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2015年12月の30件の記事

2015年12月10日 (木)

CD2枚

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 先日久しぶりに「BOOK OFF 板垣店」へ行き、本にはめぼしいものが無いので、CDを2枚買った。

 1枚は宇多田ヒカルの「EXODUS」。スリーブケース、帯(内蔵)、和訳歌詞集付き。

 歌詞が和訳されていると思わなかったので、歌詞を見ず、全編英語の14曲を、流し聴きした。声調とメロディで、女性の娘時代の質感が伝わる。

 来春には音楽活動を再開するらしく、大いに期待する。

 2枚めは、ブギー・マンの「ミュージカル・ディーラー」。全6曲。帯、歌詞カード付き。

 声がわれているので、その凄味が魅力の人もいるだろう。ボイストレーニングをしていないとすると、歌手として長続きしないのでは、と心配になる。

 歌詞はよく聴こえて、歌詞カードを辿れば、明瞭だった。

2015年12月 9日 (水)

飯田龍太「百戸の谿」

 角川書店「現代俳句大系」第10巻(1972年・刊)より、6番めの句集、飯田龍太「百戸の谿」を読みおえる。

 先の11月24日の記事(←リンクしてある)にアップした、清崎敏郎「安房上総」に継ぐ。

 原著は、1954年、書林新甲鳥・刊。256句。

 飯田龍太(いいだ・りゅうた、1920年~2007年)は、飯田蛇笏の4男であったが、兄たちの病死、戦死により、家督を継ぎ、俳誌「雲母」の主宰を継いだ。

 句集「百戸の谿」は、逆編年順であり、1953年の92句より、次第に減る。

 戦後に出発した俳句集として、叙情と新機軸が合致し、清新である。詩人の大岡信が評価したように、戦後詩の「櫂」グループに比されるだろう。

 以下に5句を引く。

いきいきと三月生る雲の奥

夏山に照る瀬ひびくは夕べのため

月の坂こころ遊ばせゐたるなり

抱く吾子も梅雨の重みといふべしや

寒の水ごくごく飲んで畑に去る

Photoフリー素材サイト「足成」より、山茶花の1枚。

2015年12月 8日 (火)

近藤芳美「営為」

 岩波書店「近藤芳美集」第4巻(2000年・刊)より、3番めの第16歌集「営為」を読みおえる。

 先の11月25日の記事(←リンクしてある)にアップした、「磔刑」に継ぐ。

 原著は、1990年、六法出版社・刊。551首。

 国内の旅、外国(トルコ等、中国、イタリア)への旅の歌に挟まれて、日常の歌があるようだ。

 晦渋な詠みぶりも、推敲を重ねての作品と言われる。

 以下に7首を引く。

ヒッタイト廃墟の岩の塁をたどるひとつひかりと風と曝るるかた

砂嵐ときなく地平にめぐるまを塩湖のたたえ蒼く氷(ひ)のごと

痛々しき病苦ののちの死のねむり君をめぐりて時のひそかなる

小さき劇ありて雨過ぐる街帰る今日生きてゆく若者を見て

明けにかけむ踊りのむれに妻も入る郡上の盆の軒濡れながら

よろこびに満ちたる笑みはこの世のもの莫高窟の闇に浮かびて

アッシジを目指す道にして遭う雷雨空裂く稲妻はオリーブの野に

Photoフリー素材サイト「足成」より、山茶花の1枚。

2015年12月 7日 (月)

若山牧水「朝の歌」

 Kindle本「若山牧水大全」より、第9歌集「朝の歌」をタブレットで読みおえる。

 先の11月30日の記事(←リンクしてある)にアップした、「砂丘」に継ぐ。

 原著は、1916年(大正5年)、天弦堂書房・刊。273首。

 写生ではないが、牧水が自然主義歌人と呼ばれる故が、わかるような作品が多い。初期の悲嘆調はない。

 喫茶店へ一人で行き、タブレットより牧水歌集を読むのが、自慢がましい僕の楽しみである。

 以下に7首を引く。

近山は紅葉さやかに遠つ山かすみかぎろひ相模はろばろ

下野の言すくななる友を思ひそが贈物鴨をわが煮る

浜に続く茅萱が原の冬枯に小松まじらひわが遊ぶところ

梅の花はつはつ咲けるきさらぎはものぞおちゐぬわれのこころに

遠松のこずゑに風は見ゆれども此処は日うらら妻よ息はな

曇り日のこころいぶせみうち出でて来しは山田の枯草の畔

帰る雁とほ空ひくく渡る見ゆ松島村は家まばらかに

Photoフリー素材サイト「足成」より、山茶花の1枚。

2015年12月 6日 (日)

「コスモス」12月号「COSMOS集」読了

 結社歌誌「コスモス」2015年12月号の、「COSMOS集」を読みおえる。

 「あすなろ集」と「その二集」の特選欄である。

 「その一集」特選欄・読了は、今月1日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 「COSMOS集」の各選(5首、稀に6首)には、選者が題を付けている。選者がどの句に感心したかわかる、愛情のこもった題である。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。O・いずみさんの「『ギリシャ』の見出し」5首より。

無口なる息子にかわりその妻のくんちゃんたびたびメールをくれる

 良縁も、短歌の功徳の1つかと、勝手に感嘆している僕である。

Photoフリー素材サイト「足成」より、山茶花の1枚。

2015年12月 5日 (土)

