺門(じもん)見え來ぬ

Photo
無料写真素材サイト「足成」より、秋明菊(貴船菊)の1枚。

2013年9月 1日 (日)

「歌壇」9月号

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 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)2013年9月号を読みおえる。

 短歌作品をおもにして、散文(評論等)では読まなかった部分もある。

 巻頭20首4編では、藤原龍一郎「闇の蜜」が面白い。

 壇蜜やアマゾンなど世情を詠い、国防軍化への趨勢を詠う。

 このような新しがりも、僕の読むうちでは、すっかり少なくなった。他のグループや若者の間では、盛んかも知れないが。

 多くの評論も、記す人はたいへんだろうと思う。バラストの短歌の、更に底を支えているのだろうから。

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