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2013年10月の28件の記事

2013年10月31日 (木)

日野草城「昨日の花」

 沖積舎「日野草城全句集」(1996年・刊)より、3番めの句集、「昨日の花」を読みおえる。

 今月20日の記事(←リンクしてある)で紹介した、「青芝」に継ぐものである。

 原著は、1935年、龍星閣・刊。

 自序詞、772句(全句集では改訂句を付して)を収める。

 句集名には、無季、連作が始まり、主宰誌「旗艦」創刊に至る、過去への決別が暗示されているように思われる、と解題に述べられる。

 以下に5句を引くが、評判になった句、晩年の自選「草城三百六十句」よりは、あえて選ばなかった。

杉山の霧の雨ふる薄羽織

炭をつぐひとのやさしき指を視る

安部川をつくりて妻の年忘

スケートや蹈みかはす足ゆるやかに

あらくさの茂れるなかへ帰省かな

Phm02_0297ダウンロード・フォト集より、紅葉の1枚。

 

2013年10月30日 (水)

「歌壇」11月号

Cimg7316 総合歌誌「歌壇」(本阿弥書店)の、2013年11月号を読みおえる。作品をおもに読んで、散文はあまり読んでいない。

 特集の「『赤光』百年」も読まなかった。

 彼のように歌を詠むことは出来ないし、彼のように生きるべきでもない。

 ふだんはしないのだが、1首に付箋を貼った。

 柴田義則さん(未来、幻桃、所属)の「小紅(おべに)の渡し」7首(144ページ)より、次の作品である。

花嫁が水面を鏡に紅をさす昔むかしの噺思わせ

 新妻であった彼女の、夢や情をたくさん壊して来た自分だな、と反省している。

2013年10月29日 (火)

詩誌「間隙」第35号

Cimg7311 先の10月25日(金曜日)、「群青の会」会合のおり、AUさんより頂いた同人詩誌、「間隙」第35号を読む。

 今年4月21日の記事(←リンクしてある)で紹介した、34号に続く発行である。

 AUさんは詩「パパイヤ」と、エッセイ「『パパイヤ』について」を寄せている。

 詩「パパイヤ」より、「群青」第28号の彼女の詩、「翼」の方が優れているように思える。

 今更リフレインはないでしょう、バリエーションの繰り返しならあるけど、という思いである。

 ただし同誌の、O・孝和さんの詩「夕べの光のなかで」はひらがなのみで書かれており、N・敏之さんの詩「自然の島国」では「~よ」という呼び掛けが2度行われる。

 詩のレトリックも、復古調の時代なのだろうか。

2013年10月28日 (月)

菊と薔薇

Imgp0378

Imgp0380 昨日(日曜日)に妻が友人グループで、御嶽山の方へ遊びに行き、岐阜県高山市の道の駅で、菊の寄せ植えを買って来た。

 赤花の小菊で、ボリュームがある。廉価だったそうだ。

 玄関うちの靴箱の上に置けないので、玄関外に置いてある。

 下の写真は、これも妻がどこか(職場?)で貰って来た、赤薔薇1輪と、野菊系の小花である。薔薇はしおれかけている。

 ミニ薔薇を窓辺で咲かせる楽しみがなかった事は淋しい。鬼が笑うようだが、来年春には店頭を探してみよう。

2013年10月27日 (日)

詩誌「天彦」6号

Cimg7308 1昨日(10月25日)の「群青の会」会合のおり、AUさんから頂いた、詩誌「天彦(あまびこ)」6号を読みおえる。詩人懇話会・副代表のK・久璋さんが、僕達のために、AUさんに渡していた詩誌である。

 詩8編、散文4編を収める。

 何度も書くけれども、地方から文化活動を起こして、発信することは重要である。

 詩に慣れない人は、指導を仰ぐだけでなく(詩に師弟関係はない)、古典(昭和の古典もある)を読んで、感動の体験を増やすべきである。

 エッセイ、研究も充実している。

 発行所「美浜 詩の会」代表(?世話役?)のK・久璋さんの「蟋蟀の歌」は、学識と真情が綯い合わされていて、感銘を受けた。全4連のうち、最終連を引く。


父いとし 母いとし

げに子は憎しとぞ鳴き募る

思いつめたような 綴れ刺す

蟋蟀のつぶらな目に

にわかに泪が溢れてくる

2013年10月25日 (金)