角川「短歌」12月号・Kindle版、読了

Photo 角川「短歌」2015年12月号・Kindle版を、おおよそ読みおえる。

 購入は、先月11月26日の記事(←リンクしてある)でアップした。

 特集「平和のうた」の中の「レポート・緊急シンポジウム 現代の危機に抵抗する短歌」は、重要なレポートである。「言葉の危機」の時代として、講演、提言、鼎談がなされた。書籍化、せめて冊子化されないものか。

 また角川短歌賞受賞・第1作の、鈴木加成太「夢の花火」30首では、「すぐ次を欲しがるもっと華やかでうつくしいひかりの玉砕を」など、時代の危機が心の危機として現れている。

 なお来年1月号より、僕は本阿弥書店「歌壇」に戻る積もりだ。角川「短歌」に現在の最高の短歌がある訳ではなく、最適な特集がある訳でもない、とわずか4ヶ月の期間だったが、そう思えるからだ。

2015年12月 4日 (金)

掛け時計

Cimg8638 このブログの2009年12月12日の記事(←リンクしてある)で紹介した柱時計が、駄目になった。

 無料で貰い受けて、初めは時計の針と振り子が正確に動いた。チャイムが鳴る事がわかり、澄んだ音色を楽しんでいたが、寒い時期に鳴らない、暑い時期にたくさん鳴るなど、トラブルが出て、今年11月に針が止まってしまい、廃品として捨てる事にした。

 チャイムと振り子がないと淋しいので、Amazonよりセイコーの掛け時計を買った。(左の写真)。

 ただしチャイムは電子音で低く、前の打鉦音には劣る。ボリュームを下げると、音が少し高くなった。

 またチャイムの鳴る時刻が15分ごとで、少しせわしい。また夜間は鳴らないように設定できるが、夜11時~朝5時45分までの停止で、やや短く、夜更しをすると、6時からのチャイムで目が覚めて、睡眠不足になりそうだ。

 Amazonを更に見てみると、振り子無しで打棒チャイム音・他、鳴る時刻は32回まで自由設定という時計がある。やや高価だが、そちらが良かったかも知れない。次に買う参考にしよう。

2015年12月 3日 (木)

梅崎春生「桜島」「崖」「日の果て」

Cimg8622 このブログで書いた通り、「三島由紀夫全集」(36巻版)の第1巻を、途中を飛ばしながらも読みおえ、第2巻に入ったが、初めの「盗賊」で躓いた。戦前の華族青年男女の、くだくだしい恋愛心理の描写に惹かれなかったからだ。

 これはいけない、三島由紀夫全集はさて措いて、別の小説を読もうと思って、「梅崎春生全集」(全8冊)の第1巻を出して来た。

 「桜島」「崖」「日の果て」を読みおえる。

 戦前の習作(?)は別として、彼は「桜島」によって文壇に登場した。1945年7月初めから敗戦まで、桜島で通信兵として従軍した「私」の視線で軍隊が描かれる。戦闘場面はないが、後からの修飾も加えて、軍隊の非人間性が描かれる。

 「崖」「日の果て」と進むに従って、シチュエーションは深刻になるが、フィクションも強くなって、衝迫性を描くのに、作者は苦労しているようだ。

2015年12月 2日 (水)

藤岡成子「雨はときどきやさしくあらず」

Cimg8616 藤岡成子(ふじおか・しげこ)さんの第3歌集、「雨はときどきやさしくあらず」を読みおえる。

 購入は今月22日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 2015年8月、本阿弥書店・刊。

 藤岡成子さん(筑紫歌壇賞・受賞、「コスモス」会員、他)の夫は、かつて市長であり、現職で倒れて亡くなったという。

 市長夫人として、その後を含めて、人間関係で得た弱みを見せない強さがあるだろう。

 また3人の子供を育て、9人のお孫さんに恵まれた事も、自信となっているだろう。

 亡夫恋の歌と共に、ユーモアに満ちた歌もあり、人柄の大きさを思わせる。

 以下に7首を引く。

この猫は城の〈ゐさうらふ〉弁当の卸零れ食べて昼寝してをり

一日ごとつりがねさうは萎えゆきていたし方なく無惨をさらす

侘しいと猫の目を見て呟けばミンナヤデーとすり寄つて来る

東日本大震災をピカソなら如何にゑがくや〈ゲルニカ〉見つむ

ちはやぶる出雲の神に寡婦なれどお礼言ひたり「しあわせでした」

新妻が七十になるその過程つぶさに知りぬ三面鏡は

おばあちやんの定位置なりし縁側に坐れば見ゆる朴の白花

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、シクラメンの1枚。

 

2015年12月 1日 (火)

「その一集」特選欄・読了

 結社歌誌「コスモス」2015年12月号の、「その一集」特選欄を読みおえる。

 この特選欄には、「月集特別作品」や「COSMOS集」のような表題はなく、また各選に選者による表題も付けられていない。

 この前の「月集」3欄・読了は、今月28日の記事(←リンクしてある)にアップした。

 「その一集」を読むと、産卵のため河を遡上する鮭の群れを連想する。しかし昇級を除けば勝ち負けはなく、順位もない。

 僕が付箋を貼ったのは、次の1首。福島県のO・玲さんの5首より。

とどまるは魂魄のみのふるさとの天気予報と今日のセシウム

 帰郷のかなわぬ被災者である。短歌では、東日本大震災、原発災害が、営々と詠まれている。

Photoフリー素材サイト「Pixabay」より、シクラメンの1枚。

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