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2014年11月の29件の記事

2014年11月 9日 (日)

「歌壇」11月号

Cimg8103 総合歌誌「歌壇」2014年11月号を読みおえる。

 散文では、読まなかったものもある。

 特集の「圧力の時代、昭和十年代の歌を読む」は、総論の他、10名が系統の先師を論じているが、戦中の作を擁護・救抜しようという論調が強く、つまらなかった。

 僕は1首のみに付箋を貼った。鈴木千代乃さんの「秋風」7首と短文「秋」より、次の作品。

忍びよる初秋の風の淋しさは滅びにむかう足音に似る

 ヤンキー文化などの伸張によって、優しい心、はかないもの、を慈しむ心が滅びに向かう時代だな、と勝手に同感した。

2014年11月 8日 (土)

「あすなろ集」読了

 短歌結社誌「コスモス」2014年11月号の、「あすなろ集」通常欄(特選欄を除く)を読みおえる。

 今号の初めより「COSMOS集」(「その二集」「あすなろ集」の特選欄)までの読了は、先月10月31日の記事(←リンクしてある)で、報告した。

 ここで「コスモス」のクラスを紹介すると、トップより「月集スバル」「月集シリウス」「その一集」「あすなろ集」「その二集」の、5クラスがあり、各クラスに特選(別欄)がある。

 僕のいるのは、真ん中の「その一集」である。各会員は、選歌数や昇級を競っている。

 僕が「あすなろ集」より付箋を貼ったのは、次の1首。栃木県のS・よしさんの4首より、以下の作品である。

生徒らはプールにありてはトビウオに陸では囀る鳥になりたり

 元気で仲の良い、少年少女の姿に、僕はホッとする。

Photoフリー素材サイト、Pixabayより、柿の一枚。

2014年11月 7日 (金)

詩誌「ココア共和国」vol.16

Cimg8097 仙台市にお住まいの詩人・秋亜綺羅さんが、季刊個人誌「ココア共和国」vol.16を送って下さった。

 2014年11月、あきは書館・発行。

 同誌・vol15は、今年5月8日の記事(←リンクしてある)で紹介した。

 その間に詩集「ひよこの空想力飛行ゲーム」の出版と、それによる「丸山豊記念現代詩賞」の受賞が挟まる。

 vol.16でも多くの詩人の詩を招待しているが、冒頭だけで後は読まなかった作品がある。

 (その良さが)自分に判らない詩を、理解しようと苦しんでまで、読むことはない、と最近の僕は思っているからである。

 高階杞一(たかしな・きいち)さんの「雨になる日」は、彼がほぼ同世代のせいか、親しみやすい。リアルな語り(内容はフィクションかも知れない)で、無理して(?)顔文字を入れたりしている。

 秋亜綺羅さんは、高階さんと同年生まれである。「時刻表にないバス」は、現代風俗を、ユーモラスなレトリックをもって語っている。

 彼の「寺山修司論まで時速四キロ①」は、彼が詩と寺山に出会ったことから、寺山修司・三島由紀夫の対論をメインに、論を始めている。今後を期待する。

2014年11月 6日 (木)

詩誌「果実」71号

Cimg8094 県内の詩人、T・篤朗さんが同人詩誌「果実」71号を送って下さった。

 県内の教員・元教員5名を同人とする。

 詩では、W・本爾さんの「天高く、そんな気がする」他1編、N・明徳さんの「ゆで玉子」他1編、K・不二夫さんの「消しゴムの匂い」他1編、F・則行さんの「おこうこ」他1編、T・篤朗さんの「尋ね人の時間」他4編、計13編を載せている。

 また3名3編の随筆を載せる。

 詩では、レトリックを用い、世相(家族を含む)や世代感を反映させた作品より、思いついたアイデアを単純に展開した、N・明徳さんの「ゆで玉子」に好感を持つ。ただし同氏の「たばこの匂い」は、五七調(七五調)への後退で、詩ではこれはいけないと考える。

 「果実」も70号記念を越えて、新しい踏み出しである。伝統ある詩誌の将来を読みたい。

2014年11月 5日 (水)