「群青の会」会合

Cimg7307 10月22日(火曜日)に「宮本印刷」より、同人詩誌「群青」第28号、100冊を受け取った。

 同人3名の詩1編ずつに、エッセイを1編、10ページのささやかな詩誌である。

 今日(10月25日、金曜日)の午後4時半に、喫茶店「ユトリ珈琲」に同人3名が集まった。

 こぐま星座さん(このあと6時より仕事)とAUさんに詩誌を渡し、同人費を受け取った。AUさんは25冊も引き取ってくれて、発送するという事であった。

 お互いの詩について、思いを述べ合った。

 先日の苜蓿忌で夫人より3人が頂いた、「広部英一全詩集」と「現代詩手帖」の広部英一特集についても。

 またAUさんより僕とこぐま星座さんが、文芸誌「天彦」6号(美浜 詩の会)、詩誌「間隙」第35号、等を頂いた。

 こぐま星座さんの勤めの時刻もあり、5時半に散会した。

2013年10月24日 (木)

詩誌「果実」69号

Cimg7304 県内にお住まいの詩人、T・篤朗さんが、お便りを添えて、同人詩誌「果実」69号を送って下さった。

 今年5月4日の記事(←リンクしてある)で、同誌68号を紹介して以来である。

 同人(皆さん元教員)5名が、詩13編と、批評2編を寄せている。

 齢を重ねても、真摯に人間性を追求する姿勢に、心搏たれる。

 T・篤朗さんは創作意欲旺盛で、5編の詩を寄せている。

 孤独感の中で、自らに問い、他者を問う。

 作品「星」全5連より、最終連を引く。


  星

    T・篤朗


  (前略)

ひときわ輝くシリウスを右手に感じ

銀河を進む

孤独な疑問を抱きしめて

光さえ携えずに

2013年10月23日 (水)

「コスモス」11月号

 結社歌誌「コスモス」の、2013年11月号を読む。

 初めより「その一集」特選欄までと、「COSMOS集」、「新・扇状地」、他。

 もちろんこれからも、同誌を読みつづける。

 今号で付箋を貼ったのは、「COSMOS集」(「その二集」「あすなろ集」の特選欄)より、有望な若手、I・佑太さんの次の1首である。

二十年住む街なれどときどきは猫に教はり路地裏をゆく

 フィクションではないとしても、誇張があるだろう。メルヘン調で、懐かしい思いにさせる。

Phm02_0281ダウンロード・フォト集より、紅葉の1枚。

2013年10月21日 (月)

清水泰子「野あざみ」

Cimg7302 清水泰子(しみず・やすこ、ペンネーム)さんの第2歌集、「野あざみ」を読みおえる。

 2006年、本阿弥書店・刊。319首。

 彼女は出版当時、「未来」会員、「黒豹」同人、日本歌人クラブ会員。

 岡井隆の選を受けて、芸術性を追うようだ。

 ただし僕は、生活の1歩1歩を、歌に刻み付けたほうが、良いような気がする。

 短歌の性質に合っており、創る者の心性への好影響も大きいと考える。

 以下に7首を引く。

生きてゐる魚を絶たむとはかなくもわが腕にいまみなぎる力

ひつさげて歩くに重き思ひ出がスーパーの袋にのしかかりくる

(こ)の婚の日が決まりたり乳色の雲は流れてカフェにひとり

白木綿(しらゆふ)しろき菊の香りに囲まれて夫のかんばせ和しつつ澄めり

一族の盆の集まり鮎食ひてたあれも言はず亡き父のこと

若き日は恐いもの知らずでありにしをもみぢに耳を焦がしゆくなり

泡盛にレモンをしぼり乾杯す今日から春とかたみに言ひて

2013年10月20日 (日)

日野草城「青芝」

 沖積舎「日野草城全句集」(1996年・刊)より、2番めの句集「青芝」を読みおえる。

 なおこの全句集は、草城の娘婿・室生幸太郎が、草城のすべての句集が絶版となっている事などを憂えて、編集した本である。娘婿が義父を顕彰する事はある事で、石川啄木の長女・石川京子の夫・石川正雄の著名な例もある。

 「青芝」は、1932年、京鹿子発行所・刊。

 自序、561句(全句集では改訂句を付して)、自跋を収める。第1句集「草城句集」に比して、地味な出帆である。

 以下に5句を引く。

春の夜や影はべらしてひとりもの

孜々として地球に鍬を加へゐる

筆硯に及べる喜雨のしぶきかな

たづさふる手のあたゝかき無月かな

ひとりゆく山科の道しぐれけり

Phm02_0288ダウンロード・フォト集より、紅葉の1枚。

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