詩誌「天彦」7号

Cimg8086 頂いた事を1昨日の記事で書いた4冊のうち、詩誌「天彦(あまびこ)」7号を紹介する。

 会員13名のうち1名を除いて、全員が若狭地方在住である。

 Y・万喜さんの「六十の手習い」は、子供の時に親にせがんだが行けなかった書道塾へ、五十年を経た還暦になって通い始めた事情を述べて、感慨深いものがある。

 U・肇さんの「里山賛歌――記憶は残っていた」は、会代表の金田さんの影響を受けたか、民俗学的な視線だ。若狭には古い習俗が多く残っているのだろうか。

 N・六さんの「金田さん」は、内容で詩になじんでいないと謙遜するが、自ずからなるリズムがあって、好感を持った。

 S・博美さんのエッセイ「大つごもりの市」は、カンボジアでの年越しを描いて、優れた紀行エッセイである。

2014年11月 4日 (火)

詩誌「角」第34号

Cimg8083 頂いた事を昨日の記事に書いた4冊のうち、同人詩誌「角(つの)」第34号を紹介する。

 「角」は若狭地方在住の詩人をおもな同人とする。越前地方、県外の同人を含む。

 巻頭のO・純さんの「断念」では、自分を鳥に見立てて無精卵を抱き続け、ついに「断念が/産まれる」と書く。彼の様々な実績と高齢を思い合わせると、衝撃を受ける1編である。

 K・久璋さんの「魔除け」では、親の死に際し、魔除けに借り物の脇差ではなく、手になじんで錆の噴いた草刈鎌を、胸元に置くと描く。

 貧しい農民の歴史と、親の死を重ね合わせ、彼の専門とする民俗的な視線で描いた、優れた1編である。

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2014年11月 3日 (月)

頂いた4冊

Cimg8083

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Cimg8092

 先日、郵便配達員が玄関のチャイムを鳴らし、「郵便受けに入らないので」と、分厚い大きな封筒を渡してくれた。

 若狭に住む詩人・民俗学者の、金田久璋さんが、4冊を送って下さったのだ。

 「角」第34号、「天彦(あまびこ)」7号は、若狭を中心とする詩誌であり、いずれも金田さんが実務を執っている。

 「リアリテの磁場」(351ページ)と、「詩論と世論の地場」(279ページ)は、詩論ほかの評論集である。

 このブログの読者にはお判りの方もいるだろうが、僕が読むのは詩歌句集・写真集がおもで、エッセイなら読まないでないが、小説を読むのは難渋している。

 さらに評論集では、読む気力と体力がない。これら2冊の評論集をいつ読めるか、今は当てがない。せっかく送って下さったのだけれども…。

 彼が、詩集と民俗学論集の他の、散文を本にまとめておきたくなった心境は、自分にもよく判るつもりである。

2014年11月 2日 (日)

詩誌「群青」第31号

Cimg8080 同人3名の詩誌「群青」(年3回・刊)の、第31号が出来た。

 「宮本印刷」より100部を受け取ったのは、10月21日で、すでに10日以上を経ている。

 詩は順番に、僕の「脇役辞典」、AUさんの「橋」、こぐま星座さんの「無料のすごいサービス」である。

 エッセイは、AUさんの「表現者とは」(1ページに収めるため、字を小さくしなければならなかった)。

 10年30号の節目を越えて、成り行きはありながら、新しい1歩の踏み出しである。

 なお僕の詩「脇役辞典」は、もう1つのブログ「新サスケと短歌と詩」(アメブロ)の、10月24日付け記事(←リンクしてある)で、読むことが出来る。

 縦書きの詩が、横書きにはなっているけれども。

2014年11月 1日 (土)

「岡井隆詩集」

Cimg8075 思潮社・現代詩文庫「岡井隆詩集」を読みおえる。

 楽天ブックスより購入の記事(←リンクしてある)が、今年8月30日付けである。

 なお思潮社版の全歌集中の歌集に収められた詩篇は、それら歌集を読んだ祭に既読なので、今回は読まなかった。

 歌人の余業に、専門の詩人の詩が負けて、どうするのだという声があるようだ。

 現存の詩人の詩のうち(大衆向けの谷川俊太郎は別として)、僕が良さを理解し得る詩では、岡井隆に優るものはない、と言える。

 冒頭の詩集(2008年・刊)より「四十四の機会詩」は4連14行の作品集で、ソネットを作っている僕は、親しみを感じた。

